イベント393_異境秘録「悪の華」ヲ浄化セヨ

異境秘録「悪の華」ヲ浄化セヨ

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報酬一覧
- 報酬の回想内容
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公式運営より †

【開催期間】2021年06月16日 18:00から2021年06月30日 13:59まで

【概要画像】

情報まとめ †

【重要】本イベントは「聖家族」クリアが参加条件に設定されている。
封蔵書「悪の華」（第一章〜第四章）で構成される。
- 一章につき五〜六節ほどで構成されており、各節のボスを倒すかそれによって開放される回想を入手することで次節に潜書できるようになる。
- 「悪の華」各章の最終節もしくは追録のボスを倒すと、次章に潜書できる。
- イベント終了後は有碍書とは別に常設され、各種進捗も引き継がれる。
イベント内の会話に登場するポーは、侵蝕者に対してより多くのダメージを与えることができる。
ステージの中には「侵蝕度」というものが設定されている特殊ステージがある。
- このステージで登場する特殊ボスは、一定値まで体力を削ると、その回の戦闘ではそれ以上ダメージを与えられなくなる。
  つまり、倒すには必ず複数回潜書する必要がある。
- 一定値（初期値の半分）まで体力を削った後の再戦時には、特殊ボスの体力ゲージがリセットされる。
  ただし、ここでリセットされているのは表示のみであり、残り体力自体は据え置きとなっている。
- 今回の特殊ステージは、特殊ボスを倒すと回想に変化する。このため、撃破後の再挑戦はできない。

イベント開催期間中、限定召装「文学ノ理」から一定の確率で入手できる装像「文学ノ理-星-」「文学ノ理-月-」を装備して潜書すると、イベントステージで獲得できる封じの歯車数が倍加する。
【注意 1】装像を最大まで強化すると特別効果が１枚につき4倍になります。
【注意 2】「ネコの手」「金のネコの手」は使用できません。

装像特効早見表
会派で1枚装備	『封じの歯車』獲得数2.5倍	最大強化時4倍
会派で2枚装備	『封じの歯車』獲得数4倍	最大強化時7倍
会派で3枚装備	『封じの歯車』獲得数5.5倍	最大強化時10倍
会派で4枚装備 (4人全員装備)	『封じの歯車』獲得数7倍	最大強化時13倍
会派で4枚装備 (うち1枚最大強化)	『封じの歯車』獲得数8.5倍
会派で4枚装備 (うち2枚最大強化)	『封じの歯車』獲得数10倍
会派で4枚装備 (うち3枚最大強化)	『封じの歯車』獲得数11.5倍

封じの歯車はイベントステージの他に期間限定研究「『悪の華』を踏破せよ」でも回収できる。
- 研究では1日500個獲得できる。イベント期間は15日間なので最大7500個獲得可能。
封じの歯車の獲得個数によって回想やアイテムなどの報酬を受け取ることができる。
- 報酬は一覧から手に入れたいものを選択し、記載された数の封じの歯車と交換する。
- イベント回想は初遷移時に発生するもの、浄化完了時に追加されるもの、戦闘開始時かボス撃破後に発生するものの計三種類。
  - このうち初遷移時のものと二章三節・二章四節挑戦時に発生するものは図鑑に登録されない。
封じの歯車は、次回開催時に繰り越しはできない。
報酬受け取り期限と装像の特別効果は06月30日13時59分まで。

↑

封蔵書一覧 †

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悪の華　一 †

難易度		著者	(表記なし)

ステージ一覧

一章一節

一章二節

一章三節

一章四節

一章五節

一章六節

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悪の華　二 †

難易度		著者	(表記なし)

ステージ一覧

二章一節

二章二節

二章三節

二章四節

二章五節

↑

悪の華　三 †

難易度		著者	(表記なし)

ステージ一覧

三章一節

三章二節

三章三節

三章四節

三章五節　※クリア後再挑戦不可

追録

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悪の華　四 †

難易度		著者	(表記なし)

ステージ一覧

終章一

終章二

終章三

終章四

最後の戦い

↑

報酬一覧 †

手に入れたい報酬を選択し、封じの歯車と交換することで報酬を手に入れることができる。

封じの歯車回収数	報酬(交換可能回数)	封じの歯車回収数	報酬(交換可能回数)	封じの歯車回収数	報酬(交換可能回数
150	文魂(小)×50(-)	500	異彩ノ薬液(刃)×2(15)	200	洋墨×800(10)
150	想魂(小)×50(-)	500	異彩ノ薬液(銃)×2(15)	200	食糧×400(10)
150	語魂(小)×50(-)	500	異彩ノ薬液(弓)×2(15)	800	金の栞×1(1)
250	文魂(中)×10(30)	500	異彩ノ薬液(鞭)×2(15)	500	金貨×100(5)
250	想魂(中)×10(30)	750	異彩ノ秘薬(刃)×1(5)	5000	金貨×1000(1)
250	語魂(中)×10(30)	750	異彩ノ秘薬(銃)×1(5)	15000	ボードレール衣装
600	文魂(大)×1(5)	750	異彩ノ秘薬(弓)×1(5)	15000	ランボー衣装
600	想魂(大)×1(5)	750	異彩ノ秘薬(鞭)×1(5)	20000	内装・ワインセラー
600	語魂(大)×1(5)	8000	異彩ノ結晶×1(3)	25000	ボードレール
1500	魂ノ歯車×1(5)	1500	召装石×300(1)	25000	ランボー

回想「物語のその先へ」を閲覧すると、「限定印章」を獲得できる。

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報酬の回想内容 †

今回の回想は以下の作品を参考にしていることが公表されている。

ルイス・キャロル『アリスはふしぎの国で』大久保ゆう訳、青空文庫、2015年（CC BY 4.0）
エドガー・Ａ・ポオ『ポオ異界詩集』大久保ゆう編訳、青空文庫、2020年（CC BY 4.0）

第一〜第十話　ネタバレ注意

第一話最後の作戦　一

内容
ゲーテ	みなさん、お集まりいただきありがとうございます
アカ	例の本、見つけたんだって？
ゲーテ	ええ。ついに見つけました、メフィストフェレスがいるであろう文学作品を
ゲーテ	この本です。特務司書さんとエドガー・アラン・ポーさんにも協力していただいたことで異常なほど大きな負の精神エネルギーを秘めていることがわかりました
アオ	見た目は普通の、小さな本に見えますが……
ゲーテ	見た目に騙されてはいけませんよこの本の概念は周到に隠されていましたが、力の大きさからして確実です
ファウスト	我々がこれからしなければいけないことは二つ
	その一、この本に潜書して作者を転生させること
	その二、メフィストフェレスをみつけ、アルケミストの力で封印すること
アオ	うーん、簡単に言いますけど……
ゲーテ	もちろん簡単にはいかないでしょう
ゲーテ	まず、作者の転生ですが……これが達成できれば、メフィストフェレスの転生を止めることができます頼りにしていた魂の歯車がなくなるわけですから
ファウスト	この本の作者は、侵蝕や錬金術の事情を知らないで負の力を集めているのだろう説得して、図書館に転生させる。メフィストフェレスに魂を奪われないようにな
ゲーテ	そうなれば、我々の力で溜め込まれた負のエネルギーを解放することができます
アカ	そうなれば、万事解決じゃ……
ゲーテ	いえ、それでは侵蝕現象自体をなくすことができませんこの図書館のみなさんの使命は、侵蝕現象を止めること
アオ	そうです、根を絶たなくては
アカ	だから侵蝕現象を止めるには、メフィストフェレスそのものも封印するしかない……か
ゲーテ	負の精神エネルギーを解放できれば、自然とメフィストフェレスの力も奪うことに繋がります過去にファウスト博士が行ったように、アルケミストの力で封印することも可能でしょう
ファウスト	結社の人間で、その準備は整えている
ゲーテ	ええ。みなさんにも協力いただくことで可能となりました
ゲーテ	これから行うのは、危険な任務ですみなさんには無理を強いてしまうかもしれませんが、力を合わせれば必ず封印できるでしょう
選択肢	【みんなの力を信じます】【絶対に成功させましょう】
ゲーテ	ふっ、そうですね。必ずうまくいきますよ
ゲーテ	では、細かい説明はこれから。文学者の皆さんを集めてからにいたしましょう

第二話最後の作戦　二

第三話一章一節

第四話一章一節

第五話最後の作戦　三

内容
ゲーテ	ということは、貴方はあの古い錬金術書の世界にメフィストフェレスが封印されていたことを知らなかったのですね
館長	ああ、俺も驚いたよ……。そんな本だとは露ほども思っていなかった
	俺が転生の技術を掴んだのは、この本がきっかけだったんだ
	俺がまだアルケミストではなかった頃、俺はただの文学好きの少年だった…… ある日、古本屋でこの不思議な本と出会い、持ち帰った
猫	にゃーん
少年だった時の館長	本当に古いな……でも、何かを感じる
	何も書いてないのに……確かに不思議な力を感じるが、この正体は一体……
	うわっ、お前、どこから入ってきたんだ！
猫	にゃーん
少年だった時の館長	うわっ、よせ……！
ネコ	うう、何だここは……
館長	「転生」という現象が初めて起こった瞬間だった
	俺は、この錬金術書にいた魂を……普通のネコに定着させてしまったのだ
	この錬金術書に関係する人物の魂が転生したと推測されたが、肝心のネコは人としての記憶を一切持たなかった……
	なぜそんなことが起こったのか、いくら調べてもわからなかったよ
ファウスト	とんでもないことを隠していたな！　なぜ、そんな重要な書物がこんな辺境の国に！
館長	申し訳ないがわからない……あの後、政府によって極秘の書物として保管されたようだが
館長	政府は何も答えてくれなかった。そして、これからも答えられそうにないこの機密事項の指示を取り消すのにさえ、無理やり説き伏せる必要があったんだ
ファウスト	随分な言い様じゃないか。つまるところ、お前とあのネコが侵蝕の元凶だったのではないか？
館長	……ああ、きっとそのとおりだ
ファウスト	フン……
ゲーテ	そこまでにしなさい、ファウスト
	人を責めても何も解決しません。それよりも……
	やはりネコさんはファウスト博士自身、もしくは彼に連なるものだったのでしょうね
???	ええー！
館長	お前たち、盗み聞きしていたな！
アカ	当然じゃん。めっちゃ気になるし！
アカ	でさ、つまり……ネコってアルケミストだったってこと？
ゲーテ	はい。その可能性が高いでしょう
アオ	あのネコが……いったいどういうことですか？

第六話一章二節

第七話一章三節

第八話一章四節

内容
ボードレール	＜苛立ち＞、＜怒り＞。少しはいい感情を見せてくれるじゃないか
フィッツジェラルド	ああ、だからもういいだろ！
フィッツジェラルド	そういう感情、他にもほしけりゃ献上するさ！　だから一旦俺たちの話を聞いてくれ、頼む！
ポー	ちっ、こうなれば……
	それでも鴉は飛ばずに、なおとまっている、なおとまっている私の部屋の戸の真上のパラスの青白い半身像の上に。彼の目はまるで夢をみている悪魔の様子をしている、
	ランプの光は彼の上に流れて床には彼の影を投げている、私の魂は床の上に浮かんでくるあの影から上がらないだろう――決してもう！
	どうだ？　この詩の力、このポーの……
ボードレール	エドガー・アラン・ポーの詩！　キミたち、少しは芸術を解するようだね。気に入ったよ！
ポー	うっ……近い！　寄るな！
フィッツジェラルド	まあまあ、気に入ったのならさ、ちょっと話をしないか？
ボードレール	ふうん、少しキミたちに興味が湧いてきたよ。訪問者たち、僕に話しかけることを許そう
トルストイ	えーっと……
フィッツジェラルド	親友、落ち着いて聞いてくれ。アンタはとんでもないやつに命……いや、魂を狙われているんだ
ボードレール	ふうん？
フィッツジェラルド	信じられない話なのはわかる。でも、アンタはとても危険な状態にいるんだここから出たほうがいい
ボードレール	…………………………
フィッツジェラルド	アンタはそいつに利用されていて……このままここにいたら、取り返しのつかないことになる
ボードレール	…………………………
フィッツジェラルド	だから俺たちはアンタを助けに来たんだ。外にいけば安全だから……
ボードレール	…………………………
トルストイ	ね、ねえ、大丈夫？
ボードレール	い、や、だっっっっっっっ！
トルストイ	ええっ！
ボードレール	外に行くなんて、そんなの絶対にいやだと言ったんだ！
	去れ！　この、腐れ人間ども！！
	われらをじたばたさせる糸を握る者は＜悪魔＞！忌まわしい物には、手もなく惹きよせられるわれら、
	毎日、＜地獄＞の方へと、一歩ずつ降ってゆく、悪臭放つ暗闇を、眉をしかめず横切りながら。

第九話一章五節

第十話　最後の作戦　四

第十一〜第二十話　ネタバレ注意

第十一話　最後の作戦　五

第十二話　最後の作戦　六

第十三話　一章六節

第十四話　一章六節

第十五話　悪に咲く華　一

第十六話　二章一節

内容
（字幕）	今日、空間は輝きにみちわたる！銜(くつわ)もなく、拍車もなく、手綱もなしに、葡萄酒の背にまたがって出発しよう、夢幻の神々しい空へ向って！
ボードレール	この僕が行き倒れを拾うだなんて……明日は蛙が降ってくるかな
ランボー	……………………………………
ボードレール	ようこそ僕の城、悪の華の世界へ
ボードレール	名もなき旅人くん。どうやってここにたどり着いたのかは知らないけれど、歓迎するよ
	……ぐぅ
ボードレール	くくっ……お腹の虫が元気そうだね。ここにパンがあるよ。お食べ
	ワインもあるよ
	ワイン、それは命の水だ……活力と韻律の源！
	今日、空間は輝きにみちわたる！銜(くつわ)もなく、拍車もなく、手綱もなしに、葡萄酒の背にまたがって出発しよう、
	夢幻(ゆめまぼろし)の神々しい空へ向って！
ランボー	！
ボードレール	鎮めるすべもない海洋熱(かいようねつ)に責めさいなまれる二人の天使さながら、朝の青く澄んだ水晶のなか、
ボードレール	はるかに遠い蜃気楼を追ってゆこう。
ランボー	……………………………………
ボードレール	どうしたんだい？
ランボー	今の詩、もう一度聞かせて
ボードレール	おお！　もちろん、いいとも！
	ふふふ、目の前のパンとワインよりも、詩か……キミは詩人だね、ようやく腑に落ちたよ
	人はパンなしに三日生きても、詩なしには生きることができない
	キミは、そのことを心で理解しているようだ

ランボー	兄貴……
ルイス・キャロル	どうしたの？
ランボー	ううん、なんでもない
ランボー	「悪の華」……負の感情の塊……
ルイス・キャロル	この大きさ……これが君の言っていた負の感情を溜め込んでいる楔か
ランボー	うん
ランボー	これを、言葉の力で、撃ち抜く……

第十七話　二章一節

第十八話　悪に咲く華　二

内容
アオ	ネコ！　生きてたんですね
アカ	ネコー！！　ホントにホントに心配させやがって！
ファウスト	なんと……あの状況で無事だとは
館長	ネコ……お前……
ネコ	感動の再会など性に合わん……撫でろ、話はいいから

ゲーテ	これで貴方に直接お礼を言えますね『ファウスト』では私たちを助けてくださってありがとうございました
ネコ	ふん。メフィストフェレスと対峙した時、わずかに蘇った記憶からここはお前たちを逃がすしかニャイ、と思ったのだ
	吾輩の少ない力を使って全員を助けるには、それしかなかった
	あの後、吾輩は狭間の世界に落ちていた
	運良く、ランボーが拾ってくれなければ……そのまま消えてしまっていただろう
ゲーテ	貴方の出自について聞きましたよ。あの錬金術書と、封印のこと
ネコ	そうか。吾輩がいニャイ間、吾輩のことも館長は説明していたようだな
館長	未だに信じられないのだが……ネコ、お前の正体は、アルケミストなのか？
ネコ	吾輩はお前たちの言うところの、ファウスト博士だ
	吾輩は、メフィストフェレスを吾輩の魂でもって封印していたが……
	あの錬金術書を開いた時、館長が封印を解いてしまったのだその衝撃で、吾輩は意図せず現実世界に転生してしまった
ファウスト	やはり、そうだったか
ゲーテ	ネコさんは、そのことを今まで知らなかったのですね
ネコ	封印が解かれた衝撃で、記憶を持たニャイまま魂のみが転生してしまったからなだから今も吾輩は館長の力がなければ存在できニャイ、不安定な存在だ
館長	俺が封印を解いてしまっていたんだな……
ネコ	気に病むな。お前が触れずとも、封印はボロボロだったいずれ封印は機能しなくなって、同じことが起きていただろう
ネコ	むしろ、転生の術のきっかけを掴んだことを褒めてやるべきだな
ゲーテ	そのおかげで侵蝕に対抗できるようになったから、ですね

第十九話　二章二節

第二十話　二章二節

第二十一〜第三十話　ネタバレ注意

第三十一〜第四十話　ネタバレ注意

第四十一〜第五十話　ネタバレ注意

第四十一話　言葉の世界で　二

第四十二話　終章　一

第四十三話　終章　一

第四十四話　終章　二

第四十五話　終章　二

第四十六話　終章　三

第四十七話　終章　三

第四十八話　終章　四

第四十九話　終章　四

第五十話　最後の戦い

第五十一〜第五十五話　ネタバレ注意

第五十一話　最後の戦い

第五十二話　最後の戦い

第五十三話　勝利

第五十四話　終幕

内容
館長	侵蝕者との戦いが終わったわけではない
	元凶は断つことができたが、現存する侵蝕者は人々の負の感情によって増殖しているようだ
	今日も文豪たちは潜書し、浄化している
	とはいえ、確かに平和は訪れた。今はみなそれぞれ、その事実を噛み締めていることだろう

ヘミングウェイ	なぜ俺までここに来る必要があるんだ……
フィッツジェラルド	まあまあ、いいじゃねーか
	どうせあの世界での自分の華々しい活躍、誰かに語って聞かせたくてウズウズしてるんだろ？
	俺の活躍と一緒に、兄弟に聞かせてやってくれよな
ヘミングウェイ	おい、勝手に決めつけるな！
ギャツビー	スコット！
ギャツビー	無事でよかった……！
フィッツジェラルド	兄弟、帰ってきたぜ
ギャツビー	本当に、本当に心配していたんですよ
フィッツジェラルド	そ、そうか。心配かけたな……
ギャツビー	ほら、その複雑そうな顔を見ればわかります。とても危険な目にあったのでしょう！
フィッツジェラルド	はは、兄弟の前じゃ、なんにも隠し事できないな……
ヘミングウェイ	スコットはお前の怒り顔を見に来たわけじゃない
ヘミングウェイ	全部片付いたって知らせに来たんだ。素直に祝ってやれ
ギャツビー	ええ、それは貴方に言われずともわかっています
ギャツビー	では、聞かせてください。みなさんが困難を乗り越え、築いた物語を……

ホームズ	なるほど、すべてが収まるべきところに収まったようだね
ホームズ	そして我々は再びここで、顔を合わせることができたというわけだ
コナン・ドイル	まあ、この世界のことはなんでも知っている君にわざわざ言いに来ることもないと思ったが君にも協力を仰いだわけだし、報告する義務があると思ってね
ルイス・キャロル	ホームズさんの推理には助けられました。本当にありがとうございました
ホームズ	礼には及ばない。私は私の考えを述べただけだよ
コナン・ドイル	ところで、ここに来るまでに通ったロンドンの街だが、いつもと様子が違ったな
ルイス・キャロル	そうなんです、霧が晴れて、人が歩いていました！
ホームズ	ああ、この概念の一部が失われていたロンドンにも、少しずつ人が戻ってきているんだ
ルイス・キャロル	世界が安定したからかな……
コナン・ドイル	恐らくそうだろう。これも、「愛読してくれる読者諸君」のおかげということか
ホームズ	ああ、それを聞いて要件(ママ)を思い出したよ
	コナン・ドイル先生。いずれ友人のワトソン君も紹介させてくれないか。彼も先生に会いたがるだろうからね
	先生としても、彼なら私よりもずっと親睦を深められるだろう？
コナン・ドイル	ふん、そうかもしれないな
ルイス・キャロル	はは。じゃあ、次のお茶会はここで決まりですね！

ポー	やれやれ、張り合いがないつまらん生活になったな……
ラヴクラフト	つまらない、ポー様、考えているドイツ、アルケミスト、言いました
ポー	ゲーテか。やつが何か言ったのか？
ラヴクラフト	文学と、錬金術、追求する、しないか、と言いました

ラヴクラフト
ゲーテ	こころが開いていれば、この世は美しく見えるものですよ
ゲーテ	いきている間は、いきいきとやっていこうではないですか

ポー	ふん、説教臭いやつだ
ポー	それで、なんと答えたのだ？
ラヴクラフト	ポー様、次第、従います、言いました
ポー	そうか
	やつの言う通り、予定調和の物語ほどつまらないものはない
	ふん、この、ままならない現実世界で非日常性と不確実性を求めようというのならそれも一つの手ではあるな……
ラヴクラフト	はい、ポー様
ボードレール	うう、アレがエドガー・アラン・ポーその人だったなんて……
ボードレール	僕の賛美の詩を捧げたい……いや、むしろ下僕にしてもらいたい……
ランボー	何してるの、兄貴？
ボードレール	うわっ
ボードレール	キ、キミか……
ランボー	司書さんが呼んでいたよ。……頼みたい仕事があるみたい
ボードレール	ノンノン。僕はあの時、確かにここには来ると言ったが、働くとは言っていないよ
ランボー	そう言うと思った
ボードレール	労働とか、人のためにとか、そういうのは僕向きではない。キミに任せたよ、ランボーくん
ランボー	うん。僕、働くの嫌いじゃない
ランボー	その代わり、今日も詩の話をしてね
ボードレール	もちろんだとも。パンとワインと共に過ごす夕べだ。存分に……はっ、そうだ！
ボードレール	ランボーくん、あのポー様を夕食に誘うんだ！
ランボー	どうして？　自分で誘わないの？
ボードレール	いいから！　頼む！
ランボー	わかった……
ボードレール	ふふん、やはり僕は天才だ……これでポー様とお近づきに……
ボードレール	ふふふ……
ランボー	……………………………………
ランボー	兄貴が楽しそうで、よかった

トルストイ	フェージャ、今すぐ来て！
ドストエフスキー	はあ？　わざわざこんなところまで来て、なんだよレフ
トルストイ	さっきゲーテさんとファウストさんから、気になる話を聞いたんだ
ドストエフスキー	それで走って俺を探しに来たってわけか
トルストイ	うん。消えてしまった僕の本と、記憶を取り戻すことに繋がるかもしれないって話で……
ドストエフスキー	なんだって？　よかったじゃないか
トルストイ	それで、フェージャには実験に協力してほしいんだ
ドストエフスキー	は？　実験、だと……？
トルストイ	うん。詳しいことはよくわからないけど、作家としての僕を知っている人の力が必要みたい
ドストエフスキー	ちょっと待て。実験っていう怪しい表現が、聞き捨てならないんだが……
トルストイ	そんなこと言わないで。これは大事件なんだよ！
トルストイ	自分の本を失っている人は僕以外にもいるんだ。僕たちだけの問題じゃないんだよその人たちのためにも、僕たちが率先して協力しなくちゃ。だから……
ドストエフスキー	チッ、しかたねぇな……
トルストイ	やった！
ドストエフスキー	言っとくが、この貸しはでかいぞ
トルストイ	ほら、フェージャ早く！
ドストエフスキー	聞いちゃいねえ……
ドストエフスキー	やれやれ。レフのやつ、どんどん調子に乗ってやがるな……

第五十五話　物語のその先へ

内容
館長	長年の相棒だったネコの正体が、かの有名なアルケミストだったことは衝撃だったしかし本人いわく、ファウスト博士としての自我はわずかに戻っただけらしい
館長	彼にはこれからもネコとして、何も変わらず接してくれと言われた俺としても彼の申し出はありがたかった。彼なりの気遣いに甘えようと思う

ネコ	くぁ、いい天気だな……
選択肢	【なぜこんなところに……】【暇そうですね】
ネコ	吾輩は隠遁生活を満喫しているのだ。邪魔をするな
選択肢	【隠遁生活？】
ネコ	政府に吾輩の正体について、あちこち探られては困るこのまま吾輩のことは有耶無耶にしてもらうほうが都合がいい
ネコ	……なんだ、納得していニャイ顔だな。他にも何かあるのか？
選択肢	【ファウスト博士？】【ネコさん？】
ネコ	む……何だ改まって。吾輩をなんと呼べばいいかだと？
	そうだな……
	吾輩が「ネコ」と名乗っていたのは、記憶のない不安定な転生となってしまったがゆえだ
	記憶が戻るためには、軽率に名前をつけるべきではニャイと判断しただから館長たちは吾輩をネコと呼んでいたのだ
	では今、記憶が戻ってきたかというとそうではニャイ
	いや、吾輩はもはや、それで構わニャイと考えている
選択肢	【それはもしかして】【それはつまり……？】
ネコ	つまり、吾輩はこの図書館のネコという存在であることを選んだということだ

館長	我々アルケミストの、文学を守るという使命は続いているみんなのおかげで平穏な日々は取り戻したが、課題は山積みだ

アカ	あーあ、暇だなあ
選択肢	【暇だね】【ゆっくりしようよ】
ゲーテ	司書さんの言うとおりです。日々を噛み締めようではありませんか
ゲーテ	ただ今日という日の続くことが、我々が求めてやまない不変のものに繋がっていくのですから
アカ	そういえば、ファウストはどうしてるんだ？
ゲーテ	今は、結社で概念が消えてしまった『ファウスト』『戦争と平和』を再構築する研究をしています
アオ	ファウストさんが文学の研究を？
アカ	なんとかなりそうなのか？
ゲーテ	いえ……まだまだ時間がかかりそうです一度失われてしまった概念を取り戻す理論は、未だありませんから
アオ	そうですか……
ゲーテ	何か進展があれば、知らせに来ると言っていました彼は優秀なアルケミストですから、きっと近いうちに会えるでしょう
アカ	別に来なくていいけど……ほら、あいつ来たら、図書館が狭くなるし……
ゲーテ	ふふ、それもそうですね
館長	みんな、大変だ。結社からの手紙が届いた！
アカ	え、なになに？
館長	今から読み上げる。ネコはいるか？
アオ	僕、探してきます
ゲーテ	おやおや、噂をすれば……また、忙しくなりそうですね。司書さん？

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