イベント108_「小倉百人一首」ヲ浄化セヨ

  • ボスマスでの歌のかけら獲得数
    ステージ1:80
    ステージ2:90
    ステージ3:100
    ボスマスに行くには?
    全ステージ、幸田露伴・吉川英治を入れると到達しやすいとのことでした -- 2019-01-03 (木) 12:29:07
  • 回想、二十九番からです。ルビはかっこに入れてあります。
    【二十九】
    登場文豪;吉川英治、幸田露伴、正岡子規
    幸田露伴:心(こころ)あてに 折(お)らばや折(お)らむ 初霜(はつしも)の
    吉川英治:おきまどはせる 白菊(しらぎく)の花(はな)
    吉川英治:初霜と白菊で真っ白な世界……美しい世界だろうなあ
    幸田露伴:初霜、白菊、と白のイメージが印象深い歌だな
    正岡子規:いやいや、初霜が降りたくらいで、あてずっぽうで折ってみようというほど菊が見えなくなるものか? 嘘の表現だよ、こんなのは
    吉川英治:正岡殿はこの歌が好きではないのか?
    正岡子規:ああ。ありのままを詠めばいいのに、古今集は小さいことを大きく言うような嘘ばっかりだ
    まったく、つまらない嘘を詠むくらいなら、もっと面白く詠むべきだよ
    幸田露伴:よくわからんな……面白い嘘とはどういうものなんだ?
    正岡子規:百人一首なら「かささぎの わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」だな
    かささぎの橋、つまり天の川に霜が降りるなんて全くない事を空想で表すのはい
    中途半端な空想はつまらない嘘だよ
    吉川英治:確かに写実的ではないが、美しい印象だと思うがなあ
    正岡子規:こういう女性的で美麗な印象を持つ歌は「たおやめぶり」と呼ばれている
    だが、俺は『万葉集』の男性的で力強い……いわゆる「ますらをぶり」のほうが良いと思う
    幸田露伴:文壇の派閥のように、古歌の中でも大きく作風の違いがあるのだな……

    【四十六番】
    登場文豪:吉川英治、幸田露伴、若山牧水
    吉川英治:由良(ゆら)の門(と)を 渡(わた)る舟人(ふなびと) かぢをたえ
    幸田露伴:ゆくへも知(し)らぬ 恋(こひ)の道(みち)かな
    幸田露伴:由良の門というのは、屋敷の門構えのことではないのだな
    由良川から海に出る河口のことで、流れの激しい場所のことらしい
    吉川英治:激しい流れの中で舵をとれなくなっ舟人のように、恋の道の行く末がわからない、か……
    なんだか不安な感じがするなあ
    若山牧水:そうか? 俺は、詠み手は恋ってものを結構楽しんでるんじゃないかと思うぜ
    幸田露伴:苦しい恋を予感させるものに見えるが……牧水にとっては違うのか?
    若山牧水:違うというか、和歌にはこういう捉え方もできるって話だよ
    三句目までの舟人の例えは「ゆくへも知らぬ」を引き出すための序詞(じょことば)というんだ
    幸田露伴:三句目……「かぢをたえ」までは前置きということだな
    つまり意味があるのは下の句のみ。やはり恋のゆくえがわからないと嘆く句ではないか?
    若山牧水:素直な感情を詠んだにしては、技巧的すぎるんだよな
    この歌では、意味や関わりの深い言葉を重ねて使う「縁語(えんご)」も多用されている
    いろんな技法を取り入れて、恋に悩むことをどこか楽しむような余裕がある気がするんだ
    吉川英治:そう見ると確かに……恋物語を読むような、不安よりも期待が勝つような気分だな!
    若山牧水:それに、この歌ではその先の恋のことはまだわからないんだ
    どうせなら、梶を持たず大海に流れ出る舟人の幸運を願ってやりたいよ
    幸田露伴:詠み手の真意は定かではないが……そういう解釈があってもいい
    読む人によって和歌は違って見えるものだと、ここまで学んできたからな
    吉川英治:ああ。歌を知り、心で楽しむことが大切だということをな!
    いろいろ学んできたが、もう少しで百首だ。最後まで集めきるぞ!


    【小倉百人一首 終】
    登場人物:館長、吉川英治、幸田露伴、アカ、アオ
    館長:聞いたぞ、すべて修復できたようだな
    選択肢 なんとか……/頑張りました
    幸田露伴:ああ、熱心に百人一首について学んだからな。教えてくれた歌人たちに感謝だな
    吉川英治:本を浄化するだけでなく、文学にも詳しくなれた。一石二鳥だな!
    幸田露伴:たまにはこうやって教養を深めるというのも悪くない
    吉川英治:せっかくだ。本も元通りになったことだし、これからみなで百人一首かるたに興じようではないか!
    館長:はっはっは。そうだな、正月だしちょうどいい
    吉川英治:館長殿も参戦するか、よし、腕を見せてもらおう!
    館長:おっと、俺も数に入れられたのか。……まあ、たまにはいいか。お邪魔するよ
    アカ:あいつら、楽しそうだな
    アオ:そうですね……
    -- 2019-01-03 (木) 12:59:52


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Last-modified: 2019-01-03 (木) 12:59:52