イベント330_防守強化研究_第二期
- 一周目の「斎藤茂吉全集三」で、早々にモキチくん、転生されました。びっくりした。 --
- 茂吉さんが欲しくて、全集3を周回しているのですが、なかなか出ません。茂吉さんが転生した方の状況、どの全集で出たかを知りたいので、アドバイスをよろしくお願いします。 --
- 上の木主です。
モキチくん、キョシくんが全集三で、サッチーが全集二で転生されました。ヘキくんは有魂書の転生です。モキチくん以外は一人一日がかり。かなり粘りました。リモートワークで自宅で仕事してるからできる芸当かも・・・ 途中、心折れそうになりますが、頑張ってください。 --
- 【報酬回想・導入】
アオ:ああ、来てくれましたか アカ:防守強化研究第二弾の準備が出来たぜ! 今回も文豪たちのフォローをお前に頼もうと思って…… ん? 河東碧梧桐:アカくん、アオくん! 二人に頼みたいことがあるんだけど!" アカ:え? 僕たちに? 高濱虚子:ノックもせずに入室した無礼を許してもらいたい だが、こちらも急を要する事態なんだ" アオ:はあ、一体なんでしょうか。 聞くだけ聞きますけど" 河東碧梧桐:今回はのぼさんの…… 子規さんの全集の防守強化研究やるって聞いて" アオ:ええ……その通りです。 今回は正岡さん、河東さん、高濱さん それから伊藤さん、斎藤さんの全集の防守強化を行う予定ですよ" アカ:一度に五冊は大変だろうけど、協力してちゃちゃっと…… 河東碧梧桐:うん、普段はそうなんだけど。 今回はちょっと事情があってね" 高濱虚子:秉、悠長に説明なんかしている場合か 高濱虚子:単刀直入に言う。 子規さんの全集に俺たちを潜書させてくれ" アオ:二人で行くんですか? 他の人たちが来るのを待った方がいいんじゃないですか" 河東碧梧桐:それじゃダメなんだよ! 子規さんの全集は、俺たち二人にとって特別なものなんだ どうしても俺たちに行かせてほしいんだ……お願い!" アカ:うーん…… 一応確認しとくけど、本当に大丈夫か? 前の奴らは、一冊潜るだけで結構疲れるって言ってたぜ" 高濱虚子:問題ない。 今日の日の為に、俺たちは鍛錬を積んできたんだ" アカ:……まあいっか。 そこまで言いうなら、行ってくれば?" アオ:後の本は、適当に割り振っておきますからね 河東碧梧桐:有難う、じゃあ早速! --
- 【報酬回想・正岡子規全集】
伊藤左千夫:ヘキくん、キョシくん、見つけた! 河東碧梧桐:あ、左千夫たちも来たんだ 伊藤左千夫:「来たんだ」じゃないよ! 僕らのことを置いて行ったでしょ! なにも言わずに行くなんてひどいよ 高濱虚子:すまない ……だが、この全集だけはどうしても譲りたくなかったんだ 斎藤茂吉:お気持ちは分かります ……子規先生の膝下で教えを乞うたたお二人ですから 誰よりも思い入れは強いでしょう 伊藤左千夫:でも、僕らだってノボさんの作品を守りたいよ! ノボさんがいなきゃ、今の僕らはいないんだから 斎藤茂吉:ええ、左千夫先生は、子規先生の『歌よみに与ふる書』を通して 私は『竹の里歌』で歌に親しみました 歌人の我等にとっても、先生はかけがえのない人です 河東碧梧桐:そうだよね。 僕たちの文学の原点は、みーんなのぼさんなんだよね 高濱虚子:『俳諧大要』『墨汁一滴』『病牀六尺』…… 死の間際まで書き続けて、残してくれたものがあったから 俺たちは各々自分の道を進むことが出来た 正岡子規:おーい皆! ハア……ハア…… 随分奥まで来てたんだな お前ら、最初から飛ばし過ぎで疲れないか? 河東碧梧桐:俺たちはまだまだ元気ですよ! のぼさんの世界に来られたのが嬉しくて! 高濱虚子:升さん…… 息を切らしていますが、身体は大丈夫ですか" 正岡子規:ああ。ちょっと調子に乗って走りすぎただけだ この世界は、俺が思ってたより広かったんだなあ…… 斎藤茂吉:そうです。子規先生の偉大な思想を、少しでもこの世に留め より深化しようと、先生に携わった人々が知恵を結集した世界ですから 正岡子規:ははは……そうかそうか。皆俺の作品を大事に思ってくれていたんだな 伊藤左千夫:僕らはノボさんがいなくなった後も、ずっとずっとノボさんのことを考えていました まだまだたっくさん聞きたいことがあるんですよ" 河東碧梧桐:皆のぼさんが大好きだもんね! 正岡子規:お前達、ありがとうな。俺はいい弟子に恵まれて世界一のしあわせものだ! --
- 【報酬回想・高浜虚子全集】
正岡子規:おお、ここが清の作品の世界か 河東碧梧桐:うーん、ここはやっぱり、肌が震えるくらいピリッとした緊張感があるね…… 高濱虚子:当然だ。どこに出しても恥ずかしくないものをと 常に緊張感を持って作り上げたものだからな 中途半端なことはしていないつもりだ 正岡子規:いかにも清らしいな! お……俳句の他に随筆や小説も結構あるな 河東碧梧桐:きよは、のぼさんがいなくなった後、 小説を書いていた時期があるんです 高濱虚子:……そうだな 正岡子規:これは小説か……『柿二つ』 俺が大好きな柿が題名になってるなんて、 心惹かれるじゃないか! 河東碧梧桐:ああ、そうそう! 柿がだーいすきなのぼさんの……ね その本、俺もお勧めですよ! 高濱虚子:秉、お前は……! 河東碧梧桐:きよー、もう観念した方が良いよ。 どうせ全部見られちゃうんだから! のぼさん、それはのぼさんとの思い出を元に、きよが書いた小説なんですよ 正岡子規:そうか…… 清の目から見た、正直な俺の姿が書かれているんだな 高濱虚子:……若く未熟な己の気持ちと、大切な升さんの思い出を、 正直に綴った作品です 恥ずかしくないといえば嘘になりますが、升さんが読みたいというなら、どうぞ 河東碧梧桐:小説もきよの大事な一部だよね。 俺は良い小説だと思うよ 高濱虚子:……そうか では、お前にも同じ言葉を返す 升さんにはお前の『子規を語る』も読んでもらおう 河東碧梧桐:そ、それはずるいよ! なんでそこで俺の本が出てくるの! 高濱虚子:俺はお前にひけをとるものは一つも書いていないつもりだ 秉、お前もそのつもりだったのだろう 河東碧梧桐:それはそうだけど…… 正岡子規:はっはっは、俳句以外でもお前達は良いライバルだったんだな 俺はお前達の書いた物なら、いくらでも読むぞ! 河東碧梧桐:よーし、こっちも負けないからね! 高濱虚子:フン。いつでも受けて立つぞ --
- 【報酬回想・河東碧梧桐全集】
河東碧梧桐:冷えた風が心地いいなあ。 それにいいお天気! 伊藤左千夫:わあ、この世界は、色とりどりのお花でいっぱいだね! 河東碧梧桐:ふふふ、たくさん花の俳句を作ったからかな 伊藤左千夫:どんな花があるか、傍に寄って見てみたいな (暗転) 正岡子規:お、見てみろサッチー、椿の花が咲いているぞ 雪に埋もれている白と赤の椿が、一際鮮やかだなあ 伊藤左千夫:「赤い椿 白い椿と 落ちにけり」 ヘキくんの俳句の世界そのものですね 正岡子規:秉の句を誦んじると、目の前で実物を見ているかのような感じを受ける 印象明瞭とは、まさにこのことだ 伊藤左千夫:句を詠んだヘキくんと、後からヘキくんの視点を追いかけている読者が まったく同じ気持ちになるなんて、ヘキくんはすごいですね 正岡子規:ああ。 気取って言葉をこねくり回すと、なかなかこうはならない 写生の神髄を自分の感覚でしっかりと掴んでいる秉公だから出来るんだろう 伊藤左千夫:あ、でも、こっちは…… 「さくら活けた 花屑の中から 一枝拾ふ」 正岡子規:同じ花が主題の句でも、その後の歌は、描き方が随分違うな 綺麗な桜の枝を選りすぐって活けた後、見頃が過ぎてしまった枝を拾って眺める自分と 花を一緒に描くことで、去って行く季節を惜しむ気持ちがより深く伝わってくる…… 伊藤左千夫:椿の句では「落ちにけり」と花に思いを託していたヘキくんが 「拾う」という三文字の言葉を通して、心の動きをより正確に表現できるようになった ってことかな…… 正岡子規:この句を読むと、秉が自分自身も自然の一部と捉えていることが分かる 見ている物と観察している自分の境界を越えて、全体を描く境地を見つけたんだな うん、良い句を作るようになったな 伊藤左千夫:ヘキくんが聞いたら喜びますね 正岡子規:おっと、じゃあ、今はまだ内緒にしておくか あいつには、まだまだ先を目指して進んでもらわないとな 河東碧梧桐:のぼさーん、左千夫ー! こっちに面白いものがあるよ! 早くこっちへおいでよ! 伊藤左千夫:えっ! ヘキくん、いつの間にあんな高い塔の上にのぼったの!? そもそも、あんなところに塔なんてあったかな……? 正岡子規:あっはっは、自由に何処までも行けるのも 秉公のいい所だよなあ --
- 【報酬回想・伊藤左千夫全集】
正岡子規:おっ! 牛がいるじゃないか。 可愛いな…… 伊藤左千夫:わあ、君、どっから来たの? 君のお母さんは? 斎藤茂吉:師匠、あの丘の上で牛が群れています この子牛は、あそこからはぐれてきたのではないでしょうか? 伊藤左千夫:ほんとだ! ノボさん、モキチくん、僕この子を送り届けてきます! 斎藤茂吉:なんとものんびりとした世界ですね 左千夫先生が書かれた『野菊の墓』の影響もあるのでしょうか 正岡子規:そうか、それも考えられるな 青い空に、綺麗な芝がどこまでも広がっている 研究の手伝いじゃなきゃ、ここでべーすぼーるか昼寝がしたいな! 斎藤茂吉:ふふ……先生らしいお考えです 正岡子規:だが、せっかくサッチーの世界にいるんだ サッチーの歌集が見たいな。 きっと、この場所みたいにのどかな自然にあふれた世界が広がっているんだろう 斎藤茂吉:では、これをどうぞ 正岡子規:おお、これがサッチーの歌集か ……ん? これは茂吉が編集したのか 斎藤茂吉:そうです。 左千夫先生は『馬酔木』や『阿羅々木』といった雑誌を通して歌を発表され、 また多くの弟子を育てて下さいましたが、ご自身はごく控えめで歌集というものをお出しになりませんでした。 先生が亡くなった後、原稿が散逸して先生の歌が失われるのは、その後の歌人にとって大きな損失になる ……そう思い、この歌集を作ったのです。 正岡子規:そうだったのか。 サッチーの全集は、自然を愛するサッチーの心とサッチーを大事に思う弟子たちの思いが形作っているんだな 斎藤茂吉:子規先生にそう言って頂けると嬉しいです 正岡子規:歌集を編んだお前たちの思いも、一緒に読ませてもらうよ --
- 【報酬回想・斎藤茂吉全集】
正岡子規:これが茂吉の作品の世界か。 うん……前に聞いた茂吉の歌が蘇ってくるな 「あかあかと 一本の道 とほりたり たまきはる 我が命なりけり」だったよな! 斎藤茂吉:し、子規先生が私の歌を誦んじて下さるとは……! 正岡子規:良い歌だと思ったから覚えていただけだよ 詳しい意味は分からんが、覚えやすく、口にして心地が良い音が連なっている 高濱虚子:そうですね。 それが彼の歌の魅力でしょう 複雑な解釈を考えるよりも、聞いてそのまま受け止めるというのが、正しい鑑賞の仕方だと思います 正岡子規:聞いてそのまま受け止める、か。 そうだなあ だが、この表紙はどうだ? あまりにも飾り気がなくて、ちょっと愛想がないぞ 『赤光』というのは良い題名だと思うが、どんな歌集か想像しづらい 高濱虚子:そうです。 だからこそ、読者はこの本に惹かれるのです そうして本を読み進めていく毎に、この漢字二字の題名が驚くほど豊かな世界を持っていることに気が付く この歌集には、色んな「赤光」の情景が収められています 「白き華 しろくかがやき 赤き華 赤き光を 放ちゐるところ」 「のど赤き 玄鳥ふたつ 屋梁にゐて 足乳根の母は 死にたまふなり」 どちらも「赤」が効果的に使われていますが、込められた意味は全く違います " 正岡子規:歌を読んだ後に「赤光」をいう言葉を聞くと、光を放っているように見えるくらい力強く咲く花の美しさだったり、 閉じていく生命の残響が感じられたりする。 そういうことか!" 高濱虚子:表紙も題名も極限まで簡素にしてあるから、置かれた言葉の意味が輝く ……俺はそう解釈しているが、どうだろうか 斎藤茂吉:仰る通りです。 そこまで深く読み解いて頂けるとは…… やはりお二人は私の尊敬する方々です --
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