基本情報 †

No.009 | 名前 |
 | 永井荷風 (ながい かふう) |
誕生日 | 派閥 |
12月3日 | 三田派 |
レアリティ | 精神 | 武器 | 文学傾向 |
銀 | 安定 | 弓 / 刃 | 純文学(自然主義) |
ステータス (初期値) |
技術 | 天才 | 美 | 主題 | 真実 |
46 | 45 | 48 | 42 | 46 |
代表作 |
ふらんす物語、腕くらべ、濹東綺譚 |
趣味嗜好 |
浮世絵鑑賞 |
人物紹介 |
「文学の神髄の一つは虚偽(フィクション)、もう一つは実験的な遊戯だ」
エリートな雰囲気を漂わせた長髪の青年。 若くして英仏に外遊し欧米の文化に触れた経験からかロマンチストなところも覗かせる。 江戸文化の愛好者でもあり歌舞伎や落語を好む。最近は特に浮世絵がマイブームなようだ。 基本的に礼儀正しい人物だが日課である日記には不満や愚痴が多く書かれているらしい。 |
ステータス参考値 †

| 攻撃/防御/回避 |
Lv1 | 127/127/18 |
Lv60+開花38 | 295/295/130 |
Lv60+開花38+指環60 | 320/320/147 |
Lv60+開花38+指環60×2 | 345/346/164 |
※詳細は文豪の初期値と強化方法参照
全身画像 †

回想 †

回想数:13[有碍書:05 散策:01 食堂:01 誕生日:05 特別:01]
- カテゴリ別・図鑑順(回想内容はヘッダのリンク先で閲覧できます)
- 誕生日(12/3)
タイトル | 内容 | 実装年 |
誕生日 | 僕の誕生日、祝ってくれるのかい…? 今コーヒーを入れてくるから、一緒に食べよう。君も砂糖入りでいいかな? | 2016 |
誕生日二 | 僕の誕生日を祝ってくれてありがとう。 よろしければ貴方の誕生日を教えてくれないかい? その時も一緒にお祝いしよう | 2019 |
誕生日三 | 今日は僕の誕生日だ。祝ってくれてありがとう。 甘いコーヒーとケーキは相性がいい。貴方もよくわかってるじゃないか | 2020 |
誕生日四 | 今年もこの日がやってきたんだね。僕自身は誕生日に深い思い入れはなかったが こうやって目の前にすると万感胸に迫るといったところだ。ありがとう ※ボイス無 | 2021 |
誕生日五 | ありがとう、なんという豪華なお祝いだ 今年もこの日を迎えられた感慨を、ショコラと共に味わうとしよう ※ボイス無 | 2022 |
- 誕生日特別回想(12/3)※ボイス無 【有償(2000帝国券)】
- 有碍書
回想の内容は、有碍書名のリンクから確認できます。
手紙 †

差出人 | 内容 |
太宰治 | 永井荷風様へ
俺の恥ずかしい過去ならともかく、 荷風先生の作品のためなら俺は戦いますよ 俺が感動した作品を世の中から消していく、あんな奴らなんて、叩き潰さないといけないです
太宰治 |
谷崎潤一郎 一 | 永井荷風様へ
永井先生、先日は美味しいお食事を御馳走頂きありがとうございました またお世話になっていますね、今度は私からお誘いさせて頂きます 普段私が秘密にしている、とっておきのお店を紹介しますよ
谷崎潤一郎 |
谷崎潤一郎 二 | 永井荷風様へ
例の浮世絵、手に入れられたようでなによりです 以前から手に入れたいとおっしゃっていましたから感慨もひとしおでしょう その浮世絵の取材を受けるというのであれば私もぜひご相伴に預からせてください、私もとても気になります
谷崎潤一郎 |
堀辰雄 | 永井荷風様へ
先日はご馳走して頂きましてありがとうございます
おしゃれなカフェでしたね、 雨の音を聞きながらの読書、手元にはクロワッサンとショコラ、素敵な一時でした
堀辰雄 |
高村光太郎 | 永井荷風様へ
先日はありがとうございます 日本の芸術だけではなく西洋の芸術にも造詣が深いとはさすが永井さんです 今度ゆっくりと近代芸術論の論議を戦わせたいと思いました それにしても、同じ場所を見てきたうえで感じることがここまで違うのだと驚きですね
高村光太郎 |
ボイス (CV:置鮎龍太郎) †

場面 | ボイス | 図鑑 |
ゲーム起動 | 文豪とアルケミスト。うん、良い響きだ | ログイン |
出迎え | やあ。今日の仕事は何かな? | - |
出迎え (連続ログイン) | 一段落ついたら、僕とコーヒーでも飲まないかい? | - |
有碍書初回浄化 (1冊目) | 永井荷風だ。趣味はオペラに絵画に落語……以後お見知り置きを | 有魂書一 |
有碍書初回浄化 (2冊目以降) | 永井荷風だ、最近は特に浮世絵集めにハマっているな。今後ともよろしく頼むよ | 有魂書二 |
図書館 | もう少し恰好を気にした方がいい、派手にしろという事ではないが | 図書館一 |
はぁ……浮世絵の魅力をもっと広めたい | 図書館二 |
図書館(放置) | おっと……今のことを日記に記しておかなくては | 図書館三 |
図書館 (「声」マス開放) | なぜ日記をつけるかって? 僕が生きた証になるからだ | - |
図書館 (季節限定) | 春 | あの花が咲いたら、貴方と二人で眺めたいものだ | - |
夏 | これだけの大世帯になれば、西瓜一つでは足りないくらいだろう | - |
秋 | 秋はなんだか寂しい気持ちになる……貴方もそうかい? | - |
冬 | 雪が消えるように 跡もなく思い出が消えていく | - |
正月 | あけましておめでとう。御馳走だからって、食べすぎてはいけないよ | - |
司書室 | 貴方の部屋に、浮世絵は飾らないのか? | 司書室一 |
詭弁はよせ、つまらんパラドックスは自分を縛るだけだ | 司書室二 |
助手変更 | 僕が助手を務めるからには、心配ご無用だよ | 司書室三 |
衣装変更 | 貴方にもこれくらいお洒落でいてほしいものだ | 司書室四 |
研究 | 貴方も中々に研究熱心なようだ | 研究一 |
購買 | 欲しいものがあるなら、けちけちしないことだ | 購買一 |
手紙 | 人の手紙を覗き見するとは、いい趣味とは言えないな | 手紙 |
会派編成 | ああ、見聞を広げるのはいい事だからな | 結成一 |
有装書潜書開始 | 文学の真髄のもう一つは、実験的な遊戯だ | 有魂書四 |
有装(魂)書潜書完了 (助手時) | さて、何か終わりましたよ | 有魂書三 |
文豪ノ途 | 貴方もコレクションがお好きなようだ | 開花一 |
文豪ノ途 (能力開放時) | 僕の華麗さに磨きがかかったようだ | 開花二 |
散策・信頼度 | 詳細はこちら | - |
ボイス | 図鑑 |
初めの節目は盛大に祝わねば | 一周年 |
二周年記念で、みなが浮足立っているな。僕も楽しんでくるとしよう | 二周年 |
僕達も三年目。ますます気を引き締めていかないといけないな | 三周年 |
なんだか貴方自身より皆の方が嬉しそうだね……勿論、僕も嬉しいさ | 四周年 |
場面 | ボイス | 図鑑 |
出撃 (会派筆頭) | 文学の神髄の一つは、フィクションだ | 有碍書一 |
会敵 | この程度なら、終始僕ひとりでも大丈夫だろう。心配は無用だ | 有碍書四 |
最終マス到達 | さあ、どのように僕をもてなしてくれるかな? | 有碍書三 |
攻撃 | 積極的な奴は嫌いじゃない | - |
これでどうかな | - |
攻撃(指環装備) (反転) | ふん、君に話しても無駄だな | 指環刃 |
攻撃(急所) | 華麗に決めなければ | 有碍書五 |
攻撃(耗弱・喪失) | 放っておいてくれないか…… | - |
負傷 | ふん、その程度か | - |
なんと下劣な……! | - |
負傷(耗弱・喪失) | ぐぁっ……! | - |
耗弱 | 積極的すぎるのもいけないな | 有碍書六 |
喪失 | やめろ……そんな目で僕を見るな! | 有碍書七 |
双筆神髄(通常) | レクイエムを歌ってあげようか! | 有碍書十 |
双筆神髄(特殊) | 谷崎潤一郎、森鴎外、広津和郎、佐藤春夫と発生(詳細はこちら) | - |
双筆神髄(耗弱) | 貴方が私を見捨てないのなら | - |
筆殺奥義 | たとえ独りになろうとも……! | - |
ウェーブ進行 (浄化完了) | 僕がいるというのに、負ける理由がないよ | 有碍書八 |
MVP | 僕が一番か、当然の結果だな | 有碍書九 |
帰還 (会派筆頭) | 僕がいなくて寂しくなかったかい? | 図書館四 |
※覚醒ノ指環獲得後に、図鑑に覚醒の姿のボイス項目が追加される
場面 | ボイス | 図鑑 |
指環獲得 | ごきげんよう。僕の力が必要だろう、任せてくれたまえ | 有魂書一 |
図書館 | 僕は僕の華麗な生き方を貫くよ。貴方ならこの気持ち解るだろう? | 図書館一 |
ここに来てから日記を一日も欠かさず付けているよ。もう随分と貯まって来たねえ | 図書館二 |
一日は短く、季節はあっという間に移ろい行く。一瞬一瞬を大事に生きたいね | 図書館三 |
図書館 (「声」マス解放) | 谷崎くんやゲーテさんと話すことで、文化の見識を深められる。世界が広がっているよ | - |
司書室 | 森先生は麗しく聡明、唯一無二の方だ。隣に並び立てること、とても光栄に思っているよ | 司書室一 |
多くの者との関わりの中で生きるのも悪くはない。気に入らないものは相変わらずいるがね | 司書室二 |
助手・衣装変更 (覚醒の姿選択) | ふっ、力が湧いてくるよ | 司書室三 |
研究 | 相変わらず研究熱心だねぇ | 研究一 |
購買 | ごきげんよう、頼んでいたものは入ったかい? | 購買一 |
手紙 | ふっ、皆、粋な手紙を寄越すものだ | 手紙 |
会派編成 | 団体行動は好まないが、仕方ない | 結成一 |
有装書潜書開始 | 文学の神髄を極めねば | 有魂書三 |
有装(魂)書潜書完了 (助手時) | おや、もうこんな時間か | 有魂書ニ |
散策・信頼度 | 詳細はこちら | - |
※覚醒ノ指環獲得後に、図鑑に覚醒の姿のボイス項目が追加される
場面 | ボイス | 図鑑 |
出撃 (会派筆頭) | ゆこう、この世界に光をもたらすために | 有碍書一 |
会敵 | 相変わらず洗練されていない者達だ | 有碍書三 |
最終マス到達 | さぁ 長きに渡る因縁を断ち切ろうじゃないか | 有碍書ニ |
攻撃 | はっ……! | - |
君にはこれがお似合いだ! | - |
攻撃(急所) | その身に刻むがいい | 有碍書四 |
負傷 | うっ……! | - |
この程度……! | - |
耗弱 | たとえ泥臭く足掻くことになろうとも、諦めはしない! | 有碍書五 |
双筆神髄 | さぁ、二重奏と行こうか! | 有碍書八 |
筆殺奥義 | ここまでか……、いや、違う! | - |
ウェーブ進行 (浄化完了) | 人間性の勝利、といったところかな | 有碍書六 |
MVP | ふっふっ、この程度、賞賛には値しないよ | 有碍書七 |
帰還 (会派筆頭) | 戻ったよ 寂しくなかったかい | 図書館四 |
場面 | ボイス | 図鑑 |
補修(通常) | 遊んでいたつもりはない……ちゃんと真面目にやっていた | 補修一 |
食事 | 今日は洋食? それとも和食? | 食堂一 |
アイテム入手 | これも僕のコレクションに加えようか | 有碍書二 |
絶筆(反転) | 誰かのために死ねることが、誇り高いこととはね…… | 絶筆 |
有魂書潜書 (招魂の栞汎用) | さて、その探し人は、どのような趣味を持つ御仁かな? 貴方の導きがあればきっと見つかるだろう、大丈夫だ ※ボイス無 | - |
場面 | ボイス | 図鑑 |
助手変更・結成・ 研究・購買・食堂 | はあ…… | - |
はあー…… | - |
図書館 | すまない、かっこ悪いところを見せてしまった…… | 負傷一 |
根無し草だよ、僕という人間は | 負傷二 |
司書室 | 孤独は誰にでもあるものだ、だが…… | 負傷三 |
学問をしている間は、この気持ちを忘れられるのだが…… | 負傷四 |
補修 | 悲哀や苦痛は、楽しい青春の夢を強く味わわせてくれる | 補修二 |
参加イベント †

ゲームにおいて †

- 初期実装文豪のうち、3人いる銀背景の弓の一人。
- 精神が「安定」なため耗弱・喪失しにくく、安定した火力が望める。
- 手にしている本の意匠は、訳詩集「珊瑚集」(籾山書店/大正2年初版)の装丁を元にしていると思われる。
- 図鑑の人物紹介、回想などで言及されている日記は「断腸亭日乗」と思われる。
- 2020年3月1日に限定召装 無類ノ甘エ上手で指環が実装された。装備させると武器種が刃になる。
- 2023年7月4日に覚醒ノ指環が実装された。
ステータスに関して 過去ログ(2021/07/28以前)
- 以下の仕様により開花途中のステータスは他の弓文豪とは伸び方が異なるが、最終的には誤差レベルとなる。
- 回避の算出方法が他の弓文豪(指環で弓に変更した場合を含む)と異なり「技術と美の合計値」となる。(2016年11月14日確認)
他の弓文豪は真実で回避を強化できるが、永井の場合は回避を強化したいのであれば、刃銃鞭の文豪と同じく積極的に技術及び美のマスを解放する必要がある。
- 一周年記念の「帝國図書館極秘資料集」(2017年11月1日初版発行)に載っているプロデューサー谷口氏のインタビューページにて、「後年耽美主義に転向したので、彼のステータスは美の影響が大きい特殊な計算式を使っている」と書かれているのを確認。永井だけ特殊な計算式であることが確定した。
- 美で攻撃力と回避を同時に強化できるため、他の数値を犠牲に美を大幅に上げる木曜ノ談笑-菊池寛との相性が良い。
元ネタ †

1879年(明治12年)12月3日-1959年(昭和34年)4月30日
- 初期はゾラの影響を受け、自然主義的作品を発表。アメリカ・フランス遊学後、『あめりか物語』『ふらんす物語』などを執筆、耽美派の代表的作家として活躍した。
本名は永井壮吉、号に金阜山人(きんぷさんじん)、断腸亭主人など。
- 1894年に病気になり学校を一時休学した際、療養中に「水滸伝」「八犬伝」などの伝奇小説や、「東海道中膝栗毛」などの江戸戯作文学を読みふけったことが文学の道を歩むきっかけといわれる。
雅号の荷風は当時入院中に恋心を寄せた看護婦のお蓮にちなみ用いられた(といわれるが、何度か質問を受ける度に違った回答をしている)。
長期療養がもとで1年留年し、運動場の隅で漢詩や俳句ばかり考えていたという。
中学卒業後第一高等学校入試に失敗。1897年9月に家族とともに上海へと旅行し、帰国後に旅行記「上海紀行」を発表。現存する荷風の処女作といわれている。
- 1897年に官立高等商業学校(現一橋大学)附属外国語学校(現東京外国語大学)清語科に入学(1899年中退)。
1898年に広津柳浪に入門、1899年に清の留学生の羅蘇山人の紹介で巖谷小波の木曜会に入る。
1900年に「文藝俱楽部」の三宅青軒の紹介で歌舞伎座に座付作者として入る。
1901年暁星中学の夜学でフランス語を習い始め、英訳された作品を読み、傾倒した。
1898年から習作を雑誌に発表し、1902年から翌年にかけ「野心」、「地獄の花」、「夢の女」、「女優ナナ」を刊行する。
特に「地獄の花」は森鴎外に絶賛され、出世作となる。
また同じ頃、江戸文学の研究のために落語家六代目朝寝坊むらくの弟子となり、「夢之助」を名乗って活動をしたことがある。
- 台詞の元ネタについて
- 司書室の「詭弁はよせ、つまらんパラドックスは自分を縛るだけだ」は、『ふらんす物語』の「詭弁はよし給え。つまらんパラドックスは自分で自分を不幸にするようなものだ。」から。
- 春季限定の「あの花が咲いたら、貴方と二人で眺めたいものだ」は『冷笑』の中の「淋しき人」の「花が咲いたら其れをば二人同じような心持で眺めたい。」から。
- 夏季限定の「これだけの大世帯になれば、西瓜一つでは足りないくらいだろう」は『西瓜』の「持てあます西瓜ひとつやひとり者 これはわたくしの駄句である。郊外に隠棲している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を一個ひとつ饋ってくれたことがあった。その仕末にこまって、わたくしはこれを眺めながら覚えず口ずさんだのである。」からか。
- 冬季限定の「雪が消えるように 跡もなく思い出が消えていく」は『雪の日』の「巷に雪の消ゆるやう 思出は消ゆ痕もなく」から。
- 出撃時の「文学の神髄の一つは、フィクションだ」と有装書潜書時の「文学の真髄のもう一つは、実験的な遊戯だ」は『新帰朝者日記』の「文学の真髄はつまる処虚偽と遊戯この二つより外にはない。」から。
- 自然主義への批判の一部として書かれており、自然主義への永井荷風の独特な立ち位置が表れていると思われる。
- 司書室の「学問をしている間は、この気持ちを忘れられるのだが」は、小説「新帰朝者日記」の中の一文「世間のつまらぬ不平や不愉快を忘れるには学問に遊ぶのが第一の方法である。」からか。
- 補修時の「悲哀や苦痛は、楽しい青春の夢を強く味わわせてくれる」は、小説『歓楽』の中の一文「悲哀や苦痛はつまり、楽しい青春の夢を猶楽しく強く味わわせる酒のようなものだ。」からか。
- 孤独や寂しさについての台詞が多いのは『雪の日』の「生きている中、わたくしの身に懐かしかつたものはさびしさであつた。さびしさがあつたばかりにわたくしの生涯には薄いながらも色彩があつた。」という記述などからだと思われる。
- また晩年の詩では「自分の影」との会話の中で、自分の人生の中の「孤独」を見つめ直そうとしており、詩の最後には自身は「自分の影」にさえ見捨てられる(原文:「影法師もまた去りぬ われを捨てゝまた去りぬ」)といった内容があることからも永井荷風の孤独が窺える。
...
- 太宰が書いたという「偽悪趣味の気取った年寄り」とは、「女生徒」の「濹東綺譚」についての記述によるもの。
- 「女生徒」は太宰のファンであった有明淑の日記を下敷きにした作品。女性的な「下着の刺繍」のくだりに驚かされた人も多いだろうが、これも日記の一節である。「濹東綺譚」については太宰が書き加えた。
- 回想によると批判的な文章を書いたようにも思われるが(「ところどころ作者の気取りが目について、それがなんだか、やっぱり古い、たよりなさを感じさせるのだ。」等の記述が見られる)、絶賛こそしていないものの「この濹東綺譚には、寂しさのある動かない強さが在る。私は、好きだ」と締めくくるなど一定の評価をしていることが窺える。
- 有碍書回想「佐藤と永井」、散策回想「虚像と実像」(永井と佐藤)
...
- 有碍書回想「佐藤と永井」の「永井さん、あんた俺のことが嫌いだったんだってな」「もしかして、僕の日記を見たのかい?」というやりとりは、荷風の日記『断腸亭日乗』に、弟子の春夫を中傷する内容が書かれていたことから。
「佐藤春夫の詩が国語を浄化する力ありとは滑稽至極といふべし。」(『断腸亭日乗』昭和16年3月22日)とあり、この内容は荷風の死後明らかになった。
(参照:断腸亭日乗Wiki 昭和16年3月)
- 佐藤春夫は自叙伝『詩文半世紀』で「しかし荷風の死後、晩年荷風に接近していた一人物の口から荷風の言として、わたくしに関して許しがたい言葉が流布しているのを伝聞して以来、わたくしの荷風崇拝ともいうべきものが、一時に根底からひっくりかえった。」と書いている。
...
- 回想内の「それだけ君の視点がユニークだったからさ、当然の評価だよ」は、明治44年に永井荷風が「三田文学」に寄せた『谷崎潤一郎氏の作品』で「明治現代の文壇に於て今日まで誰一人手を下す事の出来なかつた、或は手を下さうともしなかつた藝術の一方面を開拓した成功者は谷崎潤一郎氏である。語を代へて云へば谷崎潤一郎氏は現代の群作家が誰一人持つてゐない特種の素質と技能とを完全に具備してゐる作家なのである。」と述べたことから。
...
- 回想内の「先生に幾度も世話をして頂いた恩がある身として」は、永井荷風が明治43年に慶應義塾大学文学部の主任教授となったのは森鴎外と上田敏の推薦によってであったことなどから。
...
- 回想内の「下劣な人格攻撃を始めたのは君のほうだ。」は『断腸亭日乗』の昭和4年3月の「是日偶然『文藝春秋』と称する雑誌を見る、余の事に関する記事あり、余の名声と富貴とを羨み陋劣なる文字を連ねて人身攻撃をなせるものなり、『文藝春秋』は菊池寛の編輯するものなれば彼の記事も思ふに菊池寛の執筆せしものなるべし、」からか。
- しかし『断腸亭日乗』には、大正14年10月に「悪むべきは菊池寛の如き売文専業の徒のなす所なり。」というものが見られ、永井荷風が菊池寛を嫌っていたのは『文藝春秋』で人格攻撃をされる前からと思われる。
- 他にも昭和5年1月に「菊池寛及び雑誌文藝春秋社より送来りし年賀の葉書あり、菊池等より新年の賀辞を受くべきいはれなければ其趣をしるして其等の葉書を各差出人に返送せり、」などがある。
...
- 食堂回想「カツ丼」(谷崎潤一郎と発生)での「私が最期に口にしたのもカツレツ丼だったな……」は、永井荷風は晩年、毎日のように市川市本八幡のそば屋「大黒家」のカツ丼を食べに通っており、それが最期の食事とされていることから。
- 「大黒家」には「荷風セット(菊正宗、並カツ丼、上新香、味噌汁)」というものがあったが、2017年6月をもって閉店。
...
- 手紙内の「クロワッサンとショコラ」は、『断腸亭日乗』(大正8年元旦)の「九時頃目覚めて床の内にて一碗のシヨコラを啜り、一片のクロワサン(三日月形のパン)を食し、昨夜読残の疑雨集をよむ。」から。荷風がショコラを飲んでいる記述は日記に他にもいくつか見られる。
...
- 手紙内の「同じ場所を見てきた」は高村光太郎、永井荷風の両名ともフランスへ行っていたことがあるため。
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