イベント108_「小倉百人一首」ヲ浄化セヨ
- ボスマスでの歌のかけら獲得数
ステージ1:80 ステージ2:90 ステージ3:100 ボスマスに行くには? 全ステージ、幸田露伴・吉川英治を入れると到達しやすいとのことでした --
- 回想、二十九番からです。ルビはかっこに入れてあります。
【二十九】 登場文豪;吉川英治、幸田露伴、正岡子規 幸田露伴:心(こころ)あてに 折(お)らばや折(お)らむ 初霜(はつしも)の 吉川英治:おきまどはせる 白菊(しらぎく)の花(はな) 吉川英治:初霜と白菊で真っ白な世界……美しい世界だろうなあ 幸田露伴:初霜、白菊、と白のイメージが印象深い歌だな 正岡子規:いやいや、初霜が降りたくらいで、あてずっぽうで折ってみようというほど菊が見えなくなるものか? 嘘の表現だよ、こんなのは 吉川英治:正岡殿はこの歌が好きではないのか? 正岡子規:ああ。ありのままを詠めばいいのに、古今集は小さいことを大きく言うような嘘ばっかりだ まったく、つまらない嘘を詠むくらいなら、もっと面白く詠むべきだよ 幸田露伴:よくわからんな……面白い嘘とはどういうものなんだ? 正岡子規:百人一首なら「かささぎの わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」だな かささぎの橋、つまり天の川に霜が降りるなんて全くない事を空想で表すのはい 中途半端な空想はつまらない嘘だよ 吉川英治:確かに写実的ではないが、美しい印象だと思うがなあ 正岡子規:こういう女性的で美麗な印象を持つ歌は「たおやめぶり」と呼ばれている だが、俺は『万葉集』の男性的で力強い……いわゆる「ますらをぶり」のほうが良いと思う 幸田露伴:文壇の派閥のように、古歌の中でも大きく作風の違いがあるのだな…… 【四十六番】 登場文豪:吉川英治、幸田露伴、若山牧水 吉川英治:由良(ゆら)の門(と)を 渡(わた)る舟人(ふなびと) かぢをたえ 幸田露伴:ゆくへも知(し)らぬ 恋(こひ)の道(みち)かな 幸田露伴:由良の門というのは、屋敷の門構えのことではないのだな 由良川から海に出る河口のことで、流れの激しい場所のことらしい 吉川英治:激しい流れの中で舵をとれなくなっ舟人のように、恋の道の行く末がわからない、か…… なんだか不安な感じがするなあ 若山牧水:そうか? 俺は、詠み手は恋ってものを結構楽しんでるんじゃないかと思うぜ 幸田露伴:苦しい恋を予感させるものに見えるが……牧水にとっては違うのか? 若山牧水:違うというか、和歌にはこういう捉え方もできるって話だよ 三句目までの舟人の例えは「ゆくへも知らぬ」を引き出すための序詞(じょことば)というんだ 幸田露伴:三句目……「かぢをたえ」までは前置きということだな つまり意味があるのは下の句のみ。やはり恋のゆくえがわからないと嘆く句ではないか? 若山牧水:素直な感情を詠んだにしては、技巧的すぎるんだよな この歌では、意味や関わりの深い言葉を重ねて使う「縁語(えんご)」も多用されている いろんな技法を取り入れて、恋に悩むことをどこか楽しむような余裕がある気がするんだ 吉川英治:そう見ると確かに……恋物語を読むような、不安よりも期待が勝つような気分だな! 若山牧水:それに、この歌ではその先の恋のことはまだわからないんだ どうせなら、梶を持たず大海に流れ出る舟人の幸運を願ってやりたいよ 幸田露伴:詠み手の真意は定かではないが……そういう解釈があってもいい 読む人によって和歌は違って見えるものだと、ここまで学んできたからな 吉川英治:ああ。歌を知り、心で楽しむことが大切だということをな! いろいろ学んできたが、もう少しで百首だ。最後まで集めきるぞ!
【小倉百人一首 終】 登場人物:館長、吉川英治、幸田露伴、アカ、アオ 館長:聞いたぞ、すべて修復できたようだな 選択肢 なんとか……/頑張りました 幸田露伴:ああ、熱心に百人一首について学んだからな。教えてくれた歌人たちに感謝だな 吉川英治:本を浄化するだけでなく、文学にも詳しくなれた。一石二鳥だな! 幸田露伴:たまにはこうやって教養を深めるというのも悪くない 吉川英治:せっかくだ。本も元通りになったことだし、これからみなで百人一首かるたに興じようではないか! 館長:はっはっは。そうだな、正月だしちょうどいい 吉川英治:館長殿も参戦するか、よし、腕を見せてもらおう! 館長:おっと、俺も数に入れられたのか。……まあ、たまにはいいか。お邪魔するよ アカ:あいつら、楽しそうだな アオ:そうですね…… --
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