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異境秘録「ファウスト」ヲ浄化セヨ
公式運営より †
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| 装像特効早見表 | ||
|---|---|---|
| 会派で1枚装備 | 『封じの歯車』獲得数2.5倍 | 最大強化時4倍 |
| 会派で2枚装備 | 『封じの歯車』獲得数4倍 | 最大強化時7倍 |
| 会派で3枚装備 | 『封じの歯車』獲得数5.5倍 | 最大強化時10倍 |
| 会派で4枚装備 (4人全員装備) | 『封じの歯車』獲得数7倍 | 最大強化時13倍 |
| 会派で4枚装備 (うち1枚最大強化) | 『封じの歯車』獲得数8.5倍 | |
| 会派で4枚装備 (うち2枚最大強化) | 『封じの歯車』獲得数10倍 | |
| 会派で4枚装備 (うち3枚最大強化) | 『封じの歯車』獲得数11.5倍 | |
| 難易度 |  | 著者 | (表記なし) | |
|---|---|---|---|---|
ステージ一覧
一章一節
一章二節
一章三節
一章四節
一章五節
| 難易度 | | 著者 | (表記なし) | |
|---|---|---|---|---|
ステージ一覧
二章一節
二章二節
二章三節
二章四節
二章五節
| 難易度 | | 著者 | (表記なし) | |
|---|---|---|---|---|
ステージ一覧
三章一節
三章二節
| 難易度 |  | 著者 | (表記なし) | |
|---|---|---|---|---|
ステージ一覧
追録
| マップ | |
|---|---|
| [添付] | |
| 難易度 | |
| 入手可能な道具 | 想魂(小)、文魂(小)、語魂(小)、 文魂(中)、想魂(中)、語魂(中)、封じの歯車 |
侵蝕者・経験値
※ここでの経験値・歯車の数値は全ての侵蝕者を倒した際の数値を表記しています
| 出現 場所 | 出現侵蝕者 | 体力 | 経験値 | 歯車 |
|---|---|---|---|---|
| A | 不調の獣 貳号 | 150 | 300 | |
| 不調の獣 貳号 | 150 | |||
| 不調の獣 貳号 | 150 | |||
| B | 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | 200 | |
| 不調の獣 貳号 | 150 | |||
| C | ||||
| D | ||||
| E | 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | 300 | |
| 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | |||
| 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | |||
| F | 文魂(小) | |||
| G | ||||
| H | ||||
| I | 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | 200 | |
| 炎上する嫉妬心 貳号 | 180 | |||
| J | 伝わらぬ洋墨 貳号 | 150 | 280 | |
| 不調の獣 參号 | 200 | |||
| K | ||||
| M |
獲得アイテム
| 獲得 場所 | アイテム名 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| C | |||
| F | 文魂(小) |
手に入れたい報酬を選択し、封じの歯車と交換することで報酬を手に入れることができる。
| 封じの歯車 回収数 | 報酬(交換可能回数) | 封じの歯車 回収数 | 報酬(交換可能回数) | 封じの歯車 回収数 | 報酬(交換可能回数 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 150 | 文魂(小)×50(-) | 500 | 異彩ノ薬液(刃)×2(15) | 200 | 洋墨×800(10) | ||
| 150 | 想魂(小)×50(-) | 500 | 異彩ノ薬液(銃)×2(15) | 200 | 食糧×400(10) | ||
| 150 | 語魂(小)×50(-) | 500 | 異彩ノ薬液(弓)×2(15) | 800 | 金の栞×1(1) | ||
| 250 | 文魂(中)×10(30) | 500 | 異彩ノ薬液(鞭)×2(15) | 500 | 金貨×100(5) | ||
| 250 | 想魂(中)×10(30) | 750 | 異彩ノ秘薬(刃)×1(5) | 5000 | 金貨×1000(1) | ||
| 250 | 語魂(中)×10(30) | 750 | 異彩ノ秘薬(銃)×1(5) | 20000 | 錬金術の床 | ||
| 600 | 文魂(大)×1(5) | 750 | 異彩ノ秘薬(弓)×1(5) | 15000 | ゲーテ衣装 | ||
| 600 | 想魂(大)×1(5) | 750 | 異彩ノ秘薬(鞭)×1(5) | 15000 | 泉鏡花衣装 | ||
| 600 | 語魂(大)×1(5) | 8000 | 異彩ノ結晶×1(3) | ||||
| 1500 | 魂ノ歯車×1(5) | 1500 | 召装石×300(1) |
回想「それぞれの決意 三」を閲覧すると、限定印章「ファウスト」を獲得できる。
第一 〜 第十話 ネタバレ注意
第一話 ファウスト 一
| 内容 | |
|---|---|
| アカ | あっ、来たな。あいにく館長はいないぜ。まだネコたちと話してる |
| アオ | 僕たちも待たされている間は暇なので、ファウストさんが持ち込んだ本を見ていたのです |
| アカ | 見ろよこれ、めちゃくちゃ分厚い。これも文学なんだって…… 錬金術師でもないのにこの長さって、俺は絶対読みたくないね |
| ファウスト | それは、次に潜書を頼みたい本だ |
| アカ | あっ、アンタたち、話は済んだのか？ |
| 館長 | ああ。三人とも長い間待たせてしまったな |
| ファウスト | この本の題はわかっている。……『ファウスト』だ |
| アオ | ファウストって……あなたの…… |
| ファウスト | ああ、私の名前だ。だが、それは今から話すことには関係ない |
| ネコ | 結社直々の、錬金術にも関わる重大な依頼らしい |
| ファウスト | この『ファウスト』だが、こちらで調べたが有魂書ではなかった 何らかの力の形跡はあるのだが……その正体がわからない |
| ネコ | 吾輩たちはこの本に「潜書」すれば、何か鍵が見つかるのではと踏んでいる |
| アオ | 鍵ってなんのことです？ |
| ファウスト | それは……この本を書いた人物の名前を聞けばわかるだろう |
| 館長 | この本の作者は、文学者にして概念の研究に身を捧げたアルケミスト……ゲーテ |
| ゲーテ。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテだ | |
第二話 ファウスト 二
| 内容 | |
|---|---|
| ファウスト | ……やはり手がかりはない、か |
| ヘミングウェイ | ああ、残念だがな |
| 俺を殺そうとしたもうひとりの俺……あいつは俺を執拗に追ってきた。俺に成り代わるために | |
| だが、その背後にいる者については何も仄めかさなかった | |
| フィッツジェラルド | ずいぶん用心深いやつだな、お前の偽者は |
| ヘミングウェイ | しかし、相当深いことまで知っていたことは明らかだ |
| フィッツジェラルド | 侵蝕者を作り、自分の手を汚さずに殺し合わせるなんて……吐き気がするぜ |
| 館長 | ああ、やつの影を感じたのは今回だけじゃない。過去にも…… |
| ヘミングウェイ | いや、いい。これまで君たちがどんな戦いを繰り広げたのかには興味がない その黒幕が我々全体の敵で、倒すべき存在だというだけで俺には十分だ |
| フィッツジェラルド | おいおい、そんな言い方じゃ誤解されちまうだろ |
| ヘミングウェイ | む…… |
| つまり、もちろん君たちの掲げる正義も理解しているから ここで君たちの使命について改めて語る必要はないということだ | |
| 館長 | ……わかった。ふたりとも、この後の調査でも頼りにしているよ |
| ファウスト | これから潜書する本は、文学者でアルケミストだったゲーテの本だ 今まで潜書した文豪の本の出来事を鑑みても、ここに侵蝕現象の手がかりがあると推測している |
| ヘミングウェイ | ああ、任せてくれ |
| フィッツジェラルド | やれやれ。お前のその切り替えのよさは、もはや美徳と言っていいな |
| ヘミングウェイ | 切り替えなどではない……俺は一度死んだ。それだけだ |
| フィッツジェラルド | ふーん。まあ、あれだ。Good luck. せいぜい頑張れよな |
第三話 一章一節
| 内容 | |
|---|---|
| フィッツジェラルド | うわっ、話に聞いていたとおりの世界だな 大昔のドイツの町並み……この広さを探索って、骨が折れる仕事だぜ |
| ヘミングウェイ | 文句を言うくらいなら、お前はついてこなくてもよかったものを…… |
| これは俺の仕事だ。侵蝕の原因につながるのなら、俺にはそれを明らかにする義務がある | |
| フィッツジェラルド | 何言ってんだ。それを言うなら、俺にだって関係はあるだろ |
| 俺だって、あの時『グレート・ギャツビー』の世界が侵蝕された被害者なんだからな！ | |
| 泉鏡花 | おふたりとも、なんだか雰囲気がよろしくありませんね |
| ヘミングウェイ | 君たちを置いて話してしまい申し訳ない。秋声と鏡花だったな、よろしく頼む |
| 泉鏡花 | ええ、ヘミングウェイさん、フィッツジェラルドさん。よろしくお願いします |
| ヘミングウェイ | これが噂に聞く守護者というやつか |
| フィッツジェラルド | そ。封印していた本にはこいつらがいるんだってさ |
| 徳田秋声 | 普段は本を守ってくれているんですけど 誰彼構わず襲いかかってくるんで、僕たちにとっては邪魔者ですね |
| フィッツジェラルド | だから好きなだけ暴れていいぜ、アーネスト |
| ヘミングウェイ | ふん、言われずともそうするさ |
| 徳田秋声 | 僕たちも行こう、鏡花 |
| 泉鏡花 | ええ、海の向こうのみなさんに、僕たちも負けてはいられません |
第四話 一章二節
| 内容 | |
|---|---|
| ヘミングウェイ | 大漁だな。戦果としては上々だ |
| フィッツジェラルド | おいおい、一人でこんなに片付けちまって……俺の出番も残しておいてくれよ |
| 泉鏡花 | 僕たちとしては、ヘミングウェイさんの活躍はとても心強いですね |
| ヘミングウェイ | こちらも同じ気持ちだ、先程の君のアシストには助けられた |
| 泉鏡花 | ありがとうございます、ヘミングウェイさん ですが、あまり前に出すぎると危ないですよ |
| ヘミングウェイ | ……確かに、少し張り切りすぎたかもしれないな |
| フィッツジェラルド | フクロウ相手に日頃の鬱憤を晴らしているだけだから、心配しなくていいぜ |
| こいつはさ、カジキマグロみたいな奴なんだ。一つのところにじっとしていられないんだよ | |
| ヘミングウェイ | いい加減にしろ、スコット。一言多いぞ、お前は 確かに、久しぶりの冒険に心が踊っているのは認めるが……俺は俺の仕事をしているだけだ |
| 徳田秋声 | 冒険って……ヘミングウェイさんって、活力あるね…… |
| 泉鏡花 | 非日常なんていらない精神の秋声とは大違いですね |
| 徳田秋声 | 君も一言多いんだよ |
| ヘミングウェイ | とにかく、君たちに迷惑をかけるようなことはしない ここは俺に任せてくれ。大船に乗ったような気持ちで構わない |
| 泉鏡花 | はい。では、よろしくお願いしますね |
第五話 ファウスト 三
| 内容 | |
|---|---|
| ネコ | さて……文豪たち、ゲーテの本はどうだ？ 何か手がかりはありそうか？ |
| 徳田秋声 | いや……どこまでいっても同じような町並みが続いているけど…… |
| 泉鏡花 | とても長い物語なだけあって、まるで迷路のようです |
| 徳田秋声 | 守護者以外にはなんの気配も感じないし、すごく静かだ |
| ファウスト | そうか……ここに潜書している間は、逐一状況を教えてもらおう |
| 館長 | 今回はゲーテの本の調査が目的だから、慎重に進めたい 通信が切れたりしたら、すぐ戻ってきてほしい |
| 徳田秋声 | わかったよ。危ない目に合わなくて済むなら、僕としてもとてもありがたいね |
| ヘミングウェイ | それにしてもだ、ゲーテの本とは。まさしく文豪と呼ぶにふさわしい大物じゃないか…… |
| フィッツジェラルド | そんでもってアルケミストだったって、こいつはヤバイ新情報だよなあ |
| ネコ | そうだ。それも、吾輩たちでも知っている大物のアルケミストだ |
| 泉鏡花 | あの文豪がアルケミスト……そんな裏の顔を持っていたとは驚きですね だからでしょうか。守護者も他の本よりも強いようですからね…… |
| 慎重に、との言葉を心に刻んで進むことにしましょう | |
第六話 一章三節
| 内容 | |
|---|---|
| 泉鏡花 | 不浄な嘴で僕に触れるな……！ |
| ……片付きましたね。念の為、清めの塩を振っておきましょう | |
| フィッツジェラルド | Phew! お前の友達は綺麗な顔しておっかないなあ |
| 徳田秋声 | うーん、確かに強いし、頼りになるんだけどね…… |
| フィッツジェラルド | 歯切れが悪いな。さっきも小言を言われていたし、何か抱え込んでいるっぽいな |
| 徳田秋声 | 仲良くなる努力はしているんだけどね……僕の兄貴分だって思っているから、口うるさいんだ |
| そのくせ、気はとことん合わない。面倒くさい人だよ、鏡花は | |
| フィッツジェラルド | あー、わかったわかった。腐れ縁ってやつだな |
| 徳田秋声 | まあ、それでもうまくやっている方だと思うよ。僕たちにはどこかで割り切りが必要なんだ そうじゃないと、永遠に僕たちの師匠を困らせることになるだけだからね |
| ヘミングウェイ | ……わかるぞ。お互い苦労人だな |
| フィッツジェラルド | 聞いてたのかよアーネスト。ってかそれ、俺の前で言うか？ |
| ヘミングウェイ | 言って何か悪いことがあるか？ |
| フィッツジェラルド | ……いや、ねえよ。もう好き放題言ってくれ |
第七話 ファウスト 四
| 内容 | |
|---|---|
| ヘミングウェイ | こいつ、ちょこまかと……！ |
| 徳田秋声 | なんだか、奥へ進むほど敵が強く……いや、狡猾になってきていないか…… |
| ヘミングウェイ | ああ、今までと違って闇雲に襲いかかってこない。知能の低い獣にしては攻撃が陰湿だな…… |
| ファウスト | 不可解だな……封印を施した時よりも強力になっている |
| フィッツジェラルド | Awesome! 息がピッタリじゃないか。先輩方の戦いぶりは見ていて清々しいぜ |
| 徳田秋声 | そういうスコットさんも、ヘミングウェイさんの的確な援護に回っていて息がピッタリに見えるよ |
| フィッツジェラルド | はは、そりゃ気のせいさ。アーネストに前衛を任せてるってだけだってな |
| 泉鏡花 | これで片付きましたか？ |
| ヘミングウェイ | いや、あと一匹…… |
| 徳田秋声 | なんだあの守護者、他のやつとちょっと違うね |
| ヘミングウェイ | 面白い……こいつは狩りがいのある獲物だ…… |
| フィッツジェラルド | 待て待て深追いするな。邪魔してこねーし、わざわざ狩ることねーだろ |
| ヘミングウェイ | ちっ…… |
| 守護者 | ホ…… |
| ヘミングウェイ | あの動き……ついてこいとでも？ |
| 徳田秋声 | 僕たちに何かを伝えようとしてるのかな。ついていってみるかい？ |
| 泉鏡花 | 今回は調査が目的ですが……確認してみましょう |
第八話 一章四節
| 内容 | |
|---|---|
| ファウスト | 奇妙な動きをする守護者、か。重要な手がかりだ 特別な術がかけられている可能性が高い |
| ヘミングウェイ | 俺は、逃げるやつがいると追いかけたくなる性分なんだが……それでいいか？ |
| ファウスト | ああ。追いかけてくれ |
| 泉鏡花 | 秋声！ 置いていかれても知りませんよ |
| 徳田秋声 | わかってるよ！ |
| 泉鏡花 | 僕たちがいるかどうか、こっちを振り向いて確かめていますね…… やっぱり僕たちをどこかに連れて行こうとしているのでしょうか |
| 徳田秋声 | 全く……案内されているかと思ったけど、やっぱり邪魔もしてくるのか |
| フィッツジェラルド | 進ませたいのか止めたいのか、どっちかにしてほしいもんだな |
第九話 一章五節
| 内容 | |
|---|---|
| 徳田秋声 | ここは……もう完全に町から外れているね |
| ヘミングウェイ | どこまで進ませるつもりだ？ 俺たちを迷わせて、帰れなくしようとしているんじゃないだろうな？ |
| 泉鏡花 | しっ、静かに…… |
| なにか聞こえませんか？ | |
| フィッツジェラルド | 何か、すごく大きいものが近づいてきている…… |
| フィッツジェラルド | What? でかすぎだろ！ |
| ヘミングウェイ | はっはっは！ とんだ大物が現れたな、絶対に仕留めてやる！ |
| フィッツジェラルド | おいおいおい、待てよアーネスト！ |
| 徳田秋声 | こんなに大きいのは初めてだよ……！ どこから現れたんだ！ |
| 泉鏡花 | くっ、硬い……！ |
| ヘミングウェイ | 大きい獲物は囲って急所を狙うのが定石だ。俺が引きつけている間に散れ！ |
| 泉鏡花 | わかりました、いきましょう秋声！ |
| フィッツジェラルド | くるぞ！ 気をつけろ！ |
第十話 一章五節
| 内容 | |
|---|---|
| ヘミングウェイ | 仕留めたぞ！ |
| フィッツジェラルド | な、なんとかなったな…… |
| ヘミングウェイ | 骨のある獲物だったな。……ここに俺たちを連れてきたあの小さな案内人は何処だ？ こんなだまし討ちをしてくれたんだ。今度こそ捕まえて絞めてやる…… |
第十一 〜 第二十話 ネタバレ注意
第十一話 知識の迷宮 一
| 内容 | |
|---|---|
| ネコ | ようやく追いついた。お前たち、かなり深くまで進んでいたようだな |
| 徳田秋声 | ネコ、ここまで追いかけてきたのか！ |
| ファウスト | その様子……特に問題も起こっていないようだな |
| 館長 | この原っぱ……ネコのおかげでよく見えるな |
| 徳田秋声 | あれ……館長さんたち、僕たちのことが見えてるの？ |
| ネコ | ああ、吾輩の目を通してな |
| 泉鏡花 | あなた、そんなこともできたのですね |
| フィッツジェラルド | アーネスト……どうした？ |
| ヘミングウェイ | 猫だ…… |
| 徳田秋声 | 猫、好きなんですか？ |
| ヘミングウェイ | ああ…… |
| 徳田秋声 | 撫でたければ、どうぞ |
| ネコ | おい秋声、勝手に持ち上げるな |
| 徳田秋声 | 君、撫でられるの好きじゃないか |
| ヘミングウェイ | いいのか……？ |
| ネコ | ……ふん、意外と悪くはニャイ |
| ヘミングウェイ | しゃべる猫、君の名前は……？ |
| ネコ | む……吾輩はただのネコである。名前はまだニャイ |
| ヘミングウェイ | 名前はまだニャイ？ ……なぜだ？ |
| ネコ | それは海よりもふかーい事情があるのだ |
| ヘミングウェイ | そうか……話す気がないなら深くは聞かないが…… |
| 館長 | すまないが、お互いに癒されるのはそのくらいにしてだな…… |
| ファウスト | お前たちが見つけた空間というのはどこにある？ |
| ヘミングウェイ | ああ、こっちだ…… |
第十二話 二章一節
| 内容 | |
|---|---|
| 徳田秋声 | うわっ、なんだこれ、本の山！ |
| フィッツジェラルド | Phew! 果てが見えないぞ。回廊が無限に続いてるみたいだぜ |
| ファウスト | やっとみつけた……ゲーテの研究資料を |
| 館長 | この『ファウスト』の中に、ゲーテの研究の秘密が眠っていたってことか！ |
| ヘミングウェイ | どういうことだ。ここはゲーテの『ファウスト』とは違う世界だとでも言うのか？ |
| ファウスト | ああ、その場所は、ゲーテの作った人工的な概念の世界だ |
| ネコ | 通常、アルケミストは自身の研究それ自体を本に秘匿する 封蔵書のように封印して、他人に読まれるのを防ぐものだが…… |
| ファウスト | だが、まさか文学書の中に作っていたとは…… |
| 泉鏡花 | 壮観です。こんなに本が並んでいるとは……どこまでも続いて見えますよ？ |
| これがすべて錬金術について書かれた本なのですね…… | |
| 泉鏡花 | うわっ、いきなりなんですかあなた達……！ |
| 徳田秋声 | 何をやっているんだよ鏡花……！ |
| 泉鏡花 | すみません、美しい装丁に惹かれて、手にとってしまって…… |
| 徳田秋声 | やれやれ、息をつく暇もないな…… |
第十三話 二章一節
| 内容 | |
|---|---|
| 徳田秋声 | はあ……びっくりしたよ |
| ファウスト | そこにいる守護者も、我々結社の人間によるものではなく、 ゲーテ自身によって作られたものだろう |
| ネコ | 錬金術の秘密を守るために守護者が仕掛けられているようだ |
| ファウスト | 研究成果が奪われないようにする仕掛け。私がその技術を応用して、文学を守らせていた |
| 泉鏡花 | 錬金術の技術を……なるほど、もともとはこのための術だったのですね |
| ネコ | ここの文献に当たれば、なにか情報が得られるかもしれニャイ |
| ファウスト | ああ、だが先程のように守護者をまとめる存在がいるはずだ それに接触さえできれば、私が封印を解くことができる |
| 徳田秋声 | ここでもやることは同じってことだね…… |
第十四章 知識の迷宮 二
| 内容 | |
|---|---|
| 泉鏡花 | ゲーテがアルケミストだったとは知りませんでした |
| ファウスト | 何百年も昔の人間ならともかく、通常、自分がアルケミストだとは名乗らない |
| 泉鏡花 | どんなアルケミストだったのですか？ |
| ファウスト | ゲーテは精神エネルギーと概念について研究していたが その研究の一つとしてファウスト博士についても調べていた |
| ネコ | ファウスト博士？ なんだ、聞いたことがあるな…… |
| 館長 | 結社ができるよりもずっと昔に存在していたアルケミスト……と言われている 半ば伝説化した人物だ。悪魔と契約して、錬金術の知識を得たという伝説がある |
| ネコ | もしかして、お前の名前ってその男からきているのか？ |
| ファウスト | ……ああ、そうだ |
| ゲーテは長年その伝説について調べていた 最後にはその男の物語を……文学を書いてしまうほどにな | |
| ネコ | なぜそんなことをする…… |
| ファウスト | 人生の楽しみだ、と言っていた |
| ネコ | 言っていた……？ |
| ファウスト | その言葉の通り、ただの趣味だと思っていた…… |
| だが、この概念の世界を見ていると、文学を書くことにも何か別の目的があったのかもしれない | |
| 館長 | 学究の徒でもあり、創作者でもあったゲーテだ あふれる才能を惜しみなくふりまいた結果だったのだろうな |
第十五話 二章二節
| 内容 | |
|---|---|
| ネコ | 秋声、何をぼんやりしているのだ？ |
| 徳田秋声 | この場所……見渡す限り本しか見えないよ…… こんなに驚いたのは、図書館に来たとき以来だ |
| ネコ | ふむ。そういえば、この共闘……初めてお前たちが潜書した時を思い出すな |
| 考えてみれば、お前を転生させたのは吾輩だった | |
| 徳田秋声 | あの時は何もわかってなかったから疑問に思わなかったけど、君って潜書できるんだったね…… |
| ネコ | そうだ。吾輩もお前たちと同じ魂の存在だからな |
| 徳田秋声 | ふーん……それで名前もないままに、政府の伝達役をやっているのかい |
| 泉鏡花 | 秋声！ あなたも塩を振ってください。祓いますから |
| 徳田秋声 | ちょっ、何しているんだ、鏡花……また清めの塩!? |
| いらないよ、侵蝕者と戦っているわけじゃないんだから！ | |
| 泉鏡花 | これは儀式なのです。行うことに意味がある、だから大人しくなさい |
| ネコ | 相変わらずだな、お前たち |
| 徳田秋声 | 本当だよ。君は僕に指図してばかりだよね……さっきも僕の援護に小言を言っていたし |
| 泉鏡花 | それは秋声が頼りないからですよ |
| 徳田秋声 | ええ……はっきり言うじゃないか |
| 泉鏡花 | 最初に図書館にやってきた最古参としての自覚を持ってもらいたいものです そうすれば僕は何も言いません |
| ネコ | 見上げた使命感だな。徳田以外の仲間もそうやって鼓舞してやってくれ |
| 徳田秋声 | ええ…… |
| 泉鏡花 | 侵蝕者との戦いも激しくなっています |
| 特に今は重要な任務中です 解決のきっかけを掴むため、しっかりと励まなければ | |
| ネコ | そうだ。長い侵蝕者との戦いを終える……その手がかりを掴めるのなら…… |
第十六話 二章二節
| 内容 | |
|---|---|
| フィッツジェラルド | はあ……やれやれ、キリがないぞ |
| ヘミングウェイ | この程度で、もう音を上げるのか？ |
| フィッツジェラルド | うるせー、お前と比べるなって |
| 泉鏡花 | あそこ！ 明かりが見えます……！ |
| 徳田秋声 | えっ、今なにが……！ |
| ？？？ | ようこそ、私の知識の城へ |
第十七話 知識の迷宮 三
| 内容 | |
|---|---|
| ゲーテ | おやおや、これは思ったよりも大所帯のお客ですね |
| 待っていましたよ。私はゲーテ。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテです | |
| 徳田秋声 | なっ……本当に、ゲーテ!? |
| ゲーテ | 驚かれるのは当然でしょう。まあ、ここは安全ですから気を張らなくて構いませんよ |
| ヘミングウェイ | 俺たちが来ることがわかっていたのか？ |
| ゲーテ | ええそうですとも。みなさんの気配を感じまして、使いを出したのです あれはちゃんと仕事をしてくれたようですね |
| ファウスト | 師匠…… |
| ゲーテ | その声は、ファウストですか？ この概念の世界で愛弟子に出会えるとは、久しぶりですねえ |
| ネコ | ファウストが、お前の弟子だと……！ |
| 館長 | そうか……納得がいったよ。だからこの『ファウスト』への潜書を依頼してきたんだな |
| ファウスト | 貴方を探していました。ここにいたから、有魂書だとわからなかったのですね…… |
| ゲーテ | ええ、その話も後ほどいたします。今はこの方達のお話を聞きましょう |
| ネコ | ゲーテよ、吾輩たちはお前を探していた。話を聞かせてもらおう…… お前が知っていることと、現在起きている危機について |
| ゲーテ | おやおや……こういった形の使い魔もあるのですね 貴方を通して、外の世界からこちらを観察している…… |
| ネコ | 話を聞いているか!? |
| ゲーテ | ええ、もちろん。聞いていますよ…… |
| ネコ | ニャッ！ |
| お前、吾輩の頭の中を覗いたな!? | |
| ゲーテ | ええ、失礼を承知で覗かせていただきました……その方が話が早いかと思いまして |
| ふむ、おおよその事情は把握しましたよ 皆さんは侵蝕と呼ばれる現象に対抗して戦っているのですね | |
| 館長 | 話が早くて助かる。さすがはゲーテ、歴史に名を残すアルケミストだ |
| 徳田秋声 | 文豪で、アルケミストか……なんとも不思議な響きだね |
第十八話 知識の迷宮 四
| 内容 | |
|---|---|
| ネコ | 吾輩たちは手がかりを掴みに、この本にやってきた。こんなところにいたとはな |
| ゲーテ | 私の知っていることをお話しましょう……アルケミストではない皆さんにも |
| まずは貴方がたが把握している状況について、侵蝕について、詳しく聞かせてもらえますか？ | |
| フィッツジェラルド | Wow……今、何が起こったんだ!? |
| ゲーテ | 貴方がたの記憶から世界を再現してみました。現実ではないので、安心してください |
| ヘミングウェイ | 記憶から……アルケミストというのはそんなこともできるのか |
| ゲーテ | これが侵蝕ですね…… |
| そしてこれが侵蝕者、ですか | |
| なるほど。正の精神エネルギーで本の世界が形作られているのなら、負では破壊される…… | |
| ファウスト | はい。そして破壊された概念は普通の人間には認識できなくなる…… |
| ネコ | この侵蝕者を差し向けている黒幕がいる。吾輩たちは何度もそいつに辛酸を嘗めさせられてきた |
| ヘミングウェイ | ああ……俺もその被害者の一人だ。なのに、正体についての手がかりがどうしてもつかめない |
| ファウスト | 我々はそのために来ました。協力してください |
| ゲーテ | ええ、こんなことは早く止めさせなければ。もちろん、協力しましょう…… |
第十九話 二章三節
| 内容 | |
|---|---|
| ゲーテ | さて、詳しい話は後ほど |
| 私が現実の世界へ転生するには一度､『ファウスト』の世界に戻らねば…… ここは厳重に封印されているので、現世との間にある壁を超えられないでしょう | |
| ネコ | わかった。その方が図書館の連中としても助かるだろう |
| ネコ | うっ、またここか…… |
| ヘミングウェイ | ここで錬金術の研究でもしてたのか？ |
| ゲーテ | ええ。人の頭にしまえる知識には限りがありますが 本にしてこの世界にしまえばこのとおり、素晴らしい貯蔵庫になるのですよ |
| かつて私がこの世界をファウストの中に作ったのは、秘密を厳重に隠す意図もあったのですが ……ここで百年以上暮らすことになるとは思っていませんでした | |
| 徳田秋声 | 百年!? |
| ヘミングウェイ | そんなに長い間こんなところに引きこもるなんて……俺には耐えられないな |
| 徳田秋声 | うん、本に囲まれる理想の生活かもしれないけど……ここまでとなると、ちょっとね |
| ゲーテ | ええ。ですから、みなさんと話すことができてとても嬉しいのですよ それも、言葉を紡ぐ文学者のみなさんとね |
| ヘミングウェイ | また出たな…… |
| ゲーテ | 先程、みなさんが本に触れてしまったせいで、目をつけられてしまっていますね |
| 泉鏡花 | この守護者はゲーテさんが作ったと聞きましたが、本当ですか？ |
| ゲーテ | ええ、先程は私の警報装置がご迷惑をおかけしました |
| ヘミングウェイ | いや、驚きはしたが、大して苦労はしなかった |
| ゲーテ | ふふ、さすがですね。みなさんの顔を見れば、激しい戦いを経てきたことがわかりますよ |
| ……少しお願いがあります 一度、実際にみなさんの力を見せてはもらえませんか？ | |
| 泉鏡花 | いいでしょう。侵蝕が始まって以来、侵蝕者を倒してきた、僕たちの力をお見せしましょう |
第二十話 二章三節
| 内容 | |
|---|---|
| ゲーテ | すばらしい、守護者たちをこんな短時間で一掃してしまうとは |
| 知識を守る封印を施したものとしては、少し悔しいですね。ふふ | |
| ネコ | 遊びはもういいだろう。図書館の奴らが待っている、早く向かうぞ |
| ゲーテ | ええ、お待たせしてすみませんでした |
第二十一 〜 第三十話 ネタバレ注意
第二十一話 知識の迷宮 五
| 内容 | |
|---|---|
| ゲーテ | 貴方の頭を覗かせてもらったおかげで、事情はだいたい飲み込めましたが、 一つ腑に落ちていないことがあります |
| ネコ | 転生についての話、だな |
| ファウスト | 文学書で生まれた魂の存在は、特別な力を持つアルケミストによって転生できるのだそうです |
| ゲーテ | 転生できる魂が文学で生まれる事実だけでも驚きなのに 現世に定着させるとは、なんという大発見でしょう |
| ネコ | 嬉しそうだな…… |
| ゲーテ | 「概念の世界で命を持つことができる」という仮説が正しかったことは、 ここに私がいることで証明できていましたが……現世の錬金術も進歩していたようですね |
| ネコ | お前には転生後、帝國図書館に所属するアルケミストとして協力してもらう 今回のことで、結社からもたらされた本から得られるものは すべて図書館が所有することになっているからな |
| ゲーテ | ほう、何故ですか？ |
| ネコ | この結社の男と交渉したのだ ……結社が錬金術のことでこの国のアルケミストと協力するのは、前例のないことだがな |
| ファウスト | 師匠は、結社にまた戻っていただきたかったのですが…… |
| ゲーテ | 愛弟子のファウストと会えるのですから、かまいませんよ。どこへなりとも参りましょう |
第二十二話 三章一節
| 内容 | |
|---|---|
| ゲーテ | みなさんのお話で理解できました やはり侵蝕を引き起こしている者は、負の精神エネルギーを溜め込んで使役していると…… |
| 泉鏡花 | ええ。始めはそれで文学を消そうとしているのだと思っていましたが、どうやら違うようです |
| ゲーテ | ……話し込みながら歩いているうちに、出口が近づいてきましたね |
| 館長 | ……あの錬金術の山から離れてしまうのは、少し名残惜しいな |
| ゲーテ | またご案内しましょう。みなさんの希望なら、喜んでお見せしますよ |
| 館長 | 本当か！ それはとてもありがたいな |
| ファウスト | 師匠、あまり機密情報を他の組織のアルケミストに……いや、今はよしましょう |
| フィッツジェラルド | じゃあ、さっそく図書館に…… |
| 侵蝕者 | ア……ガ…… |
| フィッツジェラルド | えっ |
| ヘミングウェイ | どけっ！ |
| ヘミングウェイ | なんだこいつら……全く気配を感じさせなかった |
| フィッツジェラルド | ああ、本に侵蝕が起きた気配もなかったのに！ |
| ヘミングウェイ | まるで、気配を消して俺たちを待ち構えていたみたいだ…… |
| ネコ | お前たち、その侵蝕者を片付け次第、すぐに帰るぞ。何かが起きている！ |
| フィッツジェラルド | 言われずともそうするよ！ こいつらを倒したら、な |
第二十三話 三章一節
| 内容 | |
|---|---|
| フィッツジェラルド | Bingo! これで…… |
| 徳田秋声 | いま、復活した……？ |
第二十四話 三章二節
| 内容 | |
|---|---|
| 泉鏡花 | 様子がおかしい……！ こんな侵蝕者は見たことがありません…… |
| ヘミングウェイ | こいつらの動き……さっきと全く違う。操られているぞ！ |
| ゲーテ | みなさん、下がって！ |
| ゲーテ | 今のうちに止めを！ |
| 泉鏡花 | はい、感謝します！ |
第二十五話 三章二節
| 内容 | |
|---|---|
| 徳田秋声 | はあ……はあ……やっと倒せた |
| ゲーテ | 油断なさらないように！ 何かの気配を感じます |
| フィッツジェラルド | 何かって？ |
| ヘミングウェイ | そんなもの一つしかない、こいつらを操っていたやつだ |
| ゲーテ | ええ。考えられるとすれば、例の侵蝕者を差し向けている存在…… |
| 徳田秋声 | 僕たちは今、黒幕の攻撃を受けていたってこと？ |
| ？？？ | 見事なものだ……人は群れると強くなるというのは、真理だったようだな |
第二十六話 侵蝕者の親玉 一
| 内容 | |
|---|---|
| ？？？ | へえ……これが例の……随分と手の込んだ概念じゃないか |
| ネコ | 貴様……どこから現れた…… |
| ゲーテ | あの時の影……ここでまた、会うことになるとは |
| ヘミングウェイ | あの時？ |
| ゲーテ | ええ。私がなぜこの錬金術書の内に留まり続けていたのか、説明していませんでしたね |
| 私は『ファウスト』の世界であれに殺されかけまして、ずっと隠れていたのです | |
| ゲーテ | あれ以来、ある仮説についてずっと考えていました。今、それが確信に変わりましたよ |
| 貴方はメフィスト、違いますか？ | |
| ？？？ | 略すのはいただけないな。ちゃんとメフィストフェレスと呼んでくれ |
| メフィストフェレス | 人間たちにもらったその名前、気に入っているのだから |
| 徳田秋声 | メフィストフェレスって『ファウスト』に登場するっていう……あの？ |
| ゲーテ | いえ、この『ファウスト』で生まれた存在ではありません |
| もっと大きな……古より人々に語られし伝説としての存在……違いますか？ | |
| ネコ | 古より人々に語られし伝説としての存在……まさか…… |
| ゲーテ | 『負の感情をもたらす』超常的存在の概念が集まって人の形になったもの |
| 時代と場所によって悪魔であったり、悪霊だったりと、呼び名が変わります | |
| メフィストフェレス | そんな味気ない形容をされたら傷つくだろう この世界では、貴様らが好き放題に祭り上げたことだけが真実とはいえね…… |
| 泉鏡花 | メフィストフェレス。言葉巧みにそそのかし 負の感情を煽り立てる存在の名前としては、これ以上なくふさわしいですね |
| 徳田秋声 | つまり、お前が侵蝕を引き起こしている黒幕ってことか……！ |
第二十七話 三章三節
| 内容 | |
|---|---|
| ネコ | わかったぞ……お前の正体と目的…… |
| メフィストフェレス | ああそうだ、お前たちの存在を忘れていた |
| そこにいる現世に生きる人間たち、初めまして。ようやく話すことができたな | |
| ファウスト | こちらが見えているのか……？ |
| メフィストフェレス | 文学者の魂を引き出して戦わせるなんて、離れ業をやってのけるとは思ってなかったよ |
| 館長 | やはりお前が侵蝕者を作り、人をそそのかして殺し合いをさせていたのだな……悪趣味な |
| メフィストフェレス | 悪趣味かあ、最高の賛辞だな。楽しんでくれたようで何よりだ |
| 文学という矮小な世界で人間たちが争うのを見られたので、こちらも満足だった 精神エネルギーもたくさん得られたことだし…… | |
| ゲーテ | 貴方、今までずっと隠れていたそうではないですか いきなり出てくるなんて……随分と焦ってますね？ |
| メフィストフェレス | やれやれ……こんな場所でこそこそ隠れていたのはどちらかな |
| ゲーテ | やはり狙いは私の命ですか…… |
| メフィストフェレス | ふん、話はもういいのだろう？ 喜劇はもう終いだ |
| 今度は貴様を確実に消す | |
| ゲーテ | させません……！ |
| ゲーテ | くっ…… |
| メフィストフェレス | やはりこの程度か 少し力を使った程度で随分お疲れのようじゃないか。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ |
| 貴様がこの世界を創ったことは評価しているが……その創作意欲が仇になったな | |
| そして文学者ども。お前たちも、もはや用済みだ。消えてもらおう…… | |
第二十八話 三章三節
| 内容 | |
|---|---|
| メフィストフェレス | 人の善性が裏切られ、否定される時の感情が、とても好みでね…… |
| だが簡単に堕落されるのでは美味しくない。君たちには楽しませてもらったよ | |
| フィッツジェラルド | Shut up! お前の好き嫌いなんて知らねえよ！ |
| ヘミングウェイ | スコット、お前は下がっていろ！ こいつは俺の獲物だ！ |
| メフィストフェレス | お前の友たちは己が生み出した負の感情に飲まれたものな。これぞ愚かな人間というべき！ |
| ヘミングウェイ | 見下しやがって!! |
| メフィストフェレス | おやおやおや…… |
| フィッツジェラルド | Calm down, アーネスト、相手の調子に乗せられんな |
| ヘミングウェイ | そんなことはわかっている……！ |
| 誰が何と言おうと、お前だけは許さない……！ この恨みはここで晴らさせてもらう | |
第二十九話 三章三節
| 内容 | |
|---|---|
| メフィストフェレス | くっ…… |
| フィッツジェラルド | GO! 今だ、アーネスト！ |
| ヘミングウェイ | うおおおおおお!!! |
| 徳田秋声 | やった…… |
| メフィストフェレス | ぐっ……はは…… |
| 感情を浄化する……これが文学者の力か。遣った手下が持て余すわけだ | |
第三十話 侵蝕者の親玉 二
| 内容 | |
|---|---|
| メフィストフェレス | ははははは！ なんとも滑稽な！ |
| 必死になって戦うお前達を見て笑いが止まらないな！ | |
| 徳田秋声 | 倒したと思ったのに…… |
| ヘミングウェイ | くそ……俺たちが攻撃していたのは幻だったと……!? |
| メフィストフェレス | 別れを告げなければならないのが非常に惜しいよ |
| だが、幕が下りる時が来た | |
| ネコ | この力……まさか、あの？ |
| ヘミングウェイ | 世界が一気に……！ |
| 泉鏡花 | これは……概念が崩壊しています！ |
| ネコ | お前たち走れ！ 出口へ！ |
| 徳田秋声 | ダメだ、崩れる……！ |
| ネコ | 今だ司書！ こいつらを戻せ、ゲーテを転生させるのだ！ |
| 徳田秋声 | ネコーっ！ |
| ネコ | お前たち……錬金術書を……探せ…… |
第三十一 〜 第三十三話 ネタバレ注意
第三十一話 それぞれの決意 一
| 内容 | |
|---|---|
| アカ | 起きろ、起きろって！ |
| アオ | ああ、目が覚めましたか！ よかった！ |
| 徳田秋声 | 頭がふらふらする……僕たち、図書館に戻ってきたのか？ |
| フィッツジェラルド | いてて……みんな無事か？ |
| 館長 | よかった……なんとか君たちだけは戻ってこれたんだな |
| 徳田秋声 | 君たちだけ……？ |
| 泉鏡花 | 『ファウスト』はどうなったのですか？ |
| ゲーテ | メフィストによって概念崩壊が起こされ、消えてしまいました |
| 我々は命からがら脱出したのです | |
| 泉鏡花 | 館長、ネコは……？ |
| 館長 | あいつは……あの『ファウスト』の中で…… |
| ファウスト | あのネコが防壁を張って君たちを逃してくれなければ、全員が命を落としていただろう |
| ゲーテ | 彼はさすがでした。あの場ではああするしかなかったと思います |
| 泉鏡花 | ええ…… |
| アカ | くそっ！ 侵蝕者の親玉があんな奴だなんて聞いてねーよ！ |
| 館長 | 一瞬で、一つの世界が消えてしまうほどの力……どれだけ負の精神エネルギーを溜め込んできたんだ |
| ファウスト | ああ。だから君たちが無事だったことは、不幸中の幸いといったところだろう 特務司書の力によってゲーテも転生できた |
| 徳田秋声 | …………………………………………………… |
| ゲーテ | ……そのとおりですよ。みなさんは無事でした あの強大な力の前でよく全滅を避けられたと思います |
| アルケミストの皆さんも、私の命を救ってくださってありがとうございます | |
第三十二話 それぞれの決意 二
| 内容 | |
|---|---|
| 館長 | …………………………………………………… |
| 徳田秋声 | これから、どうする？ |
| ゲーテ | 我々が生きていることは、早晩知られてしまうでしょう |
| その前に……やつが油断している今、根城を見つけ叩くのです | |
| 館長 | できるのか？ どこにいるのか、今まで全くわからなかったんだぞ……？ |
| ファウスト | やつはあくまでも概念の世界でしか存在できない 居所さえわかれば、こちらから攻めることは容易い |
| ゲーテ | やるしかありません。少しだけ時間をください |
| 我々はやつを倒すための知識と力を持っています そうでなければ、わざわざ我々の前に姿を現しはしないでしょう | |
| ファウスト | 文豪たちを脅威に感じていたことの証拠だな |
| ゲーテ | ええ、明らかに危険を冒していました 姿を見せたことのない慎重さが崩れたことには理由があるはずです |
| 徳田秋声 | それがわかれば、反撃の手がかりになる…… |
| アカ | そうだよ！ やるしかねえじゃん館長！ |
| 館長 | ああ……その通りだな |
| ファウスト | 各方面に手配しよう。必ず手立てを見つけてみせる |
| ゲーテ | 貴方にも働いてもらいますよ、ファウスト |
| ファウスト | はい。結社と帝國図書館の力を集結させた総力戦ですね |
| ゲーテ | ええ。みなさん……そして司書さん、これからお世話になります |
第三十三話 それぞれの決意 三
| 内容 | |
|---|---|
| アオ | ネコ……本当にもう…… |
| 館長 | いや、やつの死を無駄にはしない |
| ゲーテ | ……これを |
| 館長 | これは、ネコの頭を覗いたときの…… |
| ゲーテ | ええ、彼の記憶です。形見……とはいかないでしょうが、みなさんに預けておきます |
| 館長 | ありがとう。もらっておく |
| ゲーテ | みなさん、こんな時に彼の話をする無遠慮を許してください |
| 館長 | ……ネコのことか？ |
| ゲーテ | あのネコさんは何者だったのですか？ 猫かと思えば、人間のようでもある |
| それに、あの最後の言葉……「錬金術書を探せ」の意味 貴方がたなら心当たりがあると思いましてね | |
| 館長 | ああ……実は、ある。ただ、今は話せない。少し時間をくれないか |
| ゲーテ | わかりました。続報をお待ちしています |
| ……では | |
| アカ | 館長……ネコのことさ…… |
| 館長 | 下を向いている暇はないんだ。だから何も言う必要はない ついに黒幕の正体を捉えたんだ。これは大きな前進だ |
| アカ | たしかにそうかもしれないけどさ…… |
| 館長 | 個人的な感情の話は、今はあえて置いておこう |
| ここの責任者として言う この侵蝕者との長い戦いを終わらせるため、力を貸してくれ | |
| (選択肢) | [負けません] [勝ちましょう] |
| アオ | そうですね。前を向かないと、また彼に愚痴られてしまいます |
| 館長 | ありがとう……君たちの力が頼りだ |
| アカ | 絶対、負けないんだからな！ |
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