No.026 | 名前 |
 | 佐藤春夫 (さとう はるお) |
誕生日 | 派閥 |
4月9日 | 三田派 |
レアリティ | 精神 | 武器 | 文学傾向 |
無地 | やや不安定 | 刃 / 銃 | 純文学 |
ステータス (初期値) |
技術 | 天才 | 美 | 主題 | 真実 |
48 | 48 | 48 | 42 | 46 |
代表作 |
田園の憂鬱、西班牙犬の家 |
趣味嗜好 |
日本画や油絵を描くこと |
人物紹介 |
「まったく、谷崎といい太宰といい……こうも変人が集まるとあんたも大変だな?」
門弟三千人と称される程の門下生を持つ兄貴肌でくせ者ばかりの文豪たちの中では数少ない常識人。 素質のある者は気長に見守ってやろうという親心を持つが、 かつての弟子の太宰治に対してだけは苦い思い出があるようで言及を避ける。 好き嫌いはしないが魚のさんまだけはどうしても好きになれないとのこと。 |
ステータス参考値 †

| 攻撃/防御/回避 |
Lv1 | 128/128/19 |
Lv60+開花38 | 296/296/131 |
Lv60+開花38+指環60 | 321/321/148 |
Lv60+開花38+指環60×2 | 346/347/164 |
※詳細は文豪の初期値と強化方法参照
全身画像 †

通常 | 潜書 |
 |  |
潜書 |
 |
耗弱 |
 |
衣装9「寝間着浴衣」 限定召装「紅茶ヲ共ニ」で入手
衣装17「妖怪風衣装」 限定召装「根暗の矜持」で入手
衣装21「帝國図書館制服」 文豪とアルケミスト展 -帝國図書館年鑑- 衣装引換券展(2025年)で入手
回想 †

回想数:14[有碍書:04 散策:03 食堂:01 誕生日:05 特別:01]
- カテゴリ別・図鑑順(回想内容はヘッダのリンク先で閲覧できます)
- 誕生日(4/9)
タイトル | 内容 | 実装年 |
誕生日 | あんたも俺の誕生日を祝ってくれるのか! いい弟子達を持って、俺は幸せ者だ…… | 2017 |
誕生日二 | おっ、うまそうなケーキだな! もしかして弟子たちの分も用意しているのか? あんた、良い奴だな! | 2020 |
誕生日三 | 俺の誕生日、覚えていてくれたのか、ありがとな! お礼にあんたを俺の弟子にしてやるぜ! | 2021 |
誕生日四 | 門弟たちも仲間たちもみな集まって、俺の誕生日を祝ってくれている……ありがたいことだな 今日の思い出の証として、この大きなケーキを目に焼き付けておくとしようか ※ボイス無 | 2022 |
誕生日五 | 今日は弟子たちの祝いの言葉で目が覚めたよ 俺の為になにやら準備してくれていたみたいだな 折角の気遣いだ、ありがたく受け取っておくか ※ボイス無 | 2023 |
- 誕生日特別回想(4/9)※ボイス無 【有償(2000帝国券)】
- 有碍書
回想の内容は、有碍書名のリンクから確認できます。
手紙 †

差出人 | 内容 |
芥川龍之介 | 佐藤春夫様へ
君はやっぱり詩人だね 何度人生をやり直しても人というものは変われないみたいだということが、君を見ていると切に感じるよ もっとも、これは僕の最大の賛辞だから覚えておいてくれたまえ
芥川龍之介 |
太宰治 | 佐藤春夫様へ
いつぞやは申し訳ありませんでした 先生が俺を見ると一瞬、反射的に目を逸らすのをみると俺は悲しいです 心の底から生まれ変わったつもりでいます、お願いします、過去は忘れて下さい
太宰治 |
室生犀星 | 佐藤春夫様へ
新作の詩、褒めてくれてありがとう 礼を言わせてもらうよ いつか批評してくれたみたいに、俺の小説が面白くないってわけじゃないことは俺も十分承知しているから、今後も安心して褒めてもらっていいさ 俺も春夫の詩も小説もどちらも好きだしな
室生犀星 |
井伏鱒二 | 佐藤春夫様
最近、少しお疲れじゃないですか 多くの門弟の面倒をみていた先生のことです、ここでは気が緩む暇もないのではないでしょうか たまには釣りでもどうです、自然に囲まれているたけでも疲れが取れますよ
井伏鱒二 |
高村光太郎 | 佐藤春夫様へ
絵の具を買う金が欲しいという君の気持ちはわかるよ 芸術とお金の問題はいつも不可分だからね 館長に相談してみたらどうだろう 彼ならきっと芸術家の気持ちもわかってくれるんじゃないかな
高村光太郎 |
ボイス (CV:泰勇気) †

場面 | ボイス | 図鑑 |
ゲーム起動 | おっ、よく来たなぁ。あんたも今日から門弟だ! | ログイン |
出迎え | よう! また新しい弟子が訪ねて来たかと思ったよ | - |
出迎え (連続ログイン) | サボらずよく頑張ってるな。偉いじゃないか! | - |
有碍書初回浄化 (1冊目) | 佐藤春夫だ。門弟三千人の人望は伊達じゃないぜ! | 有魂書一 |
有碍書初回浄化 (2冊目以降) | 佐藤春夫だ。俺の人望はもう十分分かったよな? | 有魂書二 |
図書館 | こうも広いとなんだか落ち着かねえなあ | 図書館一 |
まったく、谷崎といい太宰といい……こうも変人が集まるとあんたも大変だな? | 図書館二 |
図書館(放置) | おい! まさかサボってるんじゃないだろうな | 図書館三 |
図書館 (「声」マス開放) | 俺の所に来る奴はみんな門弟だ。ま、俺からは何も教えたことはないがな | - |
図書館 (季節限定) | 春 | 春かあ。新しい門弟が訪ねてきそうな予感がするな | - |
夏 | いい天気だ。こんな空の下で絵を描きたいなぁ | - |
秋 | すべての平和と幸福は、短い人生のなかにあってもっとも短いものさ | - |
冬 | こんなに寒いと外に出る気も起きねえな、誰か訪ねて来てくれるといいんだが | - |
正月 | あけましておめでとさん! 門弟たちにお年玉を準備してやらねぇとな | - |
司書室 | ここがあんたの部屋かあ……うん、悪くねえ! | 司書室一 |
来る者は拒まずの方針なんだが、太宰だけはちょっとな……いや、色々あったんだよ | 司書室二 |
助手変更 | この俺があんたの弟子になるのか? 面白れぇ! | 司書室三 |
衣装変更 | たまにはこういう服装も悪くねぇな | 司書室四 |
研究 | おっ! よくやったじゃないか | 研究一 |
購買 | ええ? 俺に奢れって言うんじゃないだろうな | 購買一 |
手紙 | また太宰からの手紙か? | 手紙 |
会派編成 | 弟子たちのいい見本にならないとな! | 結成一 |
有装書潜書開始 | 見どころのある新人を連れてくるぜ | 有魂書四 |
有装(魂)書潜書完了 (助手時) | ん? 新しい弟子が訪ねてきたか? | 有魂書三 |
文豪ノ途 | 本を読んで強くなれるっていうのは、単純でいいな | 開花一 |
文豪ノ途 (能力開放時) | ははは! これで弟子達に示しがつくってもんよ! | 開花二 |
散策・信頼度 | 詳細はこちら | - |
ボイス | 図鑑 |
なぁ。あんた今日がなんの日か知ってるか? なぁんだ、驚かせてやろうと思ったのにな | 一周年 |
まだまだ俺たちは強くなる、まだまだあんたは成長する! そうやって、これからも共に歩み続けような | 二周年 |
三周年だってなぁ! 俺の弟子共々、これからもよろしく頼む。 あんたのおかげでここまで来れたんだ、自信持てよ! | 三周年 |
なかなか頑張ってるじゃないか。前に進もうとするその気概は、すごくいいと思うぜ! | 四周年 |
場面 | ボイス | 図鑑 |
出撃 (会派筆頭) | よし! 俺についてこい! | 有碍書一 |
会敵 | 皆のもの、用意はいいか! | 有碍書四 |
最終マス到達 | 俗物ほど強い敵はいない、そうだろう? | 有碍書三 |
攻撃 | くらえ! | - |
どうだ! | - |
攻撃(指環装備) (反転) | すぐに楽にしてやるよ | 指環銃 |
攻撃(急所) | 俺を騙そうなんて百年早い | 有碍書五 |
攻撃(耗弱・喪失) | あわれ 秋風よ 情(こころ)あらば伝えてよ | - |
負傷 | その程度か! | - |
くそっ! | - |
負傷(耗弱・喪失) | てんめぇ…… | - |
耗弱 | 俺に刃向かうたぁ、いい度胸じゃねぇか | 有碍書六 |
喪失 | ははっ……かっこ悪いとこ見せちまったぜ…… | 有碍書七 |
双筆神髄(通常) | あんたのケツは俺が拭いてやる! | 有碍書十 |
双筆神髄(特殊) | 谷崎潤一郎、永井荷風、井伏鱒二と発生(詳細はこちら) | - |
双筆神髄(耗弱) | 信頼には応えねえとな…… | - |
筆殺奥義 | 弟子達を残して先に倒れるわけにはいかねぇな! | - |
ウェーブ進行 (浄化完了) | 俺たちの勝利! 当然だな | 有碍書八 |
MVP | ははは! また弟子が増えちまうな | 有碍書九 |
帰還 (会派筆頭) | 帰ったぜ、誰か俺を訪ねて来なかったか? | 図書館四 |
※覚醒ノ指環獲得後に、図鑑に覚醒の姿のボイス項目が追加される
場面 | ボイス | 図鑑 |
指環獲得 | さて、と。おかげさまでさっぱりした気分だ。これからも門弟三千人に恥じない活躍をするつもりだから、期待して いてくれ | 有魂書一 |
図書館 | 谷崎は相変わらずだよなあ。ま、それこそがまさに谷崎ってことなんだろうが | 図書館一 |
檀のやつが来て、太宰たちが呑んだくれて酷い有様になることも無くなった。流石俺の一番の門弟だな | 図書館二 |
今じゃ人も増えて、年がら年中何かしらで騒いでる。……たまには叱ってやる必要もあるか? | 図書館三 |
図書館 (「声」マス解放) | ポーさんの詩はやっぱり良いなあ。あ、俺がこう言っていたのは秘密にしてくれ | - |
司書室 | あんたの部屋、物が増えたよなあ……。たまには片付けろよ? | 司書室一 |
ここに来て、いろんな文学と出会えたよ。今までには思いもよらなかった発見があったりな。全部、あんたのおかげだぜ | 司書室二 |
助手・衣装変更 (覚醒の姿選択) | 心機一転! これで頑張るとしようか! | 司書室三 |
研究 | よくやった。誇っていいぞ! | 研究一 |
購買 | その頑張りを認めて、少しくらいなら奢ってやるよ | 購買一 |
手紙 | まーた太宰の手紙かぁ | 手紙 |
会派編成 | さぁて、やるか! | 結成一 |
有装書潜書開始 | 何が出てくるかはお楽しみってやつか | 有魂書三 |
有装(魂)書潜書完了 (助手時) | 終わったなら迎えに行ってやるか | 有魂書ニ |
散策・信頼度 | 詳細はこちら | - |
※覚醒ノ指環獲得後に、図鑑に覚醒の姿のボイス項目が追加される
場面 | ボイス | 図鑑 |
出撃 (会派筆頭) | こりゃ酷いな……一つ俺がこらしめてやるとするか | 有碍書一 |
会敵 | みんな! 戦う覚悟は出来てるか! | 有碍書三 |
最終マス到達 | お前はツキってものを知ってるか? | 有碍書ニ |
攻撃 | おらぁっ! | - |
避けれるもんなら避けてみろ! | - |
攻撃(急所) | 俺を出し抜くなんて千年早い! | 有碍書四 |
負傷 | やるな | - |
これくらい! | - |
耗弱 | っあ゛……! やるな……。だけどな、こっちも矜持ってもんがあるんだよ | 有碍書五 |
双筆神髄 | 俺に背中を預けてくれ | 有碍書八 |
筆殺奥義 | 薔薇ならば花開かん | - |
ウェーブ進行 (浄化完了) | 俺たちの辞書に、負けの字は載ってないのさ | 有碍書六 |
MVP | 門弟三千人の名は伊達じゃないぜ | 有碍書七 |
帰還 (会派筆頭) | ほらよ。成果は上々だ | 図書館四 |
場面 | ボイス | 図鑑 |
補修(通常) | これぐらい、大したことねえよ | 補修一 |
食事 | 魚ならサンマ以外で頼む……! | 食堂一 |
アイテム入手 | 人も物も、集めるのは得意だからな | 有碍書二 |
絶筆(反転) | 門弟たちに囲まれて……幸せな人生だったぜ…… | 絶筆 |
有魂書潜書 (招魂の栞汎用) | ほう、新しい弟子を連れてくればいいんだな、任せておけ それにしても、こんなに仲間を増やして、もしかしてあんたも門弟三千人をめざしているのか? ※ボイス無 | - |
場面 | ボイス | 図鑑 |
助手変更・結成・ 研究・購買・食堂 | やれやれ | - |
あーあ…… | - |
図書館 | この悲しみからいくつ歌ができるだろう…… | 負傷一 |
はぁ……自然溢れる田園風景でも見てえなぁ | 負傷二 |
司書室 | 弟子たちの見本であり続けるのもつらいもんよ | 負傷三 |
俺があいつらをまとめねえと…… | 負傷四 |
補修 | 悪いな、心配かけちまって | 補修二 |
参加イベント †

ゲームにおいて †

- ゲーム開始時に選ぶことができる4人の初期文豪のうちの一人。
- 2019年5月1日に限定召装 忠心ノ相棒で指環が実装された。装備させると武器種が銃になる。
- 2022年4月11日に覚醒ノ指環が実装された。
- 2025年1月1日から、公式イラストレーター5名による新春イラストが1日1枚のペースで公式Xにて公開された。佐藤春夫は1/2公開の第二弾。(■)
元ネタ †

1892年(明治25年)4月9日 - 1964年(昭和39年)5月6日
- 詩人・作家。詩歌と小説を軸に、文芸評論・随筆・童話・戯曲・評伝・和歌とその活動は多岐に及ぶ。
- 『三田文学』を主宰する永井荷風に魅かれ、慶應義塾大学に入学。当時教授であった荷風に学ぶ。
- 1913年(大正2年)頃に高村光太郎のアトリエに通い、肖像画を描いてもらう。その以降に絵筆を執るようになった。
- 1917年(大正6年)頃に芥川龍之介、谷崎潤一郎と知り合い、親交を持つようになった。同年6月に「羅生門」の出版祝賀会の発起人を佐藤が務め、そこに谷崎も出席している。
- 俗に門弟三千人といわれ、その門人もまた井伏鱒二、太宰治、檀一雄、吉行淳之介、稲垣足穂、遠藤周作など、一流の作家になった者が多かった。
(参考 フリー百科事典 ウィキペディア日本語版「佐藤春夫」)
- 台詞の元ネタについて
- 図書館(声マス開放)ボイスの「俺の所に来る奴はみんな門弟だ。ま、俺からは何も教えたことはないがな」は、1950年(昭和25年)の随筆「門弟三千記」から。
- 「口に先生と呼び教を請ふとは云ふが、こちらは教へる何事も無いから、来り訪ふに贄を執らせるでもなく、また名簿を備へてこれに記入させるでも無い。来る者は拒まず去る者は追はぬ。」
- 最終マス到達時の「俗物ほど強い敵はいない〜」は、1953年(昭和28年)に書かれた随筆「芸術と良風美俗」の一文から。
ゲーテの「馬鹿ほど恐ろしいものはない」の対句として佐藤が考案したもの。
- 秋季限定の「すべての平和と幸福は、短い人生のなかにあってもっとも短いものさ」は、小説「田園の憂鬱」の中の一文から。
後に「それはちょうど、秋の日の障子の日向の上にふと影を落す鳥かげのようである。つと来てはつと消え去る。」と続く。
- 散策(食堂)の「魚なら、秋刀魚以外で頼む」は、詩集『我が一九二二年』の中の一篇「秋刀魚の歌」に関するエピソードから。
- 友人・谷崎潤一郎が妻・千代子に冷淡なのを見て同情から恋に変わり、三角関係に陥る。
谷崎は、一旦は佐藤に妻を譲ると決めたものの、同棲していた妻の妹・せい子(谷崎の著書「痴人の愛」のナオミのモデル)に結婚を拒絶されて妻が惜しくなり撤回。
これにより話がこじれ、佐藤は谷崎に絶縁状を叩き付けた。谷崎は当時小田原に住んでいたため、この騒動を「小田原事件」と呼んだ。
失恋に苦しみ、代表作である詩「秋刀魚の歌」などで千代子への思慕を歌った。
なお、のちに谷崎とは和解し、千代子は谷崎と離婚して佐藤と再婚した。
- 攻撃時の「あわれ 秋風よ 情(こころ)あらば伝えてよ」は、詩集『我が一九二二年』の中の一篇「秋刀魚の歌」の冒頭部から。
- 図書館の「この悲しみからいくつ歌ができるだろう……」の『佐藤春夫詩集』の「詩論」の一節「人はひとつのかなしみから/いくつもの歌を考へ出すのです」からと思われる。
- 絶筆時の台詞について
Wikipedia等に記載されている臨終時の言葉が絶筆台詞「門弟たちに囲まれて……幸せな人生だったぜ……」の元ネタではないかという説がありますが、ファンの間で誤解があるようですので折り畳みをご確認ください。
- 昭和39年5月6日、朝日放送のラジオ番組『一週間自叙伝』の録音中、「さいわいに…」の言葉を最後に倒れ、息を引き取った(『佐藤春夫記念館/記念館概要』より)。この言葉が「私は幸いにして……」という表現でWikipedia等に記載されている。
- ラジオ録音に立ち会った放送朝日社員の大熊邦也へのインタビューは下記の通り
- (録音内容は中学校時代について)そのとき佐藤春夫はこんなことを話していた。「学校ストライキがだんだん大きくなってしまって、学校の特別教室というのが、まあ化学教室やなんかからの1棟が、放火事件で……放火らしい形で……火事が起こって焼けてしまったんでね。そのとき私は東京に来ていたんで、倖いに……」そこで言葉は切れた。
引用 山田風太郎著『人間臨終図巻 下巻』徳間書店
- 佐藤は「中学生の時に幸運だったため放火犯として疑われることがなかった」という意味で発言している。
よって、絶筆時の台詞は臨終時の言葉が元ネタではなく、他に元ネタが存在する可能性がある。(情報募集中)
- 有碍書回想「佐藤と永井」、散策回想「虚像と実像」(永井と佐藤)
...
- 有碍書回想「佐藤と永井」の「永井さん、あんた俺のことが嫌いだったんだってな」「もしかして、僕の日記を見たのかい?」というやりとりは、荷風の日記『断腸亭日乗』に、弟子の春夫を中傷する内容が書かれていたことから。
「佐藤春夫の詩が国語を浄化する力ありとは滑稽至極といふべし。」(『断腸亭日乗』昭和16年3月22日)とあり、この内容は荷風の死後明らかになった。
(参照:断腸亭日乗Wiki 昭和16年3月)
- 佐藤春夫は自叙伝『詩文半世紀』で「しかし荷風の死後、晩年荷風に接近していた一人物の口から荷風の言として、わたくしに関して許しがたい言葉が流布しているのを伝聞して以来、わたくしの荷風崇拝ともいうべきものが、一時に根底からひっくりかえった。」と書いている。
...
- 谷崎潤一郎と佐藤春夫の関係において有名なのはいわゆる「小田原事件」と「細君譲渡事件」である。
- 「1915年(大正4年)、谷崎は石川千代子と結婚したが、1921年(大正10年)頃谷崎は千代子の妹・せい子(『痴人の愛』のモデル)に惹かれ、千代子夫人とは不仲となった。谷崎の友人・佐藤春夫は千代子の境遇に同情し、好意を寄せ、三角関係に陥り、谷崎が千代子を佐藤に譲ることになったが撤回するという「小田原事件」が起きた(佐藤の代表作の一つ『秋刀魚の歌』は千代子に寄せる心情を歌ったもの。また、佐藤は『この三つのもの』、谷崎は『神と人との間』を書いている)。 結局、1926年(大正15年)に佐藤と谷崎は和解、1930年(昭和5年)、千代子は谷崎と離婚し、佐藤と再婚した。このとき、3人連名の「……我等三人はこの度合議をもって、千代は潤一郎と離別致し、春夫と結婚致す事と相成り、……素より双方交際の儀は従前の通りにつき、右御諒承の上、一層の御厚誼を賜り度く、いずれ相当仲人を立て、御披露に及ぶべく候えども、取あえず寸楮を以て、御通知申し上げ候……」との声明文を発表したことで「細君譲渡事件」として世の話題になった。(※フリー百科事典 ウィキペディア日本語版「谷崎潤一郎」より引用)」
- しかし、佐藤春夫が文壇に出たのは谷崎の推挙によって「中央公論」に『李太白』が載ったことが大きく、二つの事件前にはかなり親しくしていた。
- また、事件後にも交友は続いていた。
- 回想内の「もし足の綺麗なお嬢さんをご存知であれば、紹介してください……」は谷崎作品には『富美子の足』や『瘋癲老人日記』などに代表される女性の足の描写がよく登場することから。
...
- 食堂回想「水羊羹」(谷崎潤一郎と発生)での佐藤の台詞は、1956年(昭和31年)の随筆『飲料のはなし』から。
- 「ミクサーさへあれば砂糖や小豆などなくとも即座に第一流のおしる粉をこしらへる妙術がある。一子相伝といふ秘法ではあるが、愛読者だけにはそつと披露しよう。
羊羹をミクサーにかけてお湯でとくのである。羊羹は上等ほどよろしい。」
- この文の前には「このごろミクサーを無用の長物のように云いふらすのが通説のやうであるが、さすがは文明の利器(?)工夫によつては面白い用法がないではない。」とある。
ミキサーの利便性を訴える為に羊羹おしるこのレシピを紹介しただけと思われる。
佐藤は、羊羹を常日頃からこのように食べていた訳ではなく、他の著述を見ると羊羹を一つ丸かじりして平らげていたようである。
- また、谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』には、羊羹の美しさについて語るくだりがある。
...
- 手紙内の「君はやっぱり詩人だね」は、芥川龍之介『佐藤春夫氏の事』から。「一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。」から始まり、佐藤の作品の詩情について語っている。
- 佐藤と芥川は同年生まれの作家として交流があり、新進流行作家として時代を担う二大作家と目されていた存在だった。
お互いの家を訪問したり共に遊びに行くなど親交があり、芥川の没後に佐藤は全集の編纂に携わる、芥川の未発表作を刊行する、芥川賞の審査員などを務めている。
- ちなみにゲームモチーフにもなっている小説『歯車』のタイトルを命名したのは佐藤である。
...
- 司書室台詞でも「太宰だけはちょっとな……いや、色々あったんだよ」と太宰に対して苦手な態度を示す佐藤。
手紙を受け取る際に「また太宰からの手紙か?」と言うのは、生前20代半ばだった太宰から芥川賞選考委員だった佐藤宛に書簡を何通も送ったことがあるため。
- このうち、昭和10年6月の日付があるものは初めて送った手紙とみられ、佐藤から作品の評価を伝え聞いた太宰は「うつかり気をゆるめたらバンザイが口から出さうで、たまらないのです」と喜びを綴っている。
また、昭和11年1月の手紙は長さ4m余りの巻紙に書かれている。前の年に行われた芥川賞の最初の選考会で作品が候補になったものの選ばれず、手紙には「こんどの芥川賞も私のまへを素通りするやうでございましたなら、私は再び五里霧中にさまよはなければなりません」「私を忘れないで下さい」「いのちをおまかせ申しあげます」と自分の作品を選ぶよう懇願する内容となっている。
- 更には10mに及ぶ手紙も貰っていたよう。内容は、第三回芥川賞後に太宰が佐藤への妄想混じりの恨みつらみを作品内でぶちまけ、それを読み信じた者も多くいて佐藤を怒らせた事に対する謝罪。
- 「偉くないひと、二,三人見せられ、やっぱり佐藤さんひとり 図抜けて偉いなと思って、うれしく、自動車にゆられゆられ 泣いたこと、うれし泣きした一夜でございます、私はこのような私の状態を「母の心」とこっそり呼んでいる」「私も、先生のこと、日本で一番よい人と思う。十万、百万の人が何と言おうとてんから聞こえぬ」「佐藤さんも それゆえどうぞ、太宰についての、これと定まった鋳型、つくることお待ちください、だんだんはっきりいたします」など。
- 4mの手紙は一度下書きを用意してから清書したのか、誤字脱字や墨の掠れや滲みがほとんど無かったのに対し、10mの手紙は誤字を塗りつぶした後があったり、文が錯乱気味だったりしたらしい。
これらに限らずかなりの数の手紙を太宰は佐藤に宛てて書いている。
...
- 高村と佐藤は共に、与謝野晶子の夫、与謝野鉄幹が創設した同人結社『新詩社』に参加していた。二人の本格的な交流は、佐藤の肖像画を高村が手掛けて以降のこと。
- 十和田湖にある高村光太郎作『乙女の像』は、佐藤が高村に口添えし製作された経緯がある。
また、高村光太郎・智恵子夫妻、高村光太郎の詩集『智恵子抄』をモデルとして、佐藤は小説『高村光太郎像』『小説智恵子抄』を書いた。
- 佐藤は、高村のアトリエにモデルとして通いながら、高村と美術談義を重ね、親交を深めていった。
それだけが原因かは定かではないが、この頃から佐藤は絵画に取り組むようになり、やがて展覧会で幾度も入選するまでになった。
- 以後数年、佐藤は絵画と文筆の両方を手掛けていたが、谷崎潤一郎から「美神は嫉妬深いから二神に奉仕することを許さない」と言われ、文筆家を一生の仕事とすることに決めた。
...
- 佐藤と室生は同年代に活躍した詩人・作家として親交があった。室生の死後、中野重治の頼みもあり、佐藤は室生へ弔辞を読んだ。
- 手紙の元ネタは、佐藤春夫が室生犀星の詩集『忘春詩集』に寄せた序文より。
- 序文の内容は、佐藤が室生の新作の詩を「君の小説全部を読むより、この詩一つを読んだ方が一層君を親しく思える」と褒め伝えたところ、貶めるつもりはなかったのに室生が「小説が良くないから詩の方を褒めるのだろう」という様に受け取ってしまったのではないか、と心配するもの。
- 室生が手紙で「俺の小説が面白くないってわけじゃないことは俺も十分承知しているから、今後も安心して褒めてもらっていいさ」と言うのはこの序文への返信なのだろう。
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