このページについて †
特定の文豪同士で発生する回想の条件をまとめているページです。
一度見た回想は、司書室の「図鑑」にて閲覧が可能。※16/11/16メンテナンスにて実装。
- 有碍書で回想発生のタイミングが同じ場合、回想は1つだけしか発生しない
- 複数の回想を同時に見ようとして2組の対象文豪を同じ会派に入れても、両方とも「戦闘開始前」が発生条件ならどちらか1つの回想しか発生しない。
- 発生条件が「戦闘開始前」と「ボス撃破後」と違っていれば1度の潜書で回想を2つ見ることができる。
- 発生条件にレベルが関わっているものとないものだと後者が優先される?(コメント欄より。要検証)
- 文学奇譚の対象となっている有碍書では回想は発生しない
- 文学奇譚の発生条件が「ボス撃破後」であっても、「戦闘開始前」の通常回想は発生しない
- 1回の食事につき1つだけ回想が発生する
- 「食堂回想」と「誕生日回想」は同時に発生しない など。
2020/02/19のメンテナンス終了後に発生条件が緩和。
特定の組み合わせの文豪を会派に編成した状態で潜書することで、すべての有碍書で潜書回想が発生するようになった。
※封蔵書、イベント有碍書は除く
回想一覧 †
回想実装履歴 †
2018/06/14現在 総数397 うち通常有碍書92
有碍書 †
会話の内容は、各有碍書のページから確認できます。
食堂 †
会話の内容は、食堂から確認できます。
誕生日 †
回想の内容は、各文豪のページから確認できます。
- 食堂画面で誕生日の文豪にケーキを贈る(要金貨10枚)と発生します。
- 2023/12/01小林多喜二の誕生日より、誕生日回想の新規実装は終了。(2023/11/23の久米正雄の誕生日回想が最後。)
散策 †
会話の内容は、散策から確認できます。
イベント †
発生条件、会話の内容は各イベントページから確認できます。
図鑑では食堂回想と誕生日回想の前後に分かれて収録されています。
記念日 †
特定の日に図書館で見ることができる回想。
給与日は毎月1日~3日にログインすると見ることができる。
※図鑑に登録される給与日は館長の月替わりボイス。
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新美南吉 | 今日はね、僕の「手袋を買いに」が載っている本が刊行された日なんだよ |
宮沢賢治 | 「手袋を買いに」は、お母さん狐が子狐を人間の街までおつかいに行かせる話だよね南吉は狐のお話をよく書くし、狐が本当に大好きなんだね |
新美南吉 | うん。ほかにも、牛さん、犬さん、でんでんむし……お外で会える動物はみんな好きだよでも、やっぱり狐がいちばん |
宮沢賢治 | どうして狐が一番なの? |
新美南吉 | ごんも狐だし……狐はお友達だから狐には不思議なチカラがあって、お話しができるんだよ。だからお友達になれるんだ |
宮沢賢治 | 狐は特別に神秘的な動物だからね。僕も狐が大好きだよ |
新美南吉 | でもみんなは、狐がいたずら者だって嫌うから……だから、狐が本当はいたずら者なだけじゃないって知ってほしくて、狐のお話を書いたんだよ |
宮沢賢治 | そうだったんだね。南吉のお話に出てくる狐は、優しいところも、かわいいところもあるものきっとみんな、南吉のお話を読んだら狐のことが大好きになっちゃうよ |
新美南吉 | ふふふ。本当かなあ。そうだったらいいな。みんな狐を大好きになったらいいなあ…… |
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島崎藤村 | 今日は秋声の『あらくれ』刊行された日だね この小説で描かれるような「あらくれた」生き方は、秋声自身は好きじゃなさそうだよね…… |
島崎藤村 | ねえ、秋声にとっての日常ってどんなものなの? |
徳田秋声 | 急に言われても困るんだけど…… まあ、そうだね。僕にとっての日常は、平凡で穏やかな日々のことかな |
島崎藤村 | ふうん。秋声にはそんな日はなさそうだけどね |
徳田秋声 | そんなことはないよ 僕は、平穏な毎日を送れている……と思うけど |
島崎藤村 | 本当かな。昨日はどうだった? |
徳田秋声 | いや、昨日は紅葉先生が、急に美味しい最中が食べたいなんて言うから…… 甘いものに詳しい夏目さんや森さんに聞いたり、街に出たり、探し回って忙しかったんだよ |
島崎藤村 | そう。じゃあ、一昨日は? |
徳田秋声 | 一昨日はオダサクさんと話していたら、そのうち無頼派三羽烏が集まったから、勢いに飲まれて 一緒に飲みに行ったんだ。楽しかったけど、堕落談義だとか言ってたくさん話をして、ちょっと疲れたよ |
島崎藤村 | へえ。それで、今日は? |
徳田秋声 | 今日は君の「地味な秋声を応援する会」に謎の応援会を開かれたね…… |
島崎藤村 | ああ、そうだった。 それで、昨日、一昨日、そして今日が、特別に忙しかっただけ? |
徳田秋声 | いや……はあ、おかしいな。僕の平穏な日常はどこにあるのだろう |
島崎藤村 | 僕が秋声を密着取材をすれば教えてあげられるかもしれないよ |
徳田秋声 | やめてくれ、いよいよ僕の日常が穏やかではないと認めてしまいそうだから…… |
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直木三十五 | そういや、お前たちが『文藝時代』を刊行したのは今日だったな |
横光利一 | ああ。『文藝時代』をきっかけに、手前らは「新感覚派」と名乗るようになった |
直木三十五 | 「新感覚派の誕生」ってか 気になっていたんだけどよ、お前ら今も新感覚新感覚って言っているよな? その「新感覚」ってどういう意味なんだ? |
横光利一 | ふむ、そうだな……手前らにとって、新感覚とは衝撃、そして感動だ 今まで空だと信じて疑わなかったものが、崩れだすようなことを言う |
川端康成 | 崩れた空が屋根だったと気づいたことで、その先に広がる空を疑う視野を持つ、ということですね…… 強い衝撃は常識を破り、思想を塗りつぶす大波として打ち寄せます…… |
直木三十五 | ややこしい表現だな…… じゃあ例えば、どういったものを新感覚と言うんだ? |
横光利一 | 例えるならば、夏に食べたかき氷がそうだった。砕いた氷のガラス細工のような美しさ、 無枠に食わせば頭の奥で蝉が鳴き、眺めていれば脆く溶け出す儚さ……全てが未知の感動だ |
川端康成 | ええ、まさに……刹那の楼閣はかくも驚きに満ちたものであることか、と…… |
直木三十五 | そんなに気に入ってんだな……かき氷…… |
川端康成 | 良い壺を見つけたときもそうでした……古代風の文様が、近代的な感性のもとに吹き返し…… 気が付くと、見慣れたはずのものも意味を違えて、生まれ変わったかのような衝撃です…… |
横光利一 | ああ、そうだ……既にあるものに、新感覚がないとも限らない 魅力を秘めていた骨董品がある日突然沈黙を破り、語りだすこともある |
川端康成 | はい……はい、その通りです…… |
直木三十五 | いやいや、お前らがわかりあっててどうすんだよ オレには全っ然わからねーよ! |
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尾崎紅葉 | おうい、鏡花よ。まだか |
泉鏡花 | 失礼しました!お待たせしてすみません、紅葉先生 |
尾崎紅葉 | 謝らずともよい。それより、出かけるときはいつも先に待っておるのに 今日はどうしたのだ |
泉鏡花 | 実は、暦を見ておりました 今日は、僕が初めて紅葉先生のお宅を訪ねた日だったので、昔のことが懐かしく思えて…… |
尾崎紅葉 | ほう、今日がその日だったのか。思えば、弟子入りに来た時には玄関番を任せたのだったな 最初は見知らぬ食い物を、変わった匂いがするから腐っていると思った、と言うのには驚いた |
泉鏡花 | お恥ずかしい限りです……初めはものを知らない小僧でしたから、色々とご迷惑をかけました 今の僕はあるのは、先生のご指導のおかげです |
尾崎紅葉 | 本当に、よくここまで育ったものだな |
泉鏡花 | ありがたいお言葉です。あの日、先生の家の門を叩いたときから僕の人生が始まった気がしています 僕は今、先生の弟子でいられて誇らしいです |
尾崎紅葉 | そうか……あの日がなければ、今もなかったか 人生とは、数奇なものよな。我も感慨深い |
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芥川龍之介 | 先生。今日は部屋を訪ねてもいいですか |
芥川龍之介 | ……あっ、今日は木曜日ではなかったですね |
夏目漱石 | 結構ですよ、是非いらしてください しかし、急に来るというのは珍しいですね。何かありましたか |
芥川龍之介 | 大したことではないのですが……僕や久米が初めて先生のお宅にお邪魔して、 「木曜会」に参加した日が今日でしたから。思い出したら、お話がしたくなりました |
夏目漱石 | ああ、そうでしたか。初めて家に来た日を覚えてくれているとは、なにやら照れくさいですね |
芥川龍之介 | 忘れませんよ。僕は、先生の家で過ごす木曜日が一週間の楽しみでしたから |
夏目漱石 | それは嬉しいですね でも今は昔ほど忙しくありませんから、曜日なんてこだわらずいつでも来てよいのですよ |
芥川龍之介 | ふふ、ありがとうございます けれど、やはり僕にとっては木曜日といえば先生です。だから、これからも木曜にお伺いさせてください |
夏目漱石 | そうですか。私も木曜日を楽しみにしておくことにします とはいえ、今日は特別です。初参加の記念日なのですから、曜日に関係なくいらしてください |
芥川龍之介 | それでは、お邪魔します。手土産に、羊羹をお持ちしますね |
夏目漱石 | 気を遣わなくてもいいのに……と言いたいところですが、羊羹なら是非いただきたいですね では、お茶を淹れてお待ちしています |
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佐藤春夫 | 今日は俺の最初の著作集である『病める薔薇』が刊行された日だ |
谷崎潤一郎 | 『田園の憂鬱』の元になった作品ですね こちらの刊行時点では、仕上がりに満足できず、後にやっとの思いで完成させたのですよね |
佐藤春夫 | ああ。改作前で不満もあったが、最初の著作集としてやっぱり思い入れがあるよ 『病める薔薇』では、谷崎に序文を書いてもらったな。あの時はありがとう |
谷崎潤一郎 | とんでもありません! やっとあなたの著作が世に出ると聞いたら、いてもたってもいられませんでしたから |
佐藤春夫 | そういえば、あんた、前もそんな風に言っていたな…… |
谷崎潤一郎 | 忘れてしまったのですか?春夫さん! それまでは、貴方と親密だった私が大声で褒めるのはどうかと思い、言葉を控えていましたが ようやく貴方の作品が店頭に並び、世に評価されると知ったときの、私のこの喜びがわかりますか! |
佐藤春夫 | なんだか、こっちが恥ずかしくなるくらい熱く語ってくれるなあ |
谷崎潤一郎 | 褒めずにはいられなかったのですよ! 貴方の作品は空想的に描かれた情景が繊細に描写され、病的なまでの美しさを持っています それらを見て、貴方の感性が捉える世界に私は感動したのです…… |
佐藤春夫 | (珍しく谷崎の言葉が真っ直ぐだな…… 普段は女性の脚の話ばかりしているが、本来はこんなにも文学に熱い男なんだよなぁ) |
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宮沢賢治 | 光さん、いらっしゃい! お部屋の中にどうぞ |
高村光太郎 | お邪魔します。今日はどんな会でお招きいただいたのかな? |
宮沢賢治 | まあまあ。まずは、上着を脱いでね。 |
高村光太郎 | うん? そうだね、ここは暖炉が焚いてあって暖かいからね |
宮沢賢治 | もうお外は寒い季節だからね。みんなが寒くないように準備しておいたんだ そうそう、それとね、お外から来たなら手を洗おうね |
高村光太郎 | 確かに、風邪を引きやすい季節だから予防は大事だね 手洗いとうがいをしてくるよ |
高村光太郎 | …………………… |
宮沢賢治 | 手を洗ったら、肌が乾燥するでしょう 谷崎さんにもらったクリームがあるから、光さん塗りなよ |
高村光太郎 | ……ありがとう これは、りんごの香りかな? おいしそうな、いい匂いだね |
高村光太郎 | ……さて、僕は最後に、身体に塩を塗り込めばいいのかな? |
宮沢賢治 | あははっ、バレちゃった。冗談だよ |
高村光太郎 | ふふ、今日は『注文の多い料理店』の刊行日だったね |
宮沢賢治 | えへへ。今日は僕の本を読んでほしくて、みんなを呼んだんだ。 南吉がお団子を持ってきてくれるから、一緒に食べながらどうかな? |
高村光太郎 | もちろん、いいよ。南吉くんが来るのを待って、みんなで一緒に読もうか |
宮沢賢治 | うん! ありがとう、光さん! |
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坂口安吾 | おう、三好。こっち座れよ |
三好達治 | 安吾、昼から飲んでたッスか? また堕落した生活を送ってるッスね…… |
坂口安吾 | いや、今日は特別だからな さっき聞いたんだが、今日はコイツの本の刊行日なんだってよ |
中原中也 | ゆあーん…ゆよん…… |
三好達治 | そうなんスか? 中也さんの本といえば『山羊の歌』ッスね でも本人は酔いつぶれて寝てるじゃないッスか |
坂口安吾 | 最初は元気に太宰に絡んでたが、アイツが帰ったらずいぶん大人しくなったな いまやうわ言で詩を返すだけになってるぜ |
三好達治 | うわ言で詩を返す? |
坂口安吾 | 見てろよ……おい、中也。幾時代かがありまして……? |
中原中也 | む……茶色い戦争ありました……幾時代かがありまして……冬は疾風吹きました…… |
三好達治 | 自作の詩を暗唱しはじめたッスね…… |
坂口安吾 | おもしろいだろ? さっきからこれで遊んでるんだよ。自分の詩とはいえ、よく覚えてるもんだぜ |
三好達治 | はあ、酔っ払っていても詩を忘れないのはすごいッスけど それで遊んでる安吾は暇人ッスねえ…… |
坂口安吾 | まあな。時間を無駄にしてこその堕落だろ ほら、中也。きらびやかでもないけれど……? |
中原中也 | うーん、この一本の手綱をはなさず……この陰暗の地域を過ぎる…… |
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永井荷風 | 今日は君の歌集『桐の花』が刊行された日だね 一つ気になっていたのだけれど、あれの冒頭は「桐の花とカステラの時季となつた。」で始まるが、 カステラに時季があるのかい? カステラはいつ食べても美味しいじゃないか |
北原白秋 | 桐の花の淡紫とカステラの新しい黄色さは、僕にとっては初夏の色彩なのだよ 夏に入って空気が乾き、カステラが粉っぽく感じる。その触感が何より好ましい |
永井荷風 | カステラの触感の変化か……なるほど、確かに君の詩的な感性にふさわしい表現だ |
北原白秋 | それに、僕にとってカステラは身近なもので、詩作の思いを託すにもちょうどよかった 歌集の冒頭に置く詩文の題材として「初夏のカステラ」は最適だったのだよ |
永井荷風 | 文明開化の象徴とも言われたカステラから始まることで、君のモダンな感覚が伝わったことは確かだね |
北原白秋 | わかってもらえて光栄だよ ……でも、本音を言えば好物はいつでも食べたくなる。カステラの舌触りが恋しくなってきたよ…… |
永井荷風 | いいじゃないか。初夏の感動は別として、冬にカステラを味わっても 僕が美味しいカステラを出す喫茶店を紹介しよう。今日はちょうど君の誕生日でもあるし、ごちそうするよ |
北原白秋 | おや、僕の誕生日を知っていてくれたのか。嬉しいね ではお言葉に甘えて、今日は冬のカステラをいただくとしようかな |
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萩原朔太郎 | 犀、借りてた本を返しに来たよ ……あれ、もしかして執筆してた? 邪魔しちゃったね |
室生犀星 | いや、構わんさ。さっき書いた詩を清書していただけだから。ちょっと待っててくれ |
萩原朔太郎 | えっ、詩を書いているの!? 見せて見せて |
室生犀星 | 待て待て。もう少しだから |
萩原朔太郎 | ……ふふ、ちょうど今の頃かな。実際に犀に会う前は、こうやって君が次々書く詩を楽しみにしながら、 どんな美少年が書いたのだろうって思っていたんだ |
室生犀星 | なんだよ。初めて会った時、俺がいかにも田舎者らしく残念だったって話か? それを言うなら俺だって、最初はお前を見て、お坊ちゃん育ちのいけ好かない奴と思ったさ ほら、書けたぞ |
萩原朔太郎 | 見せて。 ………うん、犀の詩だ |
室生犀星 | そりゃよかった。それにしても、あの時にがっかりしてもらっておいてよかったよ 美少年が書いたと思われてると落ち着かないからな……さ、この詩も白さんに見てもらうかな |
萩原朔太郎 | いいね。この詩なら、白秋先生も褒めてくれると思うよ |
室生犀星 | そうか? 朔のお墨付きがあれば、自信を持って白さんにも見せられるよ よし、行こうぜ! |
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国木田独歩 | おお。この木、ナラの木じゃないか |
二葉亭四迷 | そうなのか? |
国木田独歩 | ああ。秋になると葉っぱやどんぐりを落とす、落葉樹だよ ナラの木は「武蔵野」という土地にたくさん生えていたんだ |
二葉亭四迷 | 「武蔵野」……お前の著作に描かれた土地か 著作では、「武蔵野」の自然の景趣の美しさについて書いていたんだったな |
国木田独歩 | そうだ。そして、俺が武蔵野の落葉樹の美を感じられたのは、アンタのおかげなんだぜ? 俺はアンタがツルゲーネフを訳した「あひびき」を読んで、武蔵野の林の美しさを理解したんだ |
二葉亭四迷 | しかし、ツルゲーネフの訳文はロシアの景趣の話だが…… |
国木田独歩 | ロシアでも武蔵野でも、落葉林の趣きは同じだろう? アンタが訳した美しい文章が、俺に落葉林の良さを気づかせたんだよ |
二葉亭四迷 | ふむ……ロシアの景色を表した文章が、日本の一つの地域の魅力を気づかせたのか…… |
国木田独歩 | そうだ! なあ、ロシアの話をもっと聞かせてくれよ 知っている詩の引用や訳でもいい。また、おもしろい発見ができるかもしれないだろ? |
二葉亭四迷 | む……眩しいくらいの探究心だな…… ロシアにはツルゲーネフをはじめ、素晴らしい作品がたくさんある……俺の知っていることでよければ話そう |
国木田独歩 | ああ! よろしく頼んだぜ |
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田山花袋 | 今日は俺の代表作「蒲団」を収録した作品集が世に出た日だ! 白鳥は、何度か俺の作品について書いてたよな |
正宗白鳥 | ……ああ。「蒲団」という作品が文壇に与えた影響は大きかった お前があの作品で、後々の自然主義の性格を決定づけたのは間違いないだろう |
田山花袋 | 俺の作品が文壇に新たな流れを生んだって感じだな! |
正宗白鳥 | 「蒲団」はそれまでには類を見ない作風だったからな あの後は、多くの作家が「蒲団」式の小説を書いていたくらいだ |
田山花袋 | そうだな。その流れの中で出された藤村の作品は、俺も衝撃的で驚いたよ…… |
正宗白鳥 | そうだ。お前の後に続く作品は、そういったスキャンダラスな側面の強い作品ばかりだった お前が文壇に自然主義を確立した一方で、自然主義がまるで暴露小説のような風潮を呼んだことは…… |
田山花袋 | あーあー、わかったよ! 俺だってその後、ありのままの表現を描く努力をしていたさ…… 厳しいことでも正面切って言っちまうんだもんな、白鳥は |
正宗白鳥 | 俺は事実として文壇や作品の印象を述べているだけだ……お前の作品を読み続けた者の一意見だよ |
田山花袋 | そうだよな。色々言うけど、お前は俺の作品を本当にしっかり読んでくれてるんだよな |
正宗白鳥 | ……まあ、それは確かだ |
田山花袋 | どんなに厳しい意見を言われても、読んでくれるやつがいて今も俺の作品があるのは確かなんだ ありがとな、白鳥! |
正宗白鳥 | ……ふん |
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井伏鱒二 | ふう、今日はよく釣れたなあ これだけあれば、晩酌のお供には困らないな……って、おっと! |
太宰治 | うわ! すみません……って、井伏先生じゃないですか |
井伏鱒二 | ああ、太宰か。本を読みながら歩いてたのか? 俺も前方不注意だったが、前を見ないで歩くなんて危ないぞ。また芥川の本か? |
太宰治 | 違いますよ! 今日は、井伏先生の『夜ふけと梅の花』です 今日がちょうどこの本が世に出た日だったんで、手にとってみたんです |
井伏鱒二 | そうだったのか 俺の本を読んでくれるのは嬉しいが……座って落ち着いて読んでくれよ |
太宰治 | いやいや、井伏先生の本を落ち着いて読めるわけないじゃないですか! 俺は今でもこの本を読むと当時のことを思い出して、「大丈夫だ」って気になるんです! あの時の俺の鑑識眼は間違ってなかった、って |
井伏鱒二 | わかった、わかった。「落ち着いて読めない」はお前なりの、俺に対する評価なんだな |
太宰治 | そういうことです! でも確かに危ないんで、歩き読書は自室だけにしときます ……ところで、それ重そうなんで手伝いますよ? |
井伏鱒二 | ああ、忘れてた。魚を食堂に持っていくところだったんだ 今から調理してもらうから、お前も一緒に食っていけよ |
太宰治 | 本当ですか! やった! じゃあこれ運びますね。気前のいい師匠がいてよかったなー、俺! |
井伏鱒二 | はは、現金なやつだなあ…… |
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石川啄木 | へへ、少ないけど臨時収入もらっちまったぜ けど返済には足りねえし……やっぱり、あぶく銭はさっさと遊んで使っちまうのが一番だよなー |
若山牧水 | 白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ…… |
石川啄木 | ん? あそこに座ってるの、ぼっさんじゃねえか。一人でなにしてんだ……? |
若山牧水 | 別るべく なりてわかれし 後の日の このさびしさを いかに追ふべき…… |
石川啄木 | ………… |
若山牧水 | ……なーに見てんだ? 声かけりゃいいのに |
石川啄木 | 見つかっちまったか。悪いな、邪魔したか? |
若山牧水 | いいや。今日はちょうど、この歌集が世に出た日だったから、読み上げてみてただけさ 特に感傷に浸ってたわけじゃないから、気にすんなよ |
石川啄木 | そうか。……よし、決まりだ。ぼっさん、おごってやるよ! 歌集の刊行日の記念ってことで、一杯やろうぜ |
若山牧水 | お、そいつは珍しいな。せっかくだから、遠慮なく腹一杯呑ませてもらうぜ ごちそうさん! |
石川啄木 | おいおい、大した金は持ってないんだから少しは遠慮してくれよ!? |
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梶井基次郎 | うん……実にいいね。いい出来だ…… |
三好達治 | 梶、探したぞ ……何してるんだ? |
梶井基次郎 | 達治、いいところに来たね。檸檬のケーキをいただいていたのさ 自著の『檸檬』を読みながら、ね。本当に素晴らしい出来だ |
三好達治 | 檸檬のケーキ……食堂で作ってもらったのか? ケーキの味を褒めてるのか、自著を自画自賛してるのかよくわからないな…… |
梶井基次郎 | 当然どちらも、だよ ところで何か用が合って*2、僕を探していたんじゃないのかな? |
三好達治 | ああ、忘れ物を届けに来たんだ……はい 図書館の本棚にあったんだ。こんなもの置いていくの、お前しかいないだろう |
梶井基次郎 | 檸檬の果実……そういえば、そうだった 図書館の本棚にこの爆弾を仕掛けておいたんだったね |
三好達治 | こんなの、犯人がすぐわかる…… |
梶井基次郎 | フフ、じゃあ檸檬を持ってきてくれた君に、代わりのご褒美をあげよう もう一つある檸檬のケーキを、君が食べても構わないよ |
三好達治 | え、いいのか? お前が自分のものをくれるなんて珍しいじゃないか |
梶井基次郎 | いいよ……実のところ、これはもともと君のものだったしね この素晴らしい本を、どこぞを走り回って実現してくれた君にあげようと思っていたんだ |
三好達治 | ……そうか。じゃ、ありがたくいただくよ |
梶井基次郎 | ああ、いいよ……君の『檸檬』を召し上がれ |
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菊池寛 | おい直木、何やってんだ? あっちこっちに本を散らかして、足の踏み場もないぞ |
直木三十五 | ああヒロシ、よく来たな! 今、オマエの作った雑誌を読んでたんだ |
直木三十五 | 見てみろよ、「社で直木賞金と云ふやうなものを制定し、 大衆文芸の新進作家に贈らうかと思ってゐる。」なんて書いてあるんだぜ! |
菊池寛 | ……あぁ、それは確かに俺が書いたものだな 本が全く売れない時代に、賞金でも出せば、少しは雑誌の賑やかしになるかと思ってな |
直木三十五 | 文学賞で金がもらえるってところが最高だな! いつの間にかオレの名前が「直木ショー」だと思われるようになっていたもんで、 ヒロシには一発お見舞いしようと思っていたが、これを読んで見直したぜ |
菊池寛 | なんだと……俺を闇討ちするつもりだったのか |
直木三十五 | へっへっへ、大事なシャチョーにそんなことしねぇよ ヒロシは直木賞の贈呈式で、厳かにオレを褒め称えてくれりゃいいのさ 賞金と時計を忘れるなよ! 賞金が一番大事なんだからな |
菊池寛 | アンタにはやらねーよ! よく読め、「新進作家を対象に」と書いておいただろう |
直木三十五 | ケチくさいこと言うなよ。ほら、そこにまとめてある原稿持って行っていいぜ 『南国太平記』なんて目じゃない自信作だぞ |
菊池寛 | いやだから話を聞けって…… はぁ……アンタの腕は、同じ大衆文芸を書いていた俺が一番よく知っているが 自分の名前が付いた賞を欲しがるなんて、つくづく予想の上を行く奴だよ |
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新美南吉 | 今日はね、ぼくの「手袋を買いに」が載ってる本が刊行された日なんだよ |
宮沢賢治 | 「手袋を買いに」は、お母さん狐が子狐を人間の街までおつかいに行かせる話だね 南吉は狐のお話をよく書くし、狐が本当に大好きなんだね |
新美南吉 | うん。ほかにも、牛さん、犬さん、でんでんむし……お外で会える動物はみんな好きだよ でも、やっぱり狐がいちばん |
宮沢賢治 | どうして狐が一番なの? |
新美南吉 | ごんも狐だし……狐はお友達だから 狐には不思議なチカラがあって、お話ができるんだよ。だからお友達になれるんだ |
宮沢賢治 | 狐は特別に神秘的な動物だからね。僕も狐が大好きだよ |
新美南吉 | でもみんなは、狐がいたずら者だって嫌うから…… だから、狐が本当はいたずら者なだけじゃないって知ってほしくて、狐のお話を書いたんだよ |
宮沢賢治 | そうだったんだね。南吉のお話に出てくる狐は、優しいところも、かわいいところもあるもの きっとみんな、南吉のお話を読んだら狐のことが大好きになっちゃうよ |
新美南吉 | ふふふ、本当かなあ。そうだったらいいな。みんなが狐を大好きになったらいいなあ…… |
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島崎藤村 | 今日は秋声の『あらくれ』刊行された日だね この小説で描かれるような「あらくれた」生き方は、秋声自身は好きじゃなさそうだよね…… |
島崎藤村 | ねえ、秋声にとっての日常ってどんなものなの? |
徳田秋声 | 急に言われても困るんだけど…… まあ、そうだね。僕にとっての日常は、平凡で穏やかな日々のことかな |
島崎藤村 | ふうん。秋声にはそんな日はなさそうだけどね |
徳田秋声 | そんなことはないよ 僕は、平穏な毎日を送れている……と思うけど |
島崎藤村 | 本当かな。昨日はどうだった? |
徳田秋声 | いや、昨日は紅葉先生が、急に美味しい最中が食べたいなんて言うから…… 甘いものに詳しい夏目さんや森さんに聞いたり、街に出たり、探し回って忙しかったんだよ |
島崎藤村 | そう。じゃあ、一昨日は? |
徳田秋声 | 一昨日はオダサクさんと話していたら、そのうち無頼派三羽烏が集まったから、勢いに飲まれて 一緒に飲みに行ったんだ。楽しかったけど、堕落談義だとか言ってたくさん話をして、ちょっと疲れたよ |
島崎藤村 | へえ。それで、今日は? |
徳田秋声 | 今日は君の「地味な秋声を応援する会」に謎の応援会を開かれたね…… |
島崎藤村 | ああ、そうだった。 それで、昨日、一昨日、そして今日が、特別に忙しかっただけ? |
徳田秋声 | いや……はあ、おかしいな。僕の平穏な日常はどこにあるのだろう |
島崎藤村 | 僕が秋声を密着取材をすれば教えてあげられるかもしれないよ |
徳田秋声 | やめてくれ、いよいよ僕の日常が穏やかではないと認めてしまいそうだから…… |
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直木三十五 | そういや、お前たちが『文藝時代』を刊行したのは今日だったな |
横光利一 | ああ。『文藝時代』をきっかけに、手前らは「新感覚派」と名乗るようになった |
直木三十五 | 「新感覚派の誕生」ってか 気になっていたんだけどよ、お前ら今も新感覚新感覚って言っているよな? その「新感覚」ってどういう意味なんだ? |
横光利一 | ふむ、そうだな……手前らにとって、新感覚とは衝撃、そして感動だ 今まで空だと信じて疑わなかったものが、崩れだすようなことを言う |
川端康成 | 崩れた空が屋根だったと気づいたことで、その先に広がる空を疑う視野を持つ、ということですね…… 強い衝撃は常識を破り、思想を塗りつぶす大波として打ち寄せます…… |
直木三十五 | ややこしい表現だな…… じゃあ例えば、どういったものを新感覚と言うんだ? |
横光利一 | 例えるならば、夏に食べたかき氷がそうだった。砕いた氷のガラス細工のような美しさ、 無枠に食わせば頭の奥で蝉が鳴き、眺めていれば脆く溶け出す儚さ……全てが未知の感動だ |
川端康成 | ええ、まさに……刹那の楼閣はかくも驚きに満ちたものであることか、と…… |
直木三十五 | そんなに気に入ってんだな……かき氷…… |
川端康成 | 良い壺を見つけたときもそうでした……古代風の文様が、近代的な感性のもとに吹き返し…… 気が付くと、見慣れたはずのものも意味を違えて、生まれ変わったかのような衝撃です…… |
横光利一 | ああ、そうだ……既にあるものに、新感覚がないとも限らない 魅力を秘めていた骨董品がある日突然沈黙を破り、語りだすこともある |
川端康成 | はい……はい、その通りです…… |
直木三十五 | いやいや、お前らがわかりあっててどうすんだよ オレには全っ然わからねーよ! |
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尾崎紅葉 | おうい、鏡花よ。まだか |
泉鏡花 | 失礼しました!お待たせしてすみません、紅葉先生 |
尾崎紅葉 | 謝らずともよい。それより、出かけるときはいつも先に待っておるのに 今日はどうしたのだ |
泉鏡花 | 実は、暦を見ておりました 今日は、僕が初めて紅葉先生のお宅を訪ねた日だったので、昔のことが懐かしく思えて…… |
尾崎紅葉 | ほう、今日がその日だったのか。思えば、弟子入りに来た時には玄関番を任せたのだったな 最初は見知らぬ食い物を、変わった匂いがするから腐っていると思った、と言うのには驚いた |
泉鏡花 | お恥ずかしい限りです……初めはものを知らない小僧でしたから、色々とご迷惑をかけました 今の僕はあるのは、先生のご指導のおかげです |
尾崎紅葉 | 本当に、よくここまで育ったものだな |
泉鏡花 | ありがたいお言葉です。あの日、先生の家の門を叩いたときから僕の人生が始まった気がしています 僕は今、先生の弟子でいられて誇らしいです |
尾崎紅葉 | そうか……あの日がなければ、今もなかったか 人生とは、数奇なものよな。我も感慨深い |
+
芥川龍之介 | 先生。今日は部屋を訪ねてもいいですか |
芥川龍之介 | ……あっ、今日は木曜日ではなかったですね |
夏目漱石 | 結構ですよ、是非いらしてください しかし、急に来るというのは珍しいですね。何かありましたか |
芥川龍之介 | 大したことではないのですが……僕や久米が初めて先生のお宅にお邪魔して、 「木曜会」に参加した日が今日でしたから。思い出したら、お話がしたくなりました |
夏目漱石 | ああ、そうでしたか。初めて家に来た日を覚えてくれているとは、なにやら照れくさいですね |
芥川龍之介 | 忘れませんよ。僕は、先生の家で過ごす木曜日が一週間の楽しみでしたから |
夏目漱石 | それは嬉しいですね でも今は昔ほど忙しくありませんから、曜日なんてこだわらずいつでも来てよいのですよ |
芥川龍之介 | ふふ、ありがとうございます けれど、やはり僕にとっては木曜日といえば先生です。だから、これからも木曜にお伺いさせてください |
夏目漱石 | そうですか。私も木曜日を楽しみにしておくことにします とはいえ、今日は特別です。初参加の記念日なのですから、曜日に関係なくいらしてください |
芥川龍之介 | それでは、お邪魔します。手土産に、羊羹をお持ちしますね |
夏目漱石 | 気を遣わなくてもいいのに……と言いたいところですが、羊羹なら是非いただきたいですね では、お茶を淹れてお待ちしています |
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佐藤春夫 | 今日は俺の最初の著作集である『病める薔薇』が刊行された日だ |
谷崎潤一郎 | 『田園の憂鬱』の元になった作品ですね こちらの刊行時点では、仕上がりに満足できず、後にやっとの思いで完成させたのですよね |
佐藤春夫 | ああ。改作前で不満もあったが、最初の著作集としてやっぱり思い入れがあるよ 『病める薔薇』では、谷崎に序文を書いてもらったな。あの時はありがとう |
谷崎潤一郎 | とんでもありません! やっとあなたの著作が世に出ると聞いたら、いてもたってもいられませんでしたから |
佐藤春夫 | そういえば、あんた、前もそんな風に言っていたな…… |
谷崎潤一郎 | 忘れてしまったのですか?春夫さん! それまでは、貴方と親密だった私が大声で褒めるのはどうかと思い、言葉を控えていましたが ようやく貴方の作品が店頭に並び、世に評価されると知ったときの、私のこの喜びがわかりますか! |
佐藤春夫 | なんだか、こっちが恥ずかしくなるくらい熱く語ってくれるなあ |
谷崎潤一郎 | 褒めずにはいられなかったのですよ! 貴方の作品は空想的に描かれた情景が繊細に描写され、病的なまでの美しさを持っています それらを見て、貴方の感性が捉える世界に私は感動したのです…… |
佐藤春夫 | (珍しく谷崎の言葉が真っ直ぐだな…… 普段は女性の脚の話ばかりしているが、本来はこんなにも文学に熱い男なんだよなぁ) |
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宮沢賢治 | 光さん、いらっしゃい! お部屋の中にどうぞ |
高村光太郎 | お邪魔します。今日はどんな会でお招きいただいたのかな? |
宮沢賢治 | まあまあ。まずは、上着を脱いでね。 |
高村光太郎 | うん? そうだね、ここは暖炉が焚いてあって暖かいからね |
宮沢賢治 | もうお外は寒い季節だからね。みんなが寒くないように準備しておいたんだ そうそう、それとね、お外から来たなら手を洗おうね |
高村光太郎 | 確かに、風邪を引きやすい季節だから予防は大事だね 手洗いとうがいをしてくるよ |
高村光太郎 | …………………… |
宮沢賢治 | 手を洗ったら、肌が乾燥するでしょう 谷崎さんにもらったクリームがあるから、光さん塗りなよ |
高村光太郎 | ……ありがとう これは、りんごの香りかな? おいしそうな、いい匂いだね |
高村光太郎 | ……さて、僕は最後に、身体に塩を塗り込めばいいのかな? |
宮沢賢治 | あははっ、バレちゃった。冗談だよ |
高村光太郎 | ふふ、今日は『注文の多い料理店』の刊行日だったね |
宮沢賢治 | えへへ。今日は僕の本を読んでほしくて、みんなを呼んだんだ。 南吉がお団子を持ってきてくれるから、一緒に食べながらどうかな? |
高村光太郎 | もちろん、いいよ。南吉くんが来るのを待って、みんなで一緒に読もうか |
宮沢賢治 | うん! ありがとう、光さん! |
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坂口安吾 | おう、三好。こっち座れよ |
三好達治 | 安吾、昼から飲んでたッスか? また堕落した生活を送ってるッスね…… |
坂口安吾 | いや、今日は特別だからな さっき聞いたんだが、今日はコイツの本の刊行日なんだってよ |
中原中也 | ゆあーん…ゆよん…… |
三好達治 | そうなんスか? 中也さんの本といえば『山羊の歌』ッスね でも本人は酔いつぶれて寝てるじゃないッスか |
坂口安吾 | 最初は元気に太宰に絡んでたが、アイツが帰ったらずいぶん大人しくなったな いまやうわ言で詩を返すだけになってるぜ |
三好達治 | うわ言で詩を返す? |
坂口安吾 | 見てろよ……おい、中也。幾時代かがありまして……? |
中原中也 | む……茶色い戦争ありました……幾時代かがありまして……冬は疾風吹きました…… |
三好達治 | 自作の詩を暗唱しはじめたッスね…… |
坂口安吾 | おもしろいだろ? さっきからこれで遊んでるんだよ。自分の詩とはいえ、よく覚えてるもんだぜ |
三好達治 | はあ、酔っ払っていても詩を忘れないのはすごいッスけど それで遊んでる安吾は暇人ッスねえ…… |
坂口安吾 | まあな。時間を無駄にしてこその堕落だろ ほら、中也。きらびやかでもないけれど……? |
中原中也 | うーん、この一本の手綱をはなさず……この陰暗の地域を過ぎる…… |
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永井荷風 | 今日は君の歌集『桐の花』が刊行された日だね 一つ気になっていたのだけれど、あれの冒頭は「桐の花とカステラの時季となつた。」で始まるが、 カステラに時季があるのかい? カステラはいつ食べても美味しいじゃないか |
北原白秋 | 桐の花の淡紫とカステラの新しい黄色さは、僕にとっては初夏の色彩なのだよ 夏に入って空気が乾き、カステラが粉っぽく感じる。その触感が何より好ましい |
永井荷風 | カステラの触感の変化か……なるほど、確かに君の詩的な感性にふさわしい表現だ |
北原白秋 | それに、僕にとってカステラは身近なもので、詩作の思いを託すにもちょうどよかった 歌集の冒頭に置く詩文の題材として「初夏のカステラ」は最適だったのだよ |
永井荷風 | 文明開化の象徴とも言われたカステラから始まることで、君のモダンな感覚が伝わったことは確かだね |
北原白秋 | わかってもらえて光栄だよ ……でも、本音を言えば好物はいつでも食べたくなる。カステラの舌触りが恋しくなってきたよ…… |
永井荷風 | いいじゃないか。初夏の感動は別として、冬にカステラを味わっても 僕が美味しいカステラを出す喫茶店を紹介しよう。今日はちょうど君の誕生日でもあるし、ごちそうするよ |
北原白秋 | おや、僕の誕生日を知っていてくれたのか。嬉しいね ではお言葉に甘えて、今日は冬のカステラをいただくとしようかな |
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萩原朔太郎 | 犀、借りてた本を返しに来たよ ……あれ、もしかして執筆してた? 邪魔しちゃったね |
室生犀星 | いや、構わんさ。さっき書いた詩を清書していただけだから。ちょっと待っててくれ |
萩原朔太郎 | えっ、詩を書いているの!? 見せて見せて |
室生犀星 | 待て待て。もう少しだから |
萩原朔太郎 | ……ふふ、ちょうど今の頃かな。実際に犀に会う前は、こうやって君が次々書く詩を楽しみにしながら、 どんな美少年が書いたのだろうって思っていたんだ |
室生犀星 | なんだよ。初めて会った時、俺がいかにも田舎者らしく残念だったって話か? それを言うなら俺だって、最初はお前を見て、お坊ちゃん育ちのいけ好かない奴と思ったさ ほら、書けたぞ |
萩原朔太郎 | 見せて。 ………うん、犀の詩だ |
室生犀星 | そりゃよかった。それにしても、あの時にがっかりしてもらっておいてよかったよ 美少年が書いたと思われてると落ち着かないからな……さ、この詩も白さんに見てもらうかな |
萩原朔太郎 | いいね。この詩なら、白秋先生も褒めてくれると思うよ |
室生犀星 | そうか? 朔のお墨付きがあれば、自信を持って白さんにも見せられるよ よし、行こうぜ! |
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国木田独歩 | おお。この木、ナラの木じゃないか |
二葉亭四迷 | そうなのか? |
国木田独歩 | ああ。秋になると葉っぱやどんぐりを落とす、落葉樹だよ ナラの木は「武蔵野」という土地にたくさん生えていたんだ |
二葉亭四迷 | 「武蔵野」……お前の著作に描かれた土地か 著作では、「武蔵野」の自然の景趣の美しさについて書いていたんだったな |
国木田独歩 | そうだ。そして、俺が武蔵野の落葉樹の美を感じられたのは、アンタのおかげなんだぜ? 俺はアンタがツルゲーネフを訳した「あひびき」を読んで、武蔵野の林の美しさを理解したんだ |
二葉亭四迷 | しかし、ツルゲーネフの訳文はロシアの景趣の話だが…… |
国木田独歩 | ロシアでも武蔵野でも、落葉林の趣きは同じだろう? アンタが訳した美しい文章が、俺に落葉林の良さを気づかせたんだよ |
二葉亭四迷 | ふむ……ロシアの景色を表した文章が、日本の一つの地域の魅力を気づかせたのか…… |
国木田独歩 | そうだ! なあ、ロシアの話をもっと聞かせてくれよ 知っている詩の引用や訳でもいい。また、おもしろい発見ができるかもしれないだろ? |
二葉亭四迷 | む……眩しいくらいの探究心だな…… ロシアにはツルゲーネフをはじめ、素晴らしい作品がたくさんある……俺の知っていることでよければ話そう |
国木田独歩 | ああ! よろしく頼んだぜ |
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田山花袋 | 今日は俺の代表作「蒲団」を収録した作品集が世に出た日だ! 白鳥は、何度か俺の作品について書いてたよな |
正宗白鳥 | ……ああ。「蒲団」という作品が文壇に与えた影響は大きかった お前があの作品で、後々の自然主義の性格を決定づけたのは間違いないだろう |
田山花袋 | 俺の作品が文壇に新たな流れを生んだって感じだな! |
正宗白鳥 | 「蒲団」はそれまでには類を見ない作風だったからな あの後は、多くの作家が「蒲団」式の小説を書いていたくらいだ |
田山花袋 | そうだな。その流れの中で出された藤村の作品は、俺も衝撃的で驚いたよ…… |
正宗白鳥 | そうだ。お前の後に続く作品は、そういったスキャンダラスな側面の強い作品ばかりだった お前が文壇に自然主義を確立した一方で、自然主義がまるで暴露小説のような風潮を呼んだことは…… |
田山花袋 | あーあー、わかったよ! 俺だってその後、ありのままの表現を描く努力をしていたさ…… 厳しいことでも正面切って言っちまうんだもんな、白鳥は |
正宗白鳥 | 俺は事実として文壇や作品の印象を述べているだけだ……お前の作品を読み続けた者の一意見だよ |
田山花袋 | そうだよな。色々言うけど、お前は俺の作品を本当にしっかり読んでくれてるんだよな |
正宗白鳥 | ……まあ、それは確かだ |
田山花袋 | どんなに厳しい意見を言われても、読んでくれるやつがいて今も俺の作品があるのは確かなんだ ありがとな、白鳥! |
正宗白鳥 | ……ふん |
+
井伏鱒二 | ふう、今日はよく釣れたなあ これだけあれば、晩酌のお供には困らないな……って、おっと! |
太宰治 | うわ! すみません……って、井伏先生じゃないですか |
井伏鱒二 | ああ、太宰か。本を読みながら歩いてたのか? 俺も前方不注意だったが、前を見ないで歩くなんて危ないぞ。また芥川の本か? |
太宰治 | 違いますよ! 今日は、井伏先生の『夜ふけと梅の花』です 今日がちょうどこの本が世に出た日だったんで、手にとってみたんです |
井伏鱒二 | そうだったのか 俺の本を読んでくれるのは嬉しいが……座って落ち着いて読んでくれよ |
太宰治 | いやいや、井伏先生の本を落ち着いて読めるわけないじゃないですか! 俺は今でもこの本を読むと当時のことを思い出して、「大丈夫だ」って気になるんです! あの時の俺の鑑識眼は間違ってなかった、って |
井伏鱒二 | わかった、わかった。「落ち着いて読めない」はお前なりの、俺に対する評価なんだな |
太宰治 | そういうことです! でも確かに危ないんで、歩き読書は自室だけにしときます ……ところで、それ重そうなんで手伝いますよ? |
井伏鱒二 | ああ、忘れてた。魚を食堂に持っていくところだったんだ 今から調理してもらうから、お前も一緒に食っていけよ |
太宰治 | 本当ですか! やった! じゃあこれ運びますね。気前のいい師匠がいてよかったなー、俺! |
井伏鱒二 | はは、現金なやつだなあ…… |
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石川啄木 | へへ、少ないけど臨時収入もらっちまったぜ けど返済には足りねえし……やっぱり、あぶく銭はさっさと遊んで使っちまうのが一番だよなー |
若山牧水 | 白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ…… |
石川啄木 | ん? あそこに座ってるの、ぼっさんじゃねえか。一人でなにしてんだ……? |
若山牧水 | 別るべく なりてわかれし 後の日の このさびしさを いかに追ふべき…… |
石川啄木 | ………… |
若山牧水 | ……なーに見てんだ? 声かけりゃいいのに |
石川啄木 | 見つかっちまったか。悪いな、邪魔したか? |
若山牧水 | いいや。今日はちょうど、この歌集が世に出た日だったから、読み上げてみてただけさ 特に感傷に浸ってたわけじゃないから、気にすんなよ |
石川啄木 | そうか。……よし、決まりだ。ぼっさん、おごってやるよ! 歌集の刊行日の記念ってことで、一杯やろうぜ |
若山牧水 | お、そいつは珍しいな。せっかくだから、遠慮なく腹一杯呑ませてもらうぜ ごちそうさん! |
石川啄木 | おいおい、大した金は持ってないんだから少しは遠慮してくれよ!? |
+
内容 |
芥川龍之介 | 太宰くん。ここ空いてる? |
太宰治 | は……はい! どうぞどうぞ! お座りください! |
芥川龍之介 | ありがとう。今日はコロッケ? |
太宰治 | ええ、カニのコロッケなんですよ! カニは好物なんで嬉しいです |
芥川龍之介 | 食堂のカニのコロッケ、美味しいよね |
太宰治 | そうですね! これなら身の痩せたカニも美味しく食べられます |
芥川龍之介 | え? 食堂のコロッケに入っているカニも、十分美味しいと思うけど…… |
太宰治 | 先生! 芥川大先生ともあろうお方が、カニの本当の美味しさをご存じないのですか!? |
このコロッケは美味しいけど、こんなものは本当のカニじゃありません 俺が生まれ育った津軽では、それはもう超絶美味いカニが食べられるんですよ!! トゲクリガニっていうんですけど! |
芥川龍之介 | へえ……トゲクリガニ。そこまで言われたら、一度食べてみたくなるね |
太宰治 | でしょでしょう!? ぜひ津軽に来てください! 最高のトゲクリガニを山盛りご馳走しますから! |
芥川龍之介 | うん。太宰くんの話を聞いて興味が出てきたよ |
太宰治 | トゲクリガニはわっためぇはんで、芥川先生一度食ったっきゃ忘れられねぐなってまるがも |
芥川龍之介 | ……え? 君、今…… |
太宰治 | あっああああああっ! 一生の不覚だ……! どうか、今のは忘れてください!! |
すみません俺失礼します! |
芥川龍之介 | ………… |
……太宰くんがフランス語を話せるなんて知らなかったな そうだ……彼ならフランス文学の話を聞かせてくれるかも 今度訊いてみよう |
+
内容 |
島崎藤村 | ……今日は、鳥の唐揚げ…… |
徳田秋声 | 君の分、そこにあるよ。早く食べなよ。冷めちゃうから |
島崎藤村 | あ、うん……ありがとう |
……ねえ秋声、鶏を絞めた後にさ…… |
徳田秋声 | その話待った。……嫌な予感がする 島崎、食事中に生々しい話はダメだ。食欲がなくなるから。いいね? |
島崎藤村 | ……分かった。別の話にするね |
徳田秋声 | そうしてくれ |
島崎藤村 | うん。じゃあ……この唐揚げってなんの肉が使われていると思う? |
徳田秋声 | 何言ってるんだよ。若鶏の唐揚げってメニューに書いてあるし 自分でもそう言っていただろう |
島崎藤村 | 僕は鳥の唐揚げって言ったんだよ |
徳田秋声 | ニワトリだよ。美味しいニワトリの肉。それ以外ありえない |
島崎藤村 | それは秋声の思い込みで、別の鳥かもしれないよ ツグミとかウズラとか、シギかも…… |
徳田秋声 | ツグミは僕の好物だから、食べればすぐ気づくよ この唐揚げは絶対に山鳥じゃない |
島崎藤村 | あっそうだ……そもそも鳥じゃない可能性もある カエルの肉は鶏肉によく似ているっていうし、カエルかも…… |
徳田秋声 | やめてくれよ、ちょっと考えちゃったじゃないか カエルじゃないよ! どうして君はそういうことを言うのか…… |
島崎藤村 | 思い込みを捨てて考えを巡らせてみれば、面白い発見があるかと思って |
徳田秋声 | 君の自由な発想は否定しないよ。でもその発見は胸にしまっておいてほしい 一緒に食卓を囲む人への礼儀として |
島崎藤村 | 秋声、意外と注文多いね…… |
+
内容 |
坂口安吾 | 待たせたな! 図書館名物、安吾鍋だ! |
織田作之助 | 勝手に名物に加えなや。ほんで、今日はあんこう鍋やろ? |
坂口安吾 | いや、安吾鍋だ |
太宰治 | なんでもいいよ。腹減ったから、早く食べさせてくれ |
坂口安吾 | 今回は出汁にこだわってみたんだ。あんこうのうま味を存分に引き出してくれる 究極の出汁とはなにか、これまでの固定観念を捨てて考えてみた そして俺は、味噌以外の素材を探しに北海道に向かった…… |
織田作之助 | 安吾、はよ食べようや。冷めてまうわ |
坂口安吾 | おいおい……この出汁を取るためにめちゃくちゃ苦労したんだから、もう少し聞いてくれよ 北海道の利尻昆布を手に入れるために紆余曲折あって熊と格闘した話とか…… |
太宰治 | えっそうなの!? |
織田作之助 | いやなんで信用すんねん。絶対嘘やん、なんで熊が昆布を奪おうとすんねん 熊的に美味しいもんやないやろ! |
坂口安吾 | あっ違った。かつお節を作ってる最中に虎に襲われてかつお節を奪われかけたんだった |
太宰治 | 北海道ヤバいじゃん……安吾よく無事だったな |
織田作之助 | 北海道に色々責任押し付けすぎやろ。怒られんで |
坂口安吾 | そういう数々の試練を乗り越えて出来た……安吾鍋改めあんこうの雑炊だ! |
織田作之助 | しかも雑炊かい!! 身は何処へ行ったんや 身から皮から食べられへんとこないのがあんこうなんやろ!? なんで米しか入っとらんねん! |
太宰治 | よく見るとちっちゃい身がちょっと入ってる。……うん、味は美味い! |
坂口安吾 | いやー……そうなんだよ。出汁が美味すぎて、味見の時に食い過ぎちまった これは危険な鍋だぞ…… |
織田作之助 | はー……ツッコミの手が足らん。誰か中也クン呼んで! |
+
内容 |
太宰治 | はむはむっ、もぐっ |
中原中也 | モモノハナ野郎、美味そうに食うじゃねえか |
太宰治 | ……ゴクッ。なんか、牛めしって美味しくてがっついちゃうんだよね |
中原中也 | そうだな。俺もよく飲んだ後の夜食に食ってるからわかるぜ 食いたくなったらサクッと食えるのもいいよな |
太宰治 | こういうのを、ちまたではファストフードって言うらしいよ |
中原中也 | へぇ、早い飯か……今のお前見てると納得だわ |
太宰治 | それはなんか違う気が…………ムグッ |
ゲホッゲホッ |
中原中也 | どうしたんだ? |
太宰治 | 米粒がっ、喉にっ……ゲホッ |
中原中也 | あっはっは! 丼もの食うの下手だなあ……ここはひとつ思いっきりやってやるよ! |
| バンバンッ |
太宰治 | ぐあっ! 痛い痛い痛い、中也やめて、もういいから! |
+
梶井基次郎 | うん……実にいいね。いい出来だ…… |
三好達治 | 梶、探したぞ ……何してるんだ? |
梶井基次郎 | 達治、いいところに来たね。檸檬のケーキをいただいていたのさ 自著の『檸檬』を読みながら、ね。本当に素晴らしい出来だ |
三好達治 | 檸檬のケーキ……食堂で作ってもらったのか? ケーキの味を褒めてるのか、自著を自画自賛してるのかよくわからないな…… |
梶井基次郎 | 当然どちらも、だよ ところで何か用が合って*3、僕を探していたんじゃないのかな? |
三好達治 | ああ、忘れ物を届けに来たんだ……はい 図書館の本棚にあったんだ。こんなもの置いていくの、お前しかいないだろう |
梶井基次郎 | 檸檬の果実……そういえば、そうだった 図書館の本棚にこの爆弾を仕掛けておいたんだったね |
三好達治 | こんなの、犯人がすぐわかる…… |
梶井基次郎 | フフ、じゃあ檸檬を持ってきてくれた君に、代わりのご褒美をあげよう もう一つある檸檬のケーキを、君が食べても構わないよ |
三好達治 | え、いいのか? お前が自分のものをくれるなんて珍しいじゃないか |
梶井基次郎 | いいよ……実のところ、これはもともと君のものだったしね この素晴らしい本を、どこぞを走り回って実現してくれた君にあげようと思っていたんだ |
三好達治 | ……そうか。じゃ、ありがたくいただくよ |
梶井基次郎 | ああ、いいよ……君の『檸檬』を召し上がれ |
+
室生犀星 | 朔はオムレツが好きだったよな……オムレツを食べる詩もあったし |
萩原朔太郎 | うん……偶然見つけたカフェで静かに食べたのが心に残ったから、その体験を元に詩を作ったんだ |
私はゆつたりとふほふくを取つて おむれつ ふらいの類を喰べた。 |
室生犀星 | 空には白い雲が浮んで たいそう閑雅な食慾である。 |
閑雅な食欲か……いい表現だ |
景色を見ながら風流にっていう日常とは離れた感情に 食欲っていう慣れ親しんだ感覚を取り入れている、というわけだな |
萩原朔太郎 | 犀に褒められた……ありがとう、嬉しいよ |
室生犀星 | はは……よし、今日はいい天気だし、窓際の席で食べようぜ! |
萩原朔太郎 | うん、いいね……外を見ながら、ゆったりと食べよう |
+
谷崎潤一郎 | はむ…… |
芥川龍之介 | おや…… |
谷崎潤一郎 | どうかしましたか? 龍之介さん |
芥川龍之介 | いいや……器用な手付きで優雅にカツサンドを口に運んでいる、まるで小説の一場面みたいだと思って |
谷崎潤一郎 | あら……お褒めいただいて恐縮です 食事を、小説でいかに妖しく艶かしく描くか……そんなことを考えながら食べていたからでしょうか |
芥川龍之介 | なるほど、想像した所作を無意識に実践していたんだ たしかに小説における食事の場面は、食べる人の性格や美しさを効果的に見せられるからね…… |
谷崎潤一郎 | ええ、まさに私もそう考えています…… 食べるという身近さゆえに、簡単なことではないですけれど |
美女が皿へ手を伸ばし、食べ物を掴んで口へ、箸で食べるときよりも大きく開けながら…… |
はむ…… |
フフ、いいですね…… |
芥川龍之介 | ふふ……想像のお邪魔するのも悪いし、僕はあちらで食べるとしようか |
+
島崎藤村 | くんくん……とてもいい匂いがする |
あ、秋声……それは七輪? 何を焼いているの |
徳田秋声 | お餅だよ。今、ちょうどお餅が焼けてお汁粉が完成したところだ |
島崎藤村 | へぇ……七輪を持ち出してって、本格的だね。それでお餅を焼いていたわけだ |
徳田秋声 | うん、煮てトロリとしたお餅もなめらかで悪くないけど、僕は断然焼いたほうが好きなんだ だから面倒でもこうやって一手間加えてるんだよ。焼けるまでじっと待つのも嫌いじゃないしね |
島崎藤村 | ふむふむ、餅が膨らむのを眺めて、お汁粉への期待も膨らませる……と |
徳田秋声 | 焼きたてのお餅をお汁粉に入れる。すると「ジュッ」っていう音がするんだよね これがまた食欲をそそるんだ |
島崎藤村 | なるほど……その音は、待ちに待ったお汁粉の完成を告げる音なんだ |
徳田秋声 | そのとおり。こんがり焼いた香ばしさも相まって、さあ食べるぞ、と気合が入るんだよ |
島崎藤村 | さすが秋声、地味な……ううん、さりげない食レポが上手だね ……僕も食べたくなってきたよ |
徳田秋声 | それなら……はい、お餅をあげるよ |
島崎藤村 | えっと……これ、生のお餅だけど…… |
徳田秋声 | 取材もいいけどさ、たまには実際に体験してみるといいよ |
島崎藤村 | ……うん、そうだね。やってみるよ |
+
太宰治 | 春夫先生、何してるんですか? |
佐藤春夫 | ちょっと羊羹をな……太宰、ひとつ食べるか? |
太宰治 | いいんですか! じゃさっそく……いっただっきまーす |
うまい! やっぱり羊羹はおいしいですね。いくらでも食べられちゃいますよ |
佐藤春夫 | お前も羊羹が好きか。じゃあ……俺の秘蔵の羊羹を食べさせてやろう |
太宰治 | いいんですか? じゃ、お言葉に甘えて! |
これは……練り羊羹ですね。……おいしー! でも、いつもと食感が違うような |
佐藤春夫 | ああ、ここ数日戸棚に置いておいたんだ 空気に晒すことで、水分が抜けて砂糖の食感が味わえるようになる、というわけさ |
太宰治 | なるほど、カリッとした外側、そしてしっとりした内側…… 一口食べるごとに変化が味わえて、たまんないですね |
佐藤春夫 | そうだろう? 今はどのくらい置いておくのが一番美味しいのか、試しているところなんだ |
太宰治 | よく見たら羊羹が沢山並んでる……春夫先生、羊羹が好きなんですね |
佐藤春夫 | ああ。これは三日置いたもの、それは五日置いたものだ |
ふむ……五日置いてこの感触。これなら、一週間くらい寝かせてもいいな |
もっと小さく切って一口サイズにしてから置いても…… いやいっそ、ミキサーで混ぜればこの触感は…… |
太宰治 | えっ、ミキサー? いやそこまでしなくても……というかそれもはやお汁粉では…… |
+
堀辰雄 | 食堂のライスカレー、とっても美味しいです! 本当に毎日カレーでもいいやって思うくらいですよ |
久米正雄 | そうですね…… |
堀辰雄 | あれ、どうかしましたか? |
久米正雄 | いえ、ちょっと気になってしまって。その福神漬け……残しちゃうんですか? |
堀辰雄 | いえいえ、これからですよ。僕は最後にいただくことにしているんです |
カレーに混ぜて食べるよりは、最後に福神漬けだけでいただこうと思って |
久米正雄 | そうなんですね。最後にちんまりと残された福神漬けが、どうにも哀れに見えていたので…… 福神漬けは堀君に求められてなかったのかと…… |
堀辰雄 | 久米さん、福神漬けに同情してたんですね…… |
確かに、福神漬けを残してしまう人もいますね。僕はむしろ、積極的に残してるんです たまにルーが無くなってご飯だけが残ってしまう。そんな時の保険にしているんですよ |
久米正雄 | なるほど……僕はカレーと一緒に食べていたからわかりませんでしたが そういう食べ方もあるんですね |
堀辰雄 | ふふ、だから安心してください。これで……完食です。ごちそうさまでした |
+
芥川龍之介 | ……うん、お揚げが甘くて美味しいね |
菊池寛 | ん、今日のきつねうどんはいつもと少し違うな…… |
芥川龍之介 | え、そう? いつもと同じだと思うけど |
菊池寛 | いや、出汁が違うな。今日のものは……煮干しだけじゃなく、かつおも使っているな |
芥川龍之介 | そう言われてみればそうかな……そうかも、たぶん |
菊池寛 | わかってないな…… |
芥川龍之介 | だって、前に食べたうどんの味なんて覚えているわけないでしょ 寛くらいうどんが好きならわかるのかもしれないけどさ |
菊池寛 | そうか……うどんの出汁の違いくらい普通わかると思ったが |
芥川龍之介 | そんなわけないよ……今度ためしてみる? 食堂の人にいろんな出汁でうどんを作ってもらうんだ |
それでみんなで利きうどんをする 昆布、にぼし、かつお……どれをどれだけ使っているか当てる |
全部分かる人は寛くらいだよ。僕はきっと、全部同じだって言うな |
菊池寛 | 全部同じって……さすがにそれはないだろう ……いや、鰤と鯖の区別もつかない 食べ物どころか醤油差しとインク瓶を間違えたことのある龍なら、ありえるか? |
芥川龍之介 | そうでしょ? えへん |
菊池寛 | なんで自信満々で嬉しそうなんだよ…… |
+
太宰治 | あれ、ケーキだ。今日は誰かの誕生日っていうわけじゃないよな? |
館長 | ああ。いつものショートケーキの改良版を作ったそうだ。君も試食するか? |
太宰治 | いいの? それじゃお言葉に甘えて……うまっ |
てか、このケーキ、誕生日に図書館からもらえるケーキだよな |
館長 | そうだ、言わば図書館の福利厚生だな |
太宰治 | 毎回美味いなーって思ってたんだけどさ、誰が作ってるんだ? |
館長 | お菓子作りが上手な食堂の料理人が作っている 人によっては友人のためにケーキを作ってあげたいという申し出があるから その時は任せているな |
ちなみに年によってケーキの種類も違う、今回のようにショートケーキなこともあれば チョコレートケーキのときもある。贈る側も工夫を凝らしてくれているんだよ |
太宰治 | あっ、そうだったの? でも納得だわ……美味いもん |
食堂に行くと、今日は誰か誕生日のやつはいないのか? ってなるんだよな |
館長 | 司書にとってもこのケーキは特別なもののようだ。その日が近づいてくるのを楽しみにしている 俺も受け取る側の君たちが楽しみにしてくれていると聞いて嬉しいよ |
そういう意味でも、ケーキは文豪の誕生日に欠かせない 文豪の誕生日当日にしか渡せないから、忘れないようにしないとな |
太宰治 | だな! 俺もオダサクや安吾の誕生日は盛大に祝ってやろう |
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館長 | 先月はご苦労。こないだアカとアオからあれこれ要求された 君も彼らの要求で困ってないだろうか 俺から注意しておくから教えてくれ |
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館長 | ご苦労だったな!本格的に寒さが身に染みて鍋が美味しくなる季節だ アオがいると毎回辛い味付けの鍋にされてしまうんだ たまには他の味付けの鍋も食べたいものだな |
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館長 | 先月もご苦労だった。今月は12月、師走だ 年内に済ませておかなければいけない事はたくさんある 君の力があってこその図書館だ。特に忙しい時期だがどうぞよろしく頼む |
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館長 | あけましておめでとう!今年も君には大変世話になるだろう 一月は一日の大半をこたつで過ごすネコのせいで業務が増えて困る それはさておき、君も何か困ったことがあれば言ってくれ。愚痴でも何でも聞くぞ |
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館長 | 先月もご苦労だったな アカが言っていたが最近の2月は何やら菓子をあげあうイベントがあるらしい アカの事だ、遠回しに要求されるかもしれないがあまり甘やかさなくて良いからな |
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館長 | 先月もご苦労!ネコがこないだ中庭で丸くなって眠っていたが その後くしゃみをしていた。外はまだ寒かったようだ 君は健康を第一に業務に励んでくれ |
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館長 | 先月もご苦労! 季節柄、皆が浮かれて何かしでかしてしまうかもしれないから しっかり目を光らせておいてくれ。いつも頼りにしているぞ |
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館長 | 先月もご苦労だった。 個性の強い文豪たちの相手は大変だろうが引き続きよろしく頼む 五月病にならないようほどほどにな |
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館長 | 先月もご苦労だったな。今月もよろしく頼む 図書館の事は君に任せきりですまない。仕事はうまく進んでいるだろうか 何か困った事があったらいつでも頼ってくれ |
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館長 | ご苦労。 日ごとにだんだん暑くなっていくな 暑さにやられて池に飛び込む奴が出てくるかもしれない 悪いが中庭付近の見回りを強化してくれ |
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館長 | 先月もご苦労だったな。残暑が続くが体調は崩してないだろうか 涼しさを求めて来館者は増えるだろう 一般の業務が忙しくなるが特務司書としての任務も引き続き頼む |
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館長 | ご苦労だったな。 歴の上では9月、秋になったがまだまだ暑いな だんだん夜の時間が長くなっていくからたまにはゆっくり本を読むのもいい 君がおすすめする本は何かあるかな? あったら教えてくれ
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アプリ一周年限定回想 †
2018年6月14日(木)メンテナンス後〜2018年6月21日(木)23:59に限り見ることのできる回想。
※この回想は図鑑には登録されない。
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内容 |
織田作之助 | みなみなさま、大変やで! ワシら一周年なんやって! |
佐藤春夫 | どうしたんだオダサク、何が一周年なんだ? |
中野重治 | 僕たちがいつでもどこでも会えるようになったのが……ですって |
織田作之助 | やから今日から図書館総出で祝うんやってー。いやあ、めでたいわあ |
佐藤春夫 | 「今日から」ってことは、今日だけじゃないってことか。そうとう気合入ってるな |
堀辰雄 | そうなんですか……いまいち実感が湧きませんけど…… |
中野重治 | 今回は特別だからね。ほら、周りを見てご覧よ、いつもと雰囲気も違うだろう? |
堀辰雄 | あっ、本当だ。なんだかすっごく気分が上がってくるね、しげじ |
中野重治 | うん、不思議なことに、おめでたい気持ちになってくるよ |
堀辰雄 | ……あれ? このお祝い、この間もした気がするんですけど |
織田作之助 | 一応、別らしいで…… おっしょはんは概念を捉えて携行し浄化活動に活かすとかどうとか言っていたけど ワシにはようわからんかったわ |
佐藤春夫 | まあ、しばらくは騒がしくなりそうだ ここは騒いでいいのなら騒ぐってやつばかりだ。あいつとかな…… |
太宰治 | いっちねーん! まだまだスタートラインだな! |
芥川龍之介 | 元気そうだね、太宰くん |
太宰治 | あ、芥川先生! 元気になりますよ、だって、一年経ったんですよ! |
徳田秋声 | ……だからそんなにテンション高いの? |
芥川龍之介 | あれ……一年って……半年くらい前にあったあのおめでたい日とは別? |
徳田秋声 | 別みたいだよ、前回は僕らの出番はあまりなかったけど今回は盛大に祝ってほしいんだって |
泉鏡花 | 祝うと言っても、僕たちには召装石や金貨を贈ることはできないので 司書さんに向けて普段言えないお礼を言うべきでしょう。そう思いませんか、秋声? |
徳田秋声 | ……そうだね、じゃあ、これを機会に言うことにするけど、司書さんはじめ この図書館の職員さんたちっていい人ばかりだなって……ほかはみんなうるさいけど…… |
泉鏡花 | 秋声、あなたがそんな殊勝なことを言うなんて珍しいですね |
徳田秋声 | な、なんだよ。僕は思っていることを言っただけで…… |
泉鏡花 | ……そうですね。僕もちょうどそんなことを言おうとしたので、驚きました |
芥川龍之介 | 僕も同意見だよ、僕たちみんなのことを気にかけてくれるし 大変な状況のなか、この司書っていう仕事をしてくれているってのが嬉しいんだ |
太宰治 | 芥川先生……やさしい……すばらしいですっ |
泉鏡花 | まあ……ここまでこの図書館がにぎやかになったということは、とても喜ばしいことです これからも頑張っていきたいですね |
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内容 |
中原中也 | はっはっは! 愉快じゃねーかあ、おい! |
萩原朔太郎 | おわあっ、びっくりした……中也くん声大きすぎ……今日はとてもご機嫌なんだね |
中原中也 | お前たちも聞いただろ? 一周年なんだから、当然だろ? |
夏目漱石 | ええ、携行型概念転送装置が完成して一年経ったと言っていましたが、 詳しいことは私にも分かりませんでした…… |
宮沢賢治 | ボクにはわかったよ。その不思議な装置のおかげでここでみんなと一緒に過ごせるってこと |
萩原朔太郎 | ああ、そうか。そう考えると、お礼を言わなくちゃならないね…… |
夏目漱石 | ええ、それは確かです。こういう縁というものは大切にしていかなければなりませんからね |
中原中也 | だよな! 何事も一期一会なんだしよ! |
宮沢賢治 | あと、地味だけどって前置きして、概念世界閲覧装置もパワーアップして 今まで見られなかった僕たちの動きを観測できるようになったみたい |
萩原朔太郎 | ……だからさっきやけに中也くんの声が響いていたんだね |
夏目漱石 | なるほど……色々なものが、少しずつ変わっていっているのですね |
宮沢賢治 | 嬉しいなあ……司書さん、図書館の人たち、ありがとう! |
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内容 |
谷崎潤一郎 | 荷風先生、お聞きになりましたか! |
永井荷風 | どうしたんだい谷崎君 |
谷崎潤一郎 | 我々が一周年を迎えるそうですよ…… 詳しくはわかりませんが、それはそれは、めでたいことのようです |
永井荷風 | おや……この図書館ができたときから考えると、もう少し経ってなかったか |
谷崎潤一郎 | 細かいことはいいのですよ、とにかく、我々は祝えばよいのですから |
島崎藤村 | へえ……なんだかすごいことが起こっているみたいだよ、花袋 |
田山花袋 | みたいだな! これは司書のやつを褒めてやらないとな |
島崎藤村 | そうだね……いろんな取材をしているけど、司書さんくらい頑張ってくれている人はいないから |
田山花袋 | オレたちがここでわいわいできるのも 司書をはじめとした図書館の人たちの働きあってのことだからな! |
永井荷風 | ああ。いつも細かいところまで気を配ってくれていること、僕も知っている |
田山花袋 | オレたちの冒険譚にも新しい展開があったみたいだな! |
谷崎潤一郎 | フフ、田山さん、何を知らない風におっしゃっているのですか |
田山花袋 | いや、オレからはこのくらいしか言えないだろ…… |
永井荷風 | ともかく、新しい、我々の知らない世界が広がっているだろう |
島崎藤村 | これからの取材が楽しみだね…… |
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内容 |
志賀直哉 | おい、大変だぞ! |
室生犀星 | うわっ、志賀くん、どうしたんだ |
志賀直哉 | すまねえ、だが大変なんだ ついさっき聞いたんだが、今日はこの図書館のものすごくめでたい日の一つらしい |
森鴎外 | ……それはなんとなく聞いている、我々には理解の及ばない原理が働いていることもな |
北原白秋 | へえ、そんなにめでたいのか、それはすばらしいことだね |
室生犀星 | ……白さん、本当にわかっているんですか? |
森鴎外 | 司書含め、俺たちが毎日毎日こつこつと頑張り続けてきたからこそ この一周年という日を迎えられたということだろう |
室生犀星 | なるほど……そうだよな。こう走り続けられる事自体、このご時世には難しいもんな…… |
北原白秋 | であれば話は簡単、ここで普段は言えない思いを言葉にすればいいのだよ |
室生犀星 | いいのか? こんなところで |
志賀直哉 | 大丈夫だろ、きっとこの思いは伝わる、俺にはわかるぜ |
森鴎外 | まあ、なかなか言うこともないだろうからな、この際伝えておこう。 いつも世話になっている……ありがとう |
北原白秋 | これからも、僕たちの物語は続いていくのだよ |
室生犀星 | そうだな……俺たちはまだまだ頑張れる |
志賀直哉 | ああ、これからもよろしく頼むぜ! |
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内容 |
武者小路実篤 | みなさん、たいへんです!! 僕たち一周年なんですって!!! |
尾崎紅葉 | 大きな声を出すな馬鹿者、聞こえておるわ! |
小林多喜二 | 一年って……何が? |
武者小路実篤 | えっと、つまり、この日を迎えられたことがすごいことで、だから僕たちがここにいるということです! |
江戸川乱歩 | ほう……ワタクシにはわかります 普段我々が無意識に縛られているトリックがこの瞬間だけは外されているということですね |
尾崎紅葉 | ……つまり、どういうことだ? |
江戸川乱歩 | 説明はよしましょう。とにかく、この機会を逃してはなりません 普段はできないお礼を言わなければ……サア、早く! |
小林多喜二 | えっ、ここで? 司書さんにってこと? |
武者小路実篤 | そうですそうです! まずは僕から…… いつもありがとうございます! あなたのおかげで僕たちも頑張ることができていますっ |
尾崎紅葉 | 最近は一段とさわがしくなってきたな、だが悪い奴らではない、これからもよろしく頼むよ |
小林多喜二 | ……ありがとう |
江戸川乱歩 | フッフッフッ、ショーはまだまだ続きます……このあとも……これからも…… 今後とも、新しいトリックをお楽しみに…… |
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内容 |
正岡子規 | なあ、聞いたか? 今日は……いや違うな、今って一周年なんだとよ |
小泉八雲 | ? なにがデスか? |
中島敦 | ……図書館で知らない間に進行していた携行型概念転生装置の運用計画が 順調に推移しているって言っていました その計画の運用が節目の一年を迎えたということらしいです |
小泉八雲 | な、なんデスとー!? 我々の知らないゴクヒ計画が……? |
横光利一 | 手前も初めて知った。その装置の仕組みを聞いてみたが、まったく理解できなかった 機械というのはやはり不思議なものだ…… |
正岡子規 | そうそう、それで無事に一年を迎えられたということで ちょっとでいいから褒めてくれってさ |
中島敦 | 別のことで一年経ったっていうときはそんな事言われませんでしたが 急にどうしたんでしょうか |
横光利一 | それはわからない……だが、要望がある以上、感謝の言葉を口にしなければな |
正岡子規 | まあまあ、細かいことはいいんだよ。直接言わなくてもいいから、どこかで聞いてるってさ |
小泉八雲 | ハイ、いつもありがとうございマス! これからもご贔屓に!! |
中島敦 | 勢いがいいですね、八雲さん……えっと、私からも……いつもありがとうございます |
横光利一 | ……いつもこの図書館を支えてくれていること、文学を守るために戦ってくれていること 感謝してもしきれない |
正岡子規 | ありがとう! これからもべーすぼーると帝國図書館をよろしくな! |
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内容 |
若山牧水 | 落ち着いて聞け……俺たち一周年らしいぞ |
国木田独歩 | な、なんだと……俺たちが……? |
石川啄木 | どういうこった? |
高村光太郎 | 知らないけど、図書館で働く人にとって貴重な日らしいよ |
石川啄木 | ふーん、ま、いいや。めでたいからめでたいんだろ? |
若山牧水 | そうそう……つまり酒が飲めるってことがわかればそれでいい! |
石川啄木 | 理由は何でもいいんだよ! とりあえず祝っとけ! そうだろ高村? |
高村光太郎 | まあ、間違ってはいない……かな |
国木田独歩 | おおっし何か知らないが祝えるってことは、今日は無礼講で好き放題できるってことだな! |
若山牧水 | ったりまえよ! 今日は館長も誘って朝まで酒盛りだー! |
高村光太郎 | うーん……何か重要なことをスルーしている気がするけれど……まあいいか |
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内容 |
菊池寛 | おい、聞いたか! 大変なことが起こっているようだぞ! |
三好達治 | どうしたんスか菊池さん、そんなにあわてて |
新美南吉 | ぼくたち一周年なんだって! わーい! 今日はきっとごちそうだね、楽しみだなぁ |
菊池寛 | 一体何から一年たったのかさっぱりだが……一年ってあっという間だよな、なぁ? |
三好達治 | ま、こういう節目は積極的に祝っていかなくちゃいけないッスからね! |
吉川英治 | ああ、図書館を運営するのは大変なことだからな |
菊池寛 | ここまで無事でやってこれたのはひとえに司書の働きのおかげ……感謝しなきゃな |
新美南吉 | そうだね、いつもありがとう! |
吉川英治 | ははは、よいのか? そういうことは司書殿に直接に言うべきでは? |
新美南吉 | 大丈夫、今この瞬間、ここで言うことはきっと伝わるから |
吉川英治 | ふむ……それもそうだな! |
三好達治 | この際自分からも言わせてもらうッス…… 司書だけではない皆の力のおかげで今の自分たちがいるッス! ひたすら感謝ッス! |
文豪とアルケミスト2周年記念お祝いメッセージ †
2018年11月1日00:00〜11月2日23:59に限り見ることのできる回想。
※この回想は図鑑には登録されない。
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内容 |
芥川龍之介 | みんな2周年だよ、おめでとう! |
徳田秋声 | わわ、びっくりした…… |
泉鏡花 | どうしたのですか、芥川さん |
芥川龍之介 | 寛に今日はおめでたい日だから、みんなに大きな声で知らせてくるように言われたんです |
泉鏡花 | 言われたとおり実行したというわけですね……大きな声でハキハキと |
芥川龍之介 | そうなんです |
徳田秋声 | そうか……もうそんなに経つんだね |
泉鏡花 | 図書館の人たちが心なしか嬉しそうだったのは、そういうことですか |
徳田秋声 | これまでにあったことが、しみじみと思い出されるよ |
芥川龍之介 | これを機会に、今までにあったことを振り返ってみるのもいいかもしれないですね |
徳田秋声 | 新しい任務もあるみたいだしそっちも頑張らないとね |
芥川龍之介 | ふふ、なにか変な感覚ですね こんなに素直な気持ちを見せたいって気分になったのは初めてですよ |
徳田秋声 | 奇遇だね、僕もだ |
泉鏡花 | 不思議なこともありますね……これも「2周年だから」なのでしょうか…… |
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坪内逍遥 | 聞いたかい? |
有島武郎 | ええ、もちろん。今日は節目の日のようですね |
二葉亭四迷 | もうそんなに経つのか……感慨深いですね |
坪内逍遥 | 私としては二年と言わず、三年……いや、もっといたように感じるよ |
有島武郎 | 同感です……ずっと昔からみなさんと過ごしているように思ってしまいます |
二葉亭四迷 | フッ、そう思えるのは、ここには逍遥さんの言う「人情」があるからでしょう |
坪内逍遥 | はは、そうかもしれないね |
二葉亭四迷 | 逍遥さんをはじめ、旧友たちと過ごせるとは私は幸せものです。君もそう思わないか、有島君? |
有島武郎 | え、ええ…… |
有島武郎 | 最初は戸惑うことばかりだったが……今は違う…… |
坪内逍遥 | ああ、今はみなと共に戦うことができることを誇りに思うようになったよ |
二葉亭四迷 | そうです! 俺も逍遥さんと戦えること、誇りに思いますよ…… |
有島武郎 | (そうか……僕も好きなんだな、ここが……) |
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内容 |
徳永直 | ビックニュースばい! おりゃあたちが二周年だと! |
太宰治 | な、な、なんだってー! |
小川未明 | 時が流れるのは早いものだね…… |
坂口安吾 | わっはっはっは、めでたいなあ、こうなったら安吾鍋大盤振る舞いだ |
井伏鱒二 | ははっ、まるで盆と正月が一気に来たみたいな盛り上がりようだな |
幸田露伴 | 盆と正月か……言い得て妙だな |
坂口安吾 | 俺たちは新参者だから二周年だって感覚は薄いかもしれないが…… こんな機会はまたとないからな、全力で祝わせてもらうぞ! |
徳永直 | そうそう、司書さんにいつもあんがとーっていわんとね |
幸田露伴 | ああ、謝意を表す絶好の機会だ |
小川未明 | うん。問題児たちもうまく手なづけてくれているしね |
太宰治 | ……なんでこっちを見るの? |
小川未明 | 冗談だよ |
井伏鱒二 | くっくっく…… |
太宰治 | ちょっと! 井伏先生! |
坂口安吾 | まあまあ落ち着け太宰。とにかく、だ この図書館が楽しい場所であってくれるのは、司書のおかげでもある |
小川未明 | だから僕たちは、司書さんの努力に応えて、楽しく過ごさなきゃね |
井伏鱒二 | 新しい任務も始まってる……大変なことは相変わらず続いてるが だからこそ目の前の幸せは噛み締めておかないとな |
徳永直 | その通りたい! おりゃあ、全力で楽しんでいくと! |
幸田露伴 | よい考え方だ。その気持ちがあれば、これからの苦難も乗り越えていけるだろう |
坂口安吾 | いよーし、そうと決まれば、今日は飲めや食えやの大騒ぎだ! |
小川未明 | 今日も……でしょ |
太宰治 | そうとも言う……ってね! |
クリスマス限定回想 †
2018年12月23、25、27日に限り見ることのできる回想。
※この回想は図鑑には登録されない。
- 聖夜の計画(12/23(日)00:00 〜 23:59)
+
内容 |
館長 | おお、君たちいいところに来たな |
正宗白鳥 | また侵蝕者でも現れたのか |
館長 | 侵蝕者ではない……が、これは君たちにしか頼めない重要な任務となるだろう |
高村光太郎 | 僕たちにしかできない? それって…… |
館長 | まあ細かいことは後だ。まずは何も言わずにこれを着てくれ |
正宗白鳥 | これは一体、何の真似だ |
館長 | 実はな、アカとアオにこの役を頼もうと思っていたんだが どうやら、手違いで大きいサイズのものが届いてしまってな 今からもう一度頼むとなると、クリスマスには間に合わんのだ |
高村光太郎 | それでサイズからして僕たちにしか頼めない、と |
館長 | ああ、その格好でクリスマスの日にこの図書館へ来てくれる子供たちに 用意してあるプレゼントを配ってほしい |
正宗白鳥 | ふん、何かと思えば……くだらん。俺は辞退させてもらうぞ |
高村光太郎 | ちょっと待って白鳥さん、子供たちが悲しんでもいいの? |
正宗白鳥 | お前ひとりがやればいいだろ |
高村光太郎 | サンタといっしょに、トナカイがやってくるということに意味があるんだよ それに、図書館を好きになってくれたら、僕たちが守った本を読んでくれるかも |
正宗白鳥 | そうかもしれないが、本を好きになってもらうなら他にも方法はあるだろ |
高村光太郎 | 他にもあるのは確かだけど。相手が子供たちなら、クリスマスという特別な日に この図書館で起こる特別な出来事は、忘れられない思い出になるはずだよ |
正宗白鳥 | ふん……しかたないな。そこまでいうなら付き合ってやる。だが期待はするなよ |
- 聖夜の贈り物(12/25(火)00:00 〜 23:59)
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内容 |
館長 | ご苦労だったな二人とも。子供たちも喜んでいたぞ |
高村光太郎 | 久しぶりにサンタになったけどやっぱり子供たちの笑顔っていいな! ……トナカイも大人気だったね |
正宗白鳥 | ふん……俺は何もしていない。あいつらが勝手に集まってきただけだろう |
館長 | 羨ましい限りだ。俺なんて声が大きいせいか、ちっとも寄って来なかったんだぞ |
高村光太郎 | 何だかんだで秋声さんが一番子供たちに好かれていたね |
正宗白鳥 | どうでもいいね。俺は行くぞ |
館長 | 待ってくれ、君たちにもプレゼントを用意してあるんだ |
高村光太郎 | これは……ちょうど欲しかったやつだ! ふふ、嬉しいなぁ これまで以上に彫刻に熱が入りそうですよ! |
正宗白鳥 | ……………… |
館長 | どうした、いらないものだったか? |
正宗白鳥 | いや、こういう時にどう対応したらいいかわからない |
高村光太郎 | そんなに悩まなくても、今日、たくさんの子供たちに言われた言葉があるじゃない |
正宗白鳥 | あ、ありがとう…… |
- 聖夜の後日談(12/27(木)00:00 〜 23:59)
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内容 |
館長 | 朗報があるぞ二人とも クリスマスから図書館を利用する子供たちが増えたんだ |
高村光太郎 | そうですか、これでサンタとトナカイの恰好をした甲斐がありましたね |
正宗白鳥 | ふん……良かったじゃないか。失礼する |
高村光太郎 | あ、白鳥さん。どこに行くの? |
正宗白鳥 | 借りた本を図書館へ返しに行くだけだ |
館長 | おいおい、クリスマスからそんなに日も経っていないから 今行くとトナカイってことがばれるんじゃないか? |
正宗白鳥 | 俺がどこへ行こうと勝手だろ それにばれたところでどうだというのだ |
館長 | 行ってしまったか……何もなければいいが |
高村光太郎 | 白鳥さん、もしかして子供たちが気になって見に行ったんですかね……? |
館長 | ……彼も未来を見据えているのだろう。さて、俺も仕事に戻るとするか |
お正月限定回想 †
2018年12月28日(金)0:00〜2019年1月3日(木)23:59に限り見ることのできる回想。
※この回想は図鑑には登録されない。
- 年末年始1日目(12/28(金)00:00 〜 23:59)
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内容 |
堀辰雄 | お正月までもう少しですね いろいろあった今年一年も、あと四日です |
高村光太郎 | たくさんの出会いがあったり、初めての事に遭遇したり…… 年末になると、一年分の楽しかったことが思い出されるよ |
堀辰雄 | そうですね…… あ、せっかくの機会ですから、今年一年の帝國図書館の振り返りをしませんか? |
高村光太郎 | ああ、いいかもしれない 来年に向けて今年の語り納めだね |
堀辰雄 | そうです! じゃあ、今年の初めからですね 1月は雪合戦をしました。今年も雪が降ったら、皆でやりたいです |
高村光太郎 | 雪合戦で本気になるのは初めてだったよ 僕は冬も雪も好きだから、本当に楽しかった。来年もやるなら、全力でやるつもりだよ |
堀辰雄 | 2月には、初めての錬金研究があったね フラスコを集めるお手伝いに、皆が興味をもっていた |
堀辰雄 | 物書きは好奇心旺盛な方が多いですよね。僕もお手伝いに行ってみたかったです |
堀辰雄 | 3月は、西洋の世界に行ってきました 皆さんいつもと雰囲気が違って、南吉くんには少し怖かったみたいです…… |
高村光太郎 | いつもと違う怪しい雰囲気の皆が見られて、僕は楽しかったよ |
堀辰雄 | そうですね。僕も怖いのは苦手ですけど……皆さんの珍しいお洋服姿は格好良かったです |
堀辰雄 | 明日もありますし、今日の振り返りはここまでにしておきますね 来年も、変わらずよろしくお願いいたします |
高村光太郎 | そうだね。新年は新たに気持ちを切り替える機会だと言うけれど…… 僕の道は一本だから、来年もよろしくね |
- 年末年始2日目(12/29(土)00:00 〜 23:59)
+
内容 |
中野重治 | もう年末なんですね 今年やり残したことはもうないですか? |
志賀直哉 | 俺は、もう思い残すことはないよ 今年もいろいろあったなぁ |
中野重治 | そうですね、例えば…… 4月は、川端さんを探しに『雪国』に潜書しました |
志賀直哉 | ああ。親友と離れ離れは辛いよな……二人がまた会えてよかったぜ |
志賀直哉 | 親友と言えば、俺は5月に幽霊の出る学校で違う世界の武者に会ったな ついでに自分じゃない自分にも会って、なんとも言えない気持ちになった |
中野重治 | 自分じゃない世界の自分、か…… |
中野重治 | 僕は自分とは会ってないけれど、以前僕のニセモノがいたという西洋の世界に行きました 僕じゃない僕を祝われる、っていうのは変な気分だったけど…… そこにいたあなたの言葉は、僕まで嬉しくなりました |
志賀直哉 | そこにも俺がいたのか? 俺が言ったんじゃないけど、なんだか照れくさいな…… |
中野重治 | ふふ、図書館は不思議で面白いことばかりです 来年もまた、こんな出会いがたくさんあるといいですね |
志賀直哉 | この図書館で今しかできないことってあるよな 来年の暮れには、また「楽しかった」って言える年にしようぜ |
- 年末年始3日目(12/30(日)00:00 〜 23:59)
+
内容 |
織田作之助 | 田山センセ、今年もあと2日やけど、そろそろ正月の準備してはります? |
田山花袋 | おう、バッチリだ! 新年といえば美少女の振り袖……初詣に早く行きたいぜ それはでは、今年の夏を思い出して待つか |
織田作之助 | そうですねえ。えーと、今年の夏は…… 7月に有三センセの『真実一路』に潜書しましたね |
田山花袋 | なんか複雑そうな感じだったけど、仲直りできたようでよかったな |
田山花袋 | そして8月は、オレが描き下ろした本に潜書したぜ 期待通りの輝く太陽、白い砂浜、煌めく海! ただし、美少女は…… |
織田作之助 | まあまあ。みんな海を楽しめたって言うてましたよ |
織田作之助 | 9月も新しい文豪が来たり…… 10月初めの方にあった、どっかのアルケミストの本も印象的ですねえ |
田山花袋 | 「結縁の術」か。女の子と縁を結ぶ……ちょっとこれは、詳細を聞きたかったな……! |
織田作之助 | まあ、世の中そう上手いこといかんもんやとは思いますけど…… この図書館なら、何があるかわからんですからね! これからもどんなことがあるか、ドキドキですわ |
田山花袋 | 本当だよ。ここでは知らない世界がたくさん見られるぜ 来年も、オレたちが経験したこともないような夏が待ってるだろうな! |
- 年末年始4日目(12/31(月)00:00 〜 23:59)
+
内容 |
正岡子規 | 寒梅の薫りおさめや大三十日! 今年も最後の日だな! |
佐藤春夫 | 年明けの準備は万全か? それじゃ、最後の振り返りをしていこう |
佐藤春夫 | 10月は、外の世界の錬金術師がやって来たな 小さい兄貴と大きい弟の不思議なコンビだったが、頼りになるいい奴らだった |
正岡子規 | いやあ、おもしろい兄弟だったよ。また会えるといいな |
正岡子規 | 11月は帝國図書館の記念日だったな! 俺の弟子たちも転生して、また図書館が賑やかになったよ |
佐藤春夫 | 図書館はどんどん人が増えていくなあ。まだまだ楽しくなりそうだ |
佐藤春夫 | そして12月は、クリスマスだ! 今年はちょっと規模が大きかったと言うか、俺の知っているクリスマスと違ったな…… |
正岡子規 | まさかあんな展開になるとはな……でも、俺は楽しかったぜ! |
佐藤春夫 | はは、俺もだ。新鮮なクリスマスだったよ ……さて、明日からは新しい年だ。来年も、楽しい一年にしよう |
正岡子規 | 来年は仲間もさらに増えて、賑やかになるだろうなあ 新しい年も楽しみだ! |
- 年末年始5日目(1/1(火)00:00 〜 23:59)
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徳田秋声 | 新年明けましておめでとうございます |
織田作之助 | 本年もよろしゅうおたの申します |
徳田秋声 | 新年と言っても、昨日今日で特別何かが変わるわけでもないし…… なんだか不思議な感じだね |
織田作之助 | まあまあ、せっかくですから新年らしい話でもしましょ 今年はどんな年にしたいです? |
徳田秋声 | どんな年、か……今年の抱負を決めておくのはいいことかもね |
織田作之助 | そうですよね! ちなワシの今年の抱負は……「無頼漢」! 好きに生きていく美男子、今年もこれで行かせていただきますわ |
徳田秋声 | えっと、無頼漢ってそういう意味なの? なにか間違ってる気がするけど…… |
織田作之助 | 細かいことは気にせんといてください。秋声さんはどうします? |
徳田秋声 | 僕は、「平穏な日常」かな……って目標に掲げてる時点で、前途多難だ |
織田作之助 | そのぶん楽しいことばかりやないですか! |
徳田秋声 | それは……そうだね 毎日は嫌だけど、たまになら皆で賑やかなのもいいかな…… |
- 年末年始6日目(1/2(水)00:00 〜 23:59)
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中野重治 | お正月だね。あけましておめでとう |
堀辰雄 | はい。今年もよろしくお願いしますね |
佐藤春夫 | 昨年末は、一年の振り返りで忙しかったな やっと迎えたお正月だが、二人はどう過ごしたんだ? |
堀辰雄 | 僕は、昨日は皆でかるたをしたり、おせち料理を食べたりしました 今日は凧揚げや福笑いもやりたいと思っているんです |
佐藤春夫 | お正月ならではの過ごし方だな 中野はどうだ? |
中野重治 | 僕は、昨日は一日ゆっくりしていたよ 冬はこたつで冷たい水ようかんを食べているのが一番だから |
佐藤春夫 | それもいい過ごし方だな お正月に何をするかは個性が出るなあ |
堀辰雄 | 佐藤先生は、お正月をどう過ごされたんですか? |
佐藤春夫 | 俺は正月飾りを出してから、門弟たちが訪ねて来るのを待っていたよ |
中野重治 | 挨拶に来てくれるお弟子さん達がいると、賑やかでいいね |
堀辰雄 | それぞれにいろんなお正月の過ごし方があったんですね 賑やかなのも、穏やかなのも、いいお正月です! |
- 年末年始7日目(1/3(木)00:00 〜 23:59)
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織田作之助 | 君がため 惜しからざりし 命さえ…… |
堀辰雄 | はいっ とれました! |
徳田秋声 | ああ、目の前にあったのか 見つけられなかったよ |
中野重治 | 僕はとっさに下の句が思い出せなかったな |
堀辰雄 | ふふ。僕、この札はとりたかったんです 素敵な和歌ですから |
佐藤春夫 | それにしても、正月に百人一首をやるって すごく久しぶりな気がするよ |
織田作之助 | かるた遊びなんて子供の頃以来ですわ それがまさか、図書館の皆でやることになるとはなぁ |
徳田秋声 | 新年早々、百人一首の騒動が起こったからね よく考えたら遊んでる場合じゃない気もするけど…… |
中野重治 | まあ、百人一首を知ることも今は仕事の一環じゃないかな |
佐藤春夫 | そうだな それに、季節感があっていいじゃないか |
徳田秋声 | はあ、正月三が日はもう終わりだよ でも問題はまだ解決しそうにないからね。もう少しだけ、お正月気分でいよう |
アプリ3周年記念回想 †
2020年06月14日(日)から06月19日(金)に1本ずつ公開された。
図鑑での閲覧は06月30日(火)23:59まで。
- 三周年特別回想 一
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内容 |
織田作之助 | 遅れてすんませんでした! 皆さんもう揃てはる? |
松岡譲 | ああ、織田さんで最後ですよ。間に合って良かった。こちらの席におかけください |
国木田独歩 | よーし皆揃ったな? 感謝祭実行委員会の会議を始めるぞ 実行委員長の国木田独歩だ。用意した資料を受け取ってくれ |
織田作之助 | えらいこっちゃ。なんも聞かんと安請け合いしたけど 実行委員てえらいお役目やったんかなあ…… |
広津和郎 | 図書館の全員が参加する大きな催しだというからな 多くの人が動くのだから、各々の振られた作業を監督する人間が必要だ 全体の指揮を取る国木田さんの意思を末端まで伝達する我々実行委員の仕事は重要だぞ |
三木露風 | 日頃図書館を訪れる人々へ感謝を伝えるまたとない機会ですから、必ず成功させましょう 実行委員長を任された独歩さんも、その役目に足る人を実行委員に抜擢したようですし |
二葉亭四迷 | 役目を与えられた以上、気合を入れて働こう。フッフッフ……腕がなるな! |
国木田独歩 | ん、皆手元に行き渡ったな。それじゃ改めて分担の確認からだ 当日の人員係が露風で、料理の手配が広津だな 出納係と買い出しは俺と松岡で分担だが、異論ないか? |
松岡譲 | はい。問題ありません |
国木田独歩 | 事前に用意する準備物担当は四迷さんと織田で……あれ、出し物の会場担当も四迷さんになってるな 俺としたことが、采配をマズったか |
二葉亭四迷 | いや、俺は構わないぞ。舞台監督の逍遥さんの手伝いをする予定だったからな 手が足りないところは適当な奴に手伝わせる |
国木田独歩 | 当てがあるんだな。それじゃあここは四迷さんに任せよう 困ったことがあったらいつでも呼んでくれ |
広津和郎 | それなら自分が回りましょう。料理は前日の仕込みと当日が本番ですから 前準備の間は手が足りないところを手伝いますよ |
三木露風 | では、私も手助けをしますよ。皆がひとつの目的に向かって働くのは気持ちの良いことですからね |
織田作之助 | 先輩方にそこまで言われたら肩身狭いなあ…… ワシも協力しますよって、なんでも言うてください。フットワークは軽い方ですんで |
二葉亭四迷 | 有難う。これだけの協力を恃めれば問題なく仕事ができそうだ |
松岡譲 | 困った時はお互い様です 皆で協力すれば、多少の困難はいい思い出になりますよ |
国木田独歩 | よし。それじゃあ協力して楽しい感謝祭にしようぜ! |
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ルイス・キャロル | コナン・ドイルさん、お茶をもう一杯いかがですか? |
コナン・ドイル | ふむ。有難う、頂こうか |
ラヴクラフト | ………… |
ルイス・キャロル | あ、ラヴクラフトさんの分もありますよ。どうぞ |
ポー | こやつはまたアイスを所望しておるのだろう ハワード、持ってきた物はお前が喰いつくした。室内に戻ってから好きなだけ喰らえ |
コナン・ドイル | いや……彼はどうやら猫を見ているようだ |
ポー | 猫? そういえば、今日はやたらと猫を見かけると思っていたが |
ラヴクラフト | 猫、不満、訴えます。騒ぐ、宴、忌避する、したい |
ルイス・キャロル | ああ、あのことでしょう。図書館で感謝祭をやるので、皆準備や掃除をしているんです |
コナン・ドイル | なるほど。日頃静寂の恩恵にあずかっている猫たちにとっては居心地が悪いということか |
ポー | フン……有象無象の為に働くなどくだらん 彼奴らは埃を立てることと騒ぐことに熱心なだけでは? |
ラヴクラフト | ポー様、猫、好みます。猫、逃げる、ポー様、悲しみます |
ポー | 余計な口をきくなハワード! |
ルイス・キャロル | 勝手がわからない僕らはゲストとして座っていればいいと聞いているけれど……本当にいいのかな? |
コナン・ドイル | ゲストがしゃしゃり出て準備に口を挟むのは無粋だろう 我々はいつも通りの日常を過ごそう |
さあドジソン君、もう一杯紅茶をもらおうか |
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河東碧梧桐 | 茂吉くん! 見て見てこの能面、すごいでしょ! きよと一緒に用意したんだー |
斎藤茂吉 | おお……河東さんは、高浜さんとお二人で能をされるのですか? |
正岡子規 | 二人だけじゃないぞ。稽古仲間で集まって能を披露する予定でな さっきまで茶室で清と秉公の衣装合わせをしていたんだ |
伊藤左千夫 | モキチくんは図書館に来たばかりだから知らないよね。びっくりした? |
斎藤茂吉 | ええ……これほどまでに本格的な催しとは知りませんでした なかなか格式高い物なのですね |
正岡子規 | そんなことはないぞ。今回は初心者でも分かりやすい演目と新作の二本立てだ 誰でも気軽に見に来られるものをと思ってな |
河東碧梧桐 | 俺はね、お客さんに日頃稽古している能の手ほどきをやってみようと思ってるんだ 一度やってみなくちゃ、楽しさは分からないからね! |
高浜虚子 | 幸い図書館には能の経験者がいくらかいるからな まったくの初心者には学びの入り口を 鑑賞の楽しみを知る者には新作の楽しみを提供できればと思っている |
斎藤茂吉 | なるほど……それは大変興味深いですね 師匠も舞台に立たれるのですか? |
伊藤左千夫 | 僕は皆のお手伝いと、茶室でお茶会をするつもりだよ! 当日は茶室にお花をたくさん用意しようと思っているんだ 侘び寂びが分からなくても、お花とお茶を楽しめれば心が癒されるもんね |
斎藤茂吉 | そうですか。それなら私も手伝いをさせて下さい |
伊藤左千夫 | 本当に? モキチくんは初めてだし、図書館を見て回っていても良いんだよ? |
斎藤茂吉 | こんな面白いことを外から見ているなんてもったいないではないですか 共に汗をかけば、成功の感慨も一入でしょう |
伊藤左千夫 | そっか……有難う! 僕もモキチくんと一緒に出来たらいいなって思ってたんだ 今からノボさんと一緒に準備の買い物に行くんだけど、モキチくんも手伝ってくれる? |
斎藤茂吉 | 師匠と正岡先生が……ええ、勿論です。お供します |
正岡子規 | 茂吉、正岡先生なんて他人行儀な呼び方するなよ お前も門下の一員だ。俺のことはのぼさんで良いさ |
斎藤茂吉 | ……! そ、それはさすがに……では、子規先生と呼ばせて頂きます |
高浜虚子 | それでは、俺と秉は茶室の掃除をするか |
河東碧梧桐 | 良いよ! きよ、どっちが早いか競争ね! |
高浜虚子 | こら、能面を持って走るんじゃない ……おい、聞いているのか? 待て、秉! |
- 三周年特別回想 二
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内容 |
夏目漱石 | おや、こんなところにも感謝祭のポスターが……なかなか目を惹く素敵なデザインですねえ |
菊池寛 | これは絵が得意な連中が用意したそうですよ。流石に上手いもんだな |
久米正雄 | 松岡、買うものはこれで全部だったかな。なにか忘れている気がして…… |
松岡譲 | ええと……あっ、後ひとつ残っていたよ。図書館に来た子供たちに配るお菓子を取りに行かないと |
菊池寛 | 金は払ってあるんだろう? 引きとるだけなら俺が行ってきてやろうか |
夏目漱石 | 折角ですから、皆で寄ってみてはどうでしょう |
松岡譲 | はい。お土産を買うお金を残していますので、一緒に見繕ってもらえると助かります |
山本有三 | それは良い考えだ。ちゃんと働いている者にはご褒美が必要だからね |
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山本有三 | 随分賑わっているねえ。見ているだけで楽しくなってくるよ |
夏目漱石 | この店は和菓子も洋菓子もあるのですね。贅沢で美しい光景ですね…… |
松岡譲 | 漱石先生、こちらのお菓子はいかがでしょう。今日買ったお茶に、よく合うと思います |
久米正雄 | あっ、こっちのお菓子も美味しそうだな。ねえ松岡、これも先生好みの味だと思うよ 両方買おうよ |
夏目漱石 | ふふふ。贅沢な悩みですねえ |
山本有三 | こらこら二人とも。皆で食べる差し入れだろう? ちゃんと選んだのかい? |
松岡譲 | あっ……確かに、山本の言う通りです 皆が喜んでくれるものでなければ意味がありませんね |
久米正雄 | じゃあこれは僕が個人的に買うよ。それでいいだろう? |
夏目漱石 | お待ちなさい久米君。それは年長者の私の役目です それに、まだ君たちの好みを聞いていませんよ。さあ、どれにしますか? |
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菊池寛 | おっ、これは龍の好みに合いそうだな。それにこっちは直木が欲しがりそうだ…… よし、一箱買って行くか! |
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松岡譲 | 皆が手伝ってくれたお陰で、一気に買い出しが済んでしまいました 帰ったら改めてお礼をさせてください |
久米正雄 | 松岡、堅苦しいお礼なんか良いよ。それより、荷物をこっちに渡して |
松岡譲 | う……うん。悪いね久米 |
山本有三 | 譲、そちらの手の荷物はワタシに貸しな 皆で分け合えばどうってことないんだから |
菊池寛 | 松岡はもう少し、図書館にいるがめつい奴らを見習った方が良いな アイツらは一人で背負いこもうなんて気さらさらないぞ |
夏目漱石 | 松岡君、君はもう少し人に甘えてもいいのですよ 人に頼れば荷物の重さは半分に、菓子の喜びは倍になるのですから さあ、菓子の包みは私が預かりましょう |
松岡譲 | ……有難うございます。お菓子を頂く前から胸が一杯です |
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岩野泡鳴 | かーったりぃよなあ、感謝祭の準備なんてよ! |
島崎藤村 | あれ……泡鳴、すごく楽しみにしてたじゃない。どうして? |
正宗白鳥 | ……岩野が描いたポスターのイメージ案があんまりで、ほとんど直されたからだろう 出来上がったものがそこに貼ってあるが、俺は妥当だと思う |
田山花袋 | どれどれ? おおっ、良い感じじゃん |
岩野泡鳴 | ケッ、センスのねえ奴らだ! オレはもう協力してやんねー |
島崎藤村 | それは困るよ。これから号外の下刷りを作るのに |
正宗白鳥 | まだ終わっていないのか……原稿は全部集まったのか? |
田山花袋 | おう、それはばっちりだ。表に出てこなくても、鬼編集長様の威光は健在だからな 秋声は芝居の練習があるとか言って逃げようとしたから、口述筆記で書かせた お陰で面白いもんが出来たぜ |
国木田独歩 | それは重畳。……で、誰が鬼だって? |
田山花袋 | あっ……ははは、独歩も聞いてたのか…… |
国木田独歩 | あーあ、主筆は辛いなあ。こうやって身内にまで陰で愚痴られなきゃいけないのか。 毎日身を削ってネタ探しして、手が足りない時は原稿取りまでやってるのに |
田山花袋 | そう言うなって! おまえが実行委員長の仕事があって忙しいっていうから 感謝祭限定の号外はオレたちで作ったじゃん! なあ? |
国木田独歩 | それはどうも有難う。で、スクープ写真は確保できたか? |
島崎藤村 | それが……まだないんだよね。図書館に生息している、白くて細長い生き物の写真…… |
正宗白鳥 | 足跡らしきものがあった場所に交代で張ってみたが、ついに現れなかったな |
岩野泡鳴 | やっぱ犬か猫かそういう感じの奴なんだって! |
田山花袋 | あれはカワウソだって皆で話しただろ!? |
島崎藤村 | 一応武者くんにイメージ図を描いてもらったんだ。足跡の写真とこれで、なんとかなるかな |
国木田独歩 | へえ、武者小路に頼んだのか。……うん、こいつはなかなか…… いや、武者小路のせいじゃないと思うけど……なんだろうな、こののっぺりした感じ |
田山花袋 | まあまあ、他にもあっと言わせる記事を用意してるから! 独歩は出来上がりを楽しみにしとけって! |
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吉川英治 | 蘆花くん、介山殿! 手伝いに来たぞ |
横光利一 | 食堂からの応援です。感謝祭に向けて作って頂いた野菜を引き取りに来ました |
徳冨蘆花 | ありがとう。すごく助かる…… あっちの箱に入っているものは、全部調理用だよ |
吉川英治 | これは二人では運びきれないな。よし、我らで手分けして運ぼう |
中里介山 | 来てくれてよかった。今、私と蘆花は難局に直面していてな 君たちも知恵を貸してくれないか |
川端康成 | 難局とは……? |
徳冨蘆花 | うん……ここに付いている足跡、なんだと思う……? 最近時々畑に付いているんだ。花袋くんたちが調査してくれたんだけど、分からなくて…… |
吉川英治 | なにっ、作物泥棒か? 蘆花くんが丹精込めて作った野菜を勝手に持ち去るとは許しがたい。犯人を捕まえなくては |
川端康成 | ですが……これは本当に動物の足跡……なのでしょうか? |
横光利一 | 川端の言う通りです こちらの腹這いになって地面を擦る跡はまだ分かるが もう一方は、まるで二足歩行しているようではありませんか |
中里介山 | ああ。人間の足跡でないことは確実だが、皆目見当がつかない 生き物図鑑で調べてみたが、このような足跡を残す生き物は見つからなかった |
徳冨蘆花 | 分かっているのは、この不思議な足跡と、キュウリが好きみたいってことだけなんだ 畑を荒らすわけでもないし、少しぐらいなら持って行ってくれていいんだけどね |
その子たちも図書館の仲間……だもんね |
川端康成 | ……真摯に付き合えば、相手が動物でも心を通わせることは出来る 今はまだ、その姿を見ることはかなわなくとも…… 彼らの方から歩み寄ってくる日が来るやもしれません |
横光利一 | ……ああそうだ。では、彼らが好む野菜を使ったメニューを考えてみるのはどうだろうか 中庭でお客に野菜を振舞えば、彼らがふらりと姿を現すかもしれないし 野菜の美味しい食べ方をお客に教えることも出来る。一石二鳥ではないか |
吉川英治 | それは名案だ! よし、早速実行委員会に掛け合ってみよう |
中里介山 | それなら私も手伝おう。野菜料理には一家言あるぞ 知識を授けるのも得意とするところだ |
徳冨蘆花 | うん……みんなありがとう |
- 三周年特別回想 三
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内容 |
二葉亭四迷 | ふむ……感謝祭で使えそうな道具と云ったらこんなものか この倉庫、ガラクタ置き場だと思っていたが、意外に役立つものがしまわれているな |
山田美妙 | 長谷川くん、見て下さいな! なかなか似合っていると思いませんか? 面白いですねえ、男ばかりのこの図書館に女性の鬘やドレスがあるなんて |
二葉亭四迷 | 美妙……あんたまた勝手にそこらを引っ掻き回していたのか! どこで見つけたのか知らんが、さっさと返してこい |
山田美妙 | ああもう、そんなにガンガン怒鳴るもんじゃありませんよ 倉庫中に響いているじゃないですか ただでさえ君は声が大きいんだから加減しなくっちゃいけませんよ |
この衣装はあの机の中に入っていたんですよ なんだかよく分からないごちゃごちゃした実験道具だの注射器だのと一緒にね ガラクタみたいですから、誰も怒りはしませんよ |
江戸川乱歩 | それはビューローの中にあったシャーロック・ホームズさんの変装道具ですね 流石は『女装の探偵』をお書きになった山田美妙さん、お目が高い! |
夢野久作 | とても素敵な変装ですね 金色の鬘とレースのついた豪奢なドレスがよくお似合いです 次なる小説のタネにさせてもらいましょうか…… |
山田美妙 | おやあ、これはこれは……見る眼のある人たちがいるものですねえ! |
堀辰雄 | 二葉亭さん、お掃除お疲れ様です 後はそのライティング・ビューローを綺麗にすればおしまいですよ |
二葉亭四迷 | ああ、そうだったのか。それではさっさと片付けてしまおう ……ん、この一番下の引き出し……あかないな |
江戸川乱歩 | ちょっと失礼しますね。この細い針を差し込んで…… |
堀辰雄 | ……開きました! |
山田美妙 | ん、でも空っぽですねえ |
夢野久作 | イエイエ、まだ終わりではありませんよ 乱歩さん、次はこのバールと金槌が役に立つでしょう |
江戸川乱歩 | それでは、ここはひとつ力業で…… ……ああ、やはり二重底になっていましたね! 宝箱が出てきました |
二葉亭四迷 | これはからくり箱か? なにが入っているのだろうか…… |
江戸川乱歩 | 箱を振ってみるとなにやら音が致します パーティの余興に、皆で中身を推理してみるというのは如何でしょう? |
堀辰雄 | 賛成です! 楽しそうですね |
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坂口安吾 | お、こんなところに例の映画のセットがあるぞ 駅舎の窓口と星の乗降場だ。それに停車場の立て看板も |
直木三十五 | ……あーあ、見てるだけで気が滅入って来るな 今度こそいい映画が撮れたと思ったんだけどなー |
織田作之助 | 直木監督、まだぶつぶつ言うてはんの? |
直木三十五 | だーってさあ、続編の構想が、横光の一言でパアになったんだぜ 銀河鉄道九部作、作りたかったなあ |
坂口安吾 | 作るのは勝手だが、前回出演してくれた奴らはもう御免だっていうだろうな 俺も芥川が出る映画は勘弁してほしい。絶対また鑑賞会に付き合わされる |
織田作之助 | ほんなら次は毛色の違うもん作ってみたらどうやろか 渋い戦争もんとかやらはったら、宇宙警察の衣装使えると思わへん? 敦クン |
中島敦 | えっ!? 私ですか……ええと……そうですね 私は、市井の人々の静かな日常を描いたものなどが良いと思いますが…… |
坂口安吾 | 俺はそういうのも嫌いじゃないが、直木さんの好みじゃなさそうだな |
直木三十五 | うー、次は江戸川辺りに頼んで怪奇物を書いてもらうか…… 誰か出てくれる奴いねえかな |
ラヴクラフト | 帰還、しました。旅路、終わりました |
織田作之助 | は? ラヴクラフトさん……やんな? 今どっから出てきはったん? |
ラヴクラフト | ……? ここに、入り口、ありました |
ポー | ハワード! またここにいたのか ……む? 貴様ら、ハワードになにか用か |
坂口安吾 | いや、俺たちが用とかじゃなくて、そのハワードが窓から突然入ってきたんだよ 白い本から出しちまったから、窓って言ってもただの書割のはずなんだが |
ポー | フン。その程度で驚いていては身が持たんぞ 行くぞハワード。お茶の時間に遅れる |
ラヴクラフト | ……はい、ポー様 |
直木三十五 | ……はー、ありゃあすげえな。アイツスカウトして映画を撮ったら絶対面白いぞ! こうしちゃいられねえ、構想をまとめねえと! |
中島敦 | たしかに私たちに出来ないようなことを軽々とやってのける方のようですが…… 果たして演技などしてもらえるでしょうか? |
織田作之助 | その前に、ポーセンセがそんなん許さへんやろ |
坂口安吾 | ああ。あのハワードが主役なら、純粋に見てみたいけどな |
中島敦 | どんな物が出来上がるのか分かりませんが、一見の価値ありでしょうね…… |
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中島敦 | ……あちらは終わったぞ。でかいゴミは始末しておいた |
小泉八雲 | 中島サン、ありがとうございマス! 八面六臂の大活躍デスね |
中島敦 | いや……人並みだろう。それほど働いた覚えはない |
小泉八雲 | さっきまでもう一人の中島サンが別のところのお掃除を手伝っていたデショウ? |
中島敦 | それはあいつが自分で言い出して勝手に手伝っていただけだ 「映画に出してもらって世話になったから」とか…… |
小泉八雲 | ハイ。どちらの中島サンも、心優しい働き者デスね |
中島敦 | ………… |
室生犀星 | 二人とも、これ見てくれよ。棚の奥からたくさんレコードが出てきたんだ せっかくだから、来客の休憩室にする談話室で流そうかと思ってさ 良かったら、一緒に選んでくれないか? |
小泉八雲 | それは楽しそうデスね! 日本の楽器を使った曲もありマスか? |
萩原朔太郎 | どうかな……とにかくたくさんあるんだよ。聞いたことがない外国のレコードも…… |
中島敦 | それは「ヴォルガの舟歌」というロシアの民謡だ 広い館内を歩き回って疲れている客に聞かせるには不向きだろう |
こちらの方が良いんじゃないか |
室生犀星 | 「G線上のアリア」と、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲」…… うん、これなら耳馴染みがあるから、誰が聞いても楽しめるだろう |
萩原朔太郎 | これ、良い曲だよね。ありがとう、君に聞いてよかった |
室生犀星 | でも、音楽を聞かせるなら、本当は生演奏が一番良いよな 楽器が出来る奴もいるんだし。ちょっともったいない気がするな |
中島敦 | ……中庭で時々、マンドリンを演奏しているな あの腕前なら人前でも披露できるだろう |
萩原朔太郎 | ……もしかして僕のこと? む、無理だよ! 絶対無理! 人前で演奏なんて、あがっちゃって訳が分からなくなっちゃう…… |
小泉八雲 | サクサンが演奏するなら、ワタシもお手伝いしマスよ! 一緒にやれば、恐くない、デス! |
中島敦 | いや、無理にやらせる必要はない。本人が無理というなら無理だ |
南風のように温柔なマンドリンの音色が、疲れた人間の心を癒すだろうと 俺が勝手に思っただけだ。忘れてくれ |
萩原朔太郎 | ……う、うう |
……それじゃあ、やってみるけど…… みんな、練習に付き合ってくれる? お客さん役になってほしいんだ…… |
室生犀星 | おう! 朔が前向きにやる気になったんだ。いくらでも付き合うよ! |
- 三周年特別回想 四
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内容 |
広津和郎 | 志賀さん、お疲れ様。頼まれていた皿を持ってきたぞ |
志賀直哉 | おお、広津。忙しいのに悪かったな。助かったぜ お客に振舞う料理の仕込みが大体終わったところだ |
広津和郎 | これ全部志賀さんが作ったのか? いつぞや聞いた通り、本当に手際が良いんだな |
志賀直哉 | はは、まあな。さあ、次は盛り付けを考えるか |
里見? | 志賀兄ーちょっと助けてよ! お鍋が噴いて灰汁まみれになっちゃったんだよ これどうしたらいい? |
志賀直哉 | おいおい、俺に頼ったら料理対決にならないだろ お前らだけでスペシャリテとスープを完成させる! とかなんとか言ってたじゃないか |
里見? | うっ……そうだった。じゃあ武郎兄に聞くから良いもん 志賀兄には頼らない! |
武者小路実篤 | 志賀ー、このサフランっていうの、取り出した方が良いのかな…… あれ、広津くん! どうしたの、お腹減ってるの? |
広津和郎 | いや、志賀さんに皿を届けに来たところだ。だが、朝から働きづめで少々空腹ではある |
有島武郎 | じゃあ丁度いいね。試作品が出来たところだから、味見をお願い出来ないかな |
広津和郎 | ああ、もちろん。これはなんという料理だろうか? |
有島武郎 | 鯛と海老を使ったパエリアと、アスパラガスのポタージュだよ 器が熱いから気を付けて |
広津和郎 | 有難う。とても良い香りだ |
志賀直哉 | 広津、あんまり期待しない方がいいかもしれないぞ? |
武者小路実篤 | もー、口が悪いなあ。広津くん、僕ら三人で一生懸命作ったんだ きっと美味しいから食べてみて! |
広津和郎 | では、遠慮なく |
うん、これは美味い。もしかすると、志賀さん以上ではないか? |
志賀直哉 | なにっ!? |
里見? | やったあ! これならお客さんに喜んでもらえるね、武郎兄、武者さん |
有島武郎 | ああ、ほっとしたよ |
志賀直哉 | くそっ……広津を唸らせるほどのものを出してくるとは…… |
武者小路実篤 | 料理は愛情って、やっぱり本当なのかもねー |
里見? | どう、志賀兄。他のも全部僕らに任せちゃう? |
志賀直哉 | 馬鹿言うな。今から新作を考えて、お前らを上回る逸品を出してやる 広津、俺のも味見していけよ |
広津和郎 | 構わないが……なんだか大変なことに巻き込まれてしまった気がするな |
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井伏鱒二 | 皆、ただいま。お土産がたくさんあるぞ |
徳永直 | 井伏さん、師匠、お帰りなさい! でっかい魚釣れたと? |
幸田露伴 | おう、今回の釣果はまずまずだった。中でも一番の大物はこいつだ なかなか手こずらされたが、二人がかりで釣り上げたぞ |
小林多喜二 | すごい……このでかさ、ひょっとして主じゃないか? |
井伏鱒二 | そんな大したもんじゃないさ。川でもこのサイズは時々見るぞ 釣れたのは露伴さんのお陰だがな |
幸田露伴 | 今日は運が良かっただけだ。さあ、こいつは新鮮なうちに水に離しておいて 造りで客に出そう。こっちの奴は煮付けがいいかな |
中野重治 | 調理場のシンクを空けてあります。僕らも運ぶのを手伝いますよ |
徳永直 | 調理場と食堂はおりゃあたちがピッカピカに磨いといたけん、心置きなく使うて下さい! |
幸田露伴 | そいつは助かった。魚は下処理までの時間が重要だからな |
小林多喜二 | 重治、そっちは俺が持つよ |
| ぐうぅー…… |
小林多喜二 | ……あ |
中野重治 | ごめん、今のは僕だ。そういえばお腹すいたね |
徳永直 | おりゃあもお腹空いたー。今日はおやつ食べる暇もなかったけん、仕方なかよ |
幸田露伴 | そういうことなら、まずは今日の功労者をご馳走で労わないとな 魚をシンクに移している間にお前らの食べる物を作ろう |
小林多喜二 | 良いの? |
井伏鱒二 | 魚料理ならオジサンもちょいと腕に覚えがあるぞ このイワナは、七輪で塩焼きにするだけで最高の御馳走になる |
徳永直 | そりゃ絶対うまかね! せや、お客しゃんにも出したらどうやろうか? |
小林多喜二 | 俺たちが串打ちをしておいて、自分で焼いてもらうとか……? |
中野重治 | 魚以外に野菜なんかも用意しておくと良いかも。あっ、子供用に甘い物とか |
井伏鱒二 | ハハッ、アイディアが膨らむなあ。飯を食いながら、ゆっくり相談しようか |
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永井荷風 | 佐藤君、なにをやっているんだ。トレーの上のグラスがぐらぐらしているよ しっかり腹に力を込めて立ちたまえ |
佐藤春夫 | なあ……これは本当に必要なのか? なんで本を頭の上に乗せて水の入ったグラスを運ばなきゃならないんだ 俺は別に給仕のプロを目指しているわけじゃないんだが…… |
谷崎潤一郎 | 春夫さん、よそ見をすると危ないですよ |
永井荷風 | 人が丹精込めて作った料理や菓子を、格好だけのサービスで台無しにするつもりかね? 客には君が誰かなんて関係ないんだよ。店に立つ以上は自分が店の顔だと自覚して 完璧なサービスで客をもてなすべきだろう |
出来ないなら裏に引っ込んでケーキ作りを手伝ってき給え 君の代わりは案山子でも立てておけばいい |
佐藤春夫 | そこまで言うことないだろう! 今だってこうやって練習しているのに |
谷崎潤一郎 | ええ、少しずつですが出来るようになっています。あと一息ですよ |
永井荷風 | 僕が指導しているんだ、出来るようになって当然だよ |
梶井基次郎 | 練習もいいけれど、少し休憩しないかい? ケーキを持ってきたよ |
三好達治 | 梶と二人で作ったんで、皆で味見をしてくれると嬉しいッス |
梶井基次郎 | 達治がケーキを焼いて、俺が飾りつけをしたんだ 左からタルトシトロン、ミルフィーユ、フレジエピスターシュ 我ながら、なかなか上手に出来たと思うよ |
谷崎潤一郎 | なんて美しいのでしょう……どれにしようか目移りしてしまいますね |
永井荷風 | 君は優れた美的センスの持ち主のようだね。とても美味しそうだよ 一時休止して頂こうか、谷崎君 |
谷崎潤一郎 | はい、荷風先生。お茶をご用意しますね |
佐藤春夫 | ……谷崎は座っていてくれ。俺がお茶を淹れてくる |
梶井基次郎 | おや、佐藤さんは食べないのかい? 残念だなあ |
佐藤春夫 | いや、後で食べる。俺の分は残しておいてくれ |
三好達治 | 自分から進んでお茶を淹れるなんて、格好だけじゃなくて本気でやるつもりなんスね 最初はあんまりやる気がないように見えましたけど |
佐藤春夫 | 今も別にやる気があるわけじゃない 架空の客相手に練習するより、実践で覚えた方が早いと思っただけだ |
永井荷風 | フッ……では、厳しくチェックしてあげよう |
谷崎潤一郎 | 春夫さんのお給仕で頂くケーキ、楽しみですね |
- 三周年特別回想 五
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内容 |
三木露風 | みなさん、こんなところにいたんですね! |
中原中也 | ああ、なんかバタバタしてっから、オレ達は避難してたんだ |
三木露風 | それは、もしかしなくてもサボっているということでは? |
若山牧水 | うーん、そういうつもりはなかったが……そうかもしれねえな |
石川啄木 | もう明日だったか? みんな気合入ってるよな |
吉井勇 | ああ、にわかに慌ただしくなってきた てっきり俺たち内輪のお祝いだって思ってたんだが違うみたいだな? |
若山牧水 | 聞いたところによると、三年に一度の盛大な祭りだって…… |
三木露風 | そうです。明日は街の人達もやってくるのですから くれぐれも飲んだくれて痴態を晒すようなことはしないでくださいね |
吉井勇 | 痴態って、そんな風に言わなくてもよ……まあ前科はあるから仕方ないか |
北原白秋 | 夜には別に僕たちだけのお祝いをするらしいから、それまで我慢すればいいのだよ |
石川啄木 | おっ、そうなのか。そいつは俄然楽しみになってきた |
三木露風 | では、みなさんには当日の手伝いをお願いします。これに目を通しておいてください 君もですよ白秋、図書館の人間は例外なく参加必須です |
北原白秋 | わかっているよ。君の言っていた、有碍書ができていないか見張る大事な役は謹んで頂戴するさ |
石川啄木 | よーし、受付だの片付け係だの楽な仕事は任せろ! |
若山牧水 | ったく、現金なやつだなあ |
中原中也 | どれどれ……当日の企画……出し物をやるのか? 古本と蚤の市、絵本の読み聞かせ、素人演劇……随分と手広くやるんだな |
吉井勇 | 図書館は街の文化を担う場所だから、こういった祭りが定期的に行われるんだとよ |
北原白秋 | 変わった趣向だと思っていたが、そういう意味があったのだね。納得だよ |
中原中也 | へえ、そんなら成功させなきゃな。いっちょ協力してやるか |
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森鴎外 | いよいよ文士劇の復活ですね 坪内殿が描き下ろした作品を見られるとは……これ以上ない贅沢な舞台になりますよ |
尾崎紅葉 | もう明日か……時が流れるのは早いものだな |
坪内逍遥 | 新作ロミオとジュリエット…… 内輪でやる予定だったものですが、このような発表の場が得られたことは幸運です |
尾崎紅葉 | 我らが衣装や小道具づくりを手伝ったおかげだな |
坪内逍遥 | ええ、おかげさまでどちらもバッチリです。ご協力ありがとうございました 鴎外君も。忙しいのに、小道具づくりを手伝ってもらってしまったね |
森鴎外 | いえいえ、お手伝いすると言ったのはこちらです それに、準備に奔走する坪内殿や紅葉殿を見ているだけでこちらも楽しくなってきましたよ |
尾崎紅葉 | ああ、劇も面白いものに仕上がった。評判が楽しみだな |
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徳田秋声 | 逍遥さんからロミオとジュリエットをやるからロミオを演じてくれって 言われた時はどうしようかと思ったけど、やってみると意外とできるものだね |
泉鏡花 | そうですね。ですが、こんなものなのでしょうか 本番も近いですが、自分の演技にはあまり自信が持てません |
徳田秋声 | ……気になっていたんだけど。君のジュリエット、だんだん刺々しくなってきてないかい? |
泉鏡花 | そうでしょうか。きっとロミオの態度が煮え切らないからでしょう 確かにロミオに問い詰める場面ではまるであなたに問い詰めているようで もしかしたら、私情が入ってしまっていたかもしれません |
徳田秋声 | あくまでも僕はロミオ役だよ。ロミオと似ているからって一緒にしないでくれ…… |
坪内逍遥 | ははは、それはそれは。力が入るのはいいことですよ |
泉鏡花 | 逍遥さん |
坪内逍遥 | 明日上演されるのは君たちだけのロミオとジュリエットです 他の人が演じたとしても、君達のものとは違ったものになる…… |
自然体で演じてください。私情が入っても構いません 登場人物に自分を重ねる……演劇とは、そういうものですから |
泉鏡花 | 自然体で演じる、ですか。逆説的ですが……練習を経てきた今ならその意味がわかります |
森鴎外 | 三人とも、そろそろリハーサルを始めるぞ |
坪内逍遥 | おっと、話し込んでしまっていました では、始めましょうか |
徳田秋声 | 鏡花、お手柔らかに頼むよ |
泉鏡花 | わかりました。努力しましょう |
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高村光太郎 | さて、こんなものかな |
草野心平 | おいらも完成! 花壇の季節の花で彩ったフラワースタンドだよ。名付けて、『感謝の色彩』! |
宮沢賢治 | うわあ、とっても綺麗! これ、心平がずっと育てていたやつだよね 緑、桃、白……カラフルな点滅灯みたいだ |
草野心平 | えっへん。そうでしょ、そうでしょ! |
宮沢賢治 | 光さんの絵もかわいい! これ、ネコさんだよね。他にも色んな生き物がいる…… |
草野心平 | 光太郎さんは大活躍だね。坪内さんの劇も手伝ってるって聞いたよ |
高村光太郎 | うん、物語に出てくるお城の大きい絵が欲しいって言われたから、書いたんだ 坪内さんが描き下ろした、ロミオとジュリエットを元にしたコメディを上演するんだって |
新美南吉 | 鏡花さんと秋声さんが主人公なんだって、とっても面白そう……見に行かなきゃ! |
小川未明 | 準備もすっかり整ったね。あとは明日の朝、みんなを迎えるだけだよ 天気も晴れるみたいだし、たくさんお客さんが来るだろうね |
宮沢賢治 | 晴れるの? よかったね心平、てるてる坊主さんたちが頑張ってくれたみたい |
高村光太郎 | 図書館の窓にいっぱい吊るされていたけど、賢治さんたちが作っていたんだね |
草野心平 | うん。名付けて、『てるてる兄弟』……どうしても晴れてほしかったから張り切っちゃった |
小川未明 | 楽しみだね、南吉の書いた絵本も読み聞かせするんだって? |
新美南吉 | うん、むしゃさんがぜひやろうって |
草野心平 | ふふ、子どもたちの笑顔が目に浮かぶようだよー |
小川未明 | うん、きっと楽しんでくれる |
新美南吉 | うん…… |
小川未明 | どうしたの? |
新美南吉 | どうしよう、ワクワクして眠れないかも |
高村光太郎 | はは……大丈夫だよ、僕が物語を読んであげるから |
新美南吉 | うんと眠くなるのをお願い! |
- 三周年特別回想 六
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内容 |
アカ | はー楽しかった! みたか? あのロミオとジュリエット ロミオとジュリエットってあんな話だったんだな、知らなかったぜ…… |
アオ | 絵本の読み聞かせも盛況でしたね 当分、あの絵本は本棚の目立つところに置いておくべきかもしれません |
アカ | 感謝祭はもう終わりだな、あと残すところは祝賀会だけか 見た所ほぼ集まっているみたいだし、はやく始めちゃおうぜ。俺腹減ったもん |
館長 | ……そういえば、ネコはどこにいった? |
アオ | きっと人に追いかけ回されるのが嫌で影を潜めているんだと思います |
館長 | はは、あいつらしいな。あんなに人がいたなら無理もないか。もうすぐ帰ってくるだろう |
それにしても大所帯だな…… |
アオ | 図書館にこんなに人がいるなんて、でしょう |
アカ | この賑わいにはすっかり慣れてしまってたもんな |
館長 | ああ、司書を特務司書として迎えた時には、ここまで人の輪が広がるとは思ってもいなかったよ 文豪たちのおかげで文学は今も守られている、感謝しないとな |
| |
太宰治 | あー、この寿司、めちゃくちゃ美味いな |
ん? んん? |
でっか! これケーキか……こんなのがあるなんて聞いてないぞ…… |
芥川龍之介 | あっ、太宰くん。いいところに |
太宰治 | あ、芥川先生! どうされたんですか! |
芥川龍之介 | 司書さんを探してきてって言われたのだけど、見当たらなくて |
ケーキも出しちゃったし、そろそろ時間なんだけど…… |
太宰治 | そ、それは一大事です、俺もお手伝いします! |
芥川龍之介 | いいの? ありがとう |
| |
太宰治 | おーい。なんでこんなところで寝てるんだ。幸せそうな顔だなおい |
(選択肢) | [うーんむにゃむにゃ] [もう食べられないよ……] |
太宰治 | 何言ってんだ、起きろって! |
こんなところで居眠りかよ、探したんだぜ |
見つけましたよ芥川先生! こっちです。まだ寝ぼけてるみたいだけど |
芥川龍之介 | 司書さん、探したんだよ。もう祝賀会は始まってるよ |
太宰治 | あとはアンタが来るだけだってさ はやく来ないと、安吾たちがうまいもん全部食っちまうぞー |
芥川龍之介 | みんな準備万端だよ いつもお世話になっている司書さんを驚かそうって待っているんだから ケーキ、好きだったよね? みんなでとても大き…… |
太宰治 | ああっ、芥川先生、そこまでです! ほら、話はコレくらいにして行きましょう! |
芥川龍之介 | そうそう、これは秘密なんだった |
太宰治 | とにかく、主賓がいなくちゃ始まらない! |
| |
太宰治 | よし、準備できたか |
| …… |
芥川龍之介 | ふふ、そんなに緊張しなくていいよ |
さあ、行こう! |
バレンタイン限定回想 †
2021年02月10日から02月14日に1本ずつ公開された。
図鑑での閲覧は03月17日まで。
+
内容 |
夏目漱石 | ふふ……皆喜んでくれるでしょうか |
梶井基次郎 | 夏目さん、とても楽しそうだね |
夏目漱石 | おっと、これは迂闊でした。見られてしまいましたか |
梶井基次郎 | 隠しても分かるよ。なにか面白いことを計画しているんだろう? 俺にも教えて欲しいな |
夏目漱石 | そうですね……貴方になら、お話ししても良いでしょう |
貴方は、二月十四日のことはご存知でしょうか |
梶井基次郎 | 大切な人に、感謝の気持ちを込めて、甘いものや花を贈る日らしいね 図書館に来てから初めて知ったけれど、とても楽しい風習だよね |
夏目漱石 | そうです。私はこの機会に、日頃気にかけてくれる弟子達に 贈り物をしようと考えているのですが…… |
木曜会に来る弟子達は、近隣の店の菓子を食べ慣れているでしょうから 思い切って菓子を手作りしてみようと思い立ったのです これまでに経験のないことですが、何事も挑戦してみなくては |
梶井基次郎 | 手作り……へえ、すごく良いね! これからお菓子を作るの? |
夏目漱石 | そうです。こうしてレシピも用意して、特別な材料も手配したのです 大切な弟子達には、美味しいものを食べさせてあげたいですから |
梶井基次郎 | ふむふむ、これは外国のケーキだね。レシピも本格的だ |
夏目漱石 | ……ですが、上手く行くだろうかと、少し不安にも思っております なにせ初めてのことですから |
梶井基次郎 | そういうことなら、俺が一肌脱ごうか このケーキは作ったことがあるから、役に立てると思うよ |
夏目漱石 | 本当ですか? |
梶井基次郎 | ああ。俺も贈り物をしたいと思っていたところだし |
夏目漱石 | それなら是非。失敗しても良いように、たくさん材料を用意したので 一緒に作りましょうか |
+
内容 |
梶井基次郎 | よし、着替えも終わったし、レシピも用意した |
夏目漱石 | 準備万端ですね。はじめましょう |
| ガシャーン! |
梶井基次郎 | ん? なんの音だろう |
夏目漱石 | 厨房の方から聞こえたようですね。私たち以外に誰かいるのでしょうか |
| |
泉鏡花 | ああっ……またやってしまいました なぜ上手くいかないのか…… |
| |
梶井基次郎 | 泉さんじゃないか |
泉鏡花 | 梶井さんに……夏目先生。どうも お二人がご一緒とは珍しいですね |
夏目漱石 | ええ、思いもよらなかったことですが、一緒に菓子作りをしようという話になりまして |
泉鏡花 | ……そうだったのですか |
梶井基次郎 | ふふ、面白いだろう? その格好をしているということは、泉さんもなにか作っているのかな |
泉鏡花 | ええと……そうですが…… |
夏目漱石 | 教えて下されば、なにかお手伝いできることもあるかもしれませんよ |
泉鏡花 | い、いいえ。余計なお世話です! |
梶井基次郎 | おや…… |
泉鏡花 | ……………… |
夏目漱石 | ……ん? なにか、妙な匂いがしませんか 焦げ臭いような…… |
梶井基次郎 | ! 大変だ、オーブンから煙が出ている |
泉鏡花 | しまった、目を離した隙に……! |
夏目漱石 | 梶井さん、すぐに窓を開けましょう! |
| |
夏目漱石 | ふう……少々驚きましたが、大事がなくてよかったですね |
梶井基次郎 | 泉さんの作っていたものは、真っ黒に焦げてしまったけどね…… |
泉鏡花 | お二人にも片づけを手伝ってもらってしまい、申し訳ない気持ちで一杯です |
梶井基次郎 | 大した事じゃないよ。それより、貴方は随分落ち込んでいるね |
泉鏡花 | ……………… |
夏目漱石 | なにか事情があるようですね 菓子作りに取り掛かる前に、お伺いしましょうか |
+
内容 |
梶井基次郎 | なるほど。尾崎さんや徳田さんに贈り物をする為に、お菓子作りに挑戦していたんだね |
泉鏡花 | ええ、紅葉先生は甘いものが大変お好きですから 甘味を贈れば必ず喜んで下さるだろうと |
夏目漱石 | そうですね。それも愛弟子の手作りとなれば、きっと喜ばれるでしょう |
泉鏡花 | 司書さんの仕事を手伝えば調理用の服を支給してもらえると聞いたので 手伝いに励み、こうして準備をしてきたのですが…… |
先ほどから一向に上手くいかず……失敗続きなのです |
夏目漱石 | 何故でしょうね。泉さんは特別不器用な方だと思いませんが |
泉鏡花 | それが僕にも分からないのです。レシピの通りにやっているつもりなのですが どうしても思ったようなものが出来ない…… |
梶井基次郎 | ……ああ、ふうん。なるほどね |
上手くいかない原因が分かったよ |
泉さんはコンロでチョコレートを火にかけながら、作業台でクリームを泡立てて オーブンでスポンジを焼いていた……そうだよね? |
泉鏡花 | え、ええ。レシピを熟読して、そこに書いてある通り…… |
梶井基次郎 | このレシピは、お菓子作りに精通した人のために書かれたものだよ 作りなれていない泉さんが、この作業を同時並行でするのは難しいと思うな |
夏目漱石 | ええ。菓子というものは、相応の訓練を積んだ専門の職人が その持ち得る技術の全てを結集させて作り上げる芸術品ですから ひとつひとつの工程に、その知識と経験が宿っているのです |
本を読んで手順を頭に入れても、熟練の職人のように 腕を揮うことは難しいでしょう |
泉鏡花 | では……諦めるほかないでしょうか |
梶井基次郎 | 泉さんの目的は、美味しいお菓子で尾崎さんに喜んで貰う事だろう? 心がこもっていれば、尾崎さんはなんでも喜んでくれると思うな |
泉鏡花 | ……僕は先生に褒められようとするあまり、身の丈に合っていない無茶を やろうとしていたのですね……なんとあさましい。恥ずかしい事です |
夏目漱石 | お世話になっている人に最高のものを贈ろうという貴方のお心がけは立派なものですよ それを恥じる必要はありません |
泉鏡花 | はい……初心者の僕でも作れるものを探してみます |
梶井基次郎 | 幸い、ここにレシピがたくさんあるから、見てみるといいよ |
それにね、自分に出来ないことは、得意な人に教えて貰えばいいんだよ 例えば、ここにいる俺とかね。お菓子作りはちょっとした腕前なんだよ? |
夏目漱石 | 微力ながら、私も力添えをしましょう |
泉鏡花 | お二人が手伝ってくださるのですか……? |
梶井基次郎 | もちろん! |
夏目漱石 | 梶井さんの手を借りて、共に人を喜ばせる菓子を作ろうではありませんか |
泉鏡花 | はい……それでは、ご指導ご鞭撻をお願いします |
+
内容 |
三好達治 | 梶……大丈夫かな |
徳田秋声 | ……何してるの? |
三好達治 | うわっ! |
徳田秋声 | わっ! なんだよ、大声出して…… |
三好達治 | しーっ! 秋声さん、聞こえちゃうっス! |
徳田秋声 | 大声を出したのは僕じゃなくて君だろ…… |
三好達治 | 梶と、夏目さんと泉さんがお菓子を作ってるんスよ 邪魔しないでやってください |
徳田秋声 | え、三好くんはそれを見張ってたの? |
三好達治 | いや、見張ってたんじゃなくて心配で……梶の奴、マイペースだから 二人を振り回して迷惑かけてるんじゃないかと |
徳田秋声 | ……話を聞いて僕も心配になってきた 鏡花は潔癖症だから、お菓子なんか作れるはずないのに 一体どういう風の吹き回しなんだ? |
| |
梶井基次郎 | うーん、こんなものかな |
夏目漱石 | ほう、このケーキの生地は、焼く前から表面がつやつやしていますね やはり貴方の腕前は際立って優れているようです |
梶井基次郎 | ふふふ。俺は自分の感性に正直に作っているだけだよ でも、褒められるのは嬉しいね |
泉鏡花 | 素晴らしい……僕が何度やっても、このようにはなりませんでした 同じ材料を使っているのに、こうも違うなんて…… |
梶井基次郎 | 大丈夫。俺が教えてあげるから、貴方もきっと出来るようになるよ |
夏目漱石 | 見ていて大変勉強になります |
梶井基次郎 | 夏目さんは仕事が丁寧だし、お菓子のことも詳しいから頼りになるよ |
夏目漱石 | そう言ってもらえるとやりがいがありますね 私もだんだん楽しくなってきました |
梶井基次郎 | 胸を張って渡せる出来になりそうだね。さて、次は…… |
泉鏡花 | 夏目先生のチョコレートのケーキでしたね 材料はレシピ通り、一グラムの狂いもなく正確に量ってあります 道具も完璧に消毒してありますので |
梶井基次郎 | ありがとう、とても助かるよ! |
夏目漱石 | では、この調子でどんどん作ってしまいましょう |
泉鏡花 | はい、レシピの続きを読み上げます |
| |
徳田秋声 | ……驚いた。鏡花が人のやることにケチをつけずに、素直に作業を手伝っているなんて |
三好達治 | 二人は梶の感性を認めて、さりげなく褒めてやる気を出させてくれてるっスね |
徳田秋声 | 手助けは必要なさそうだね。ここからそっと見守るに留めよう |
+
内容 |
梶井基次郎 | 最後にミントとレモンピールを載せて……と これで完成だ! |
泉鏡花 | クッキーも出来上がりました 先程とは違って、香ばしい良い香りがしています |
夏目漱石 | チョコレートクリームと苺の色味が、絶妙なバランスに仕上がりました 早く味見をしたいものですね |
梶井基次郎 | うん。皆に振舞う前に、三人で味見をしちゃおうか |
| |
夏目漱石 | この時を待ちわびていました。やっと菓子を頬張ることが出来るのですね |
梶井基次郎 | きっと美味しく出来ていると思うよ |
泉鏡花 | 紅葉先生が喜んで下さると良いのですが |
尾崎紅葉 | 我を呼んだか、鏡花 |
泉鏡花 | 紅葉先生! どうして食堂に? |
尾崎紅葉 | 外の廊下を通りかかったら、甘い匂いが漂っておったので 誘われるままにやってきたのだよ。まさか汝が菓子作りをしているとは思わなかったが |
正岡子規 | 美味そうな菓子だなあ! これ、夏目たちが作ったのか? 味見させてくれ、夏目! |
夏目漱石 | 全く。後で驚かそうと思っていたのに、先に乗り込まれてしまうとは…… |
尾崎紅葉 | 鏡花、我の分もあるのか? |
泉鏡花 | はい。紅葉先生の為に、心を込めて作りました。是非召し上がってください |
| |
尾崎紅葉 | これは美味い! 上品な甘みと、快い歯ごたえ これほど美味い菓子は、これまで食ったことがない |
正岡子規 | カカオの香りが甘みを引き立てているな 出来立ての菓子ってこんなに美味いのか。いくらでも食えそうだ! |
夏目漱石 | ふふ、そうだろう。一流の腕前を持つ人に教わって作ったのだからね |
泉鏡花 | 先生、気に入って頂けましたか |
尾崎紅葉 | ああ。我は満足だ 褒めて遣わすぞ、鏡花 |
| |
梶井基次郎 | お菓子作りは大成功だったね |
泉鏡花 | ああ……一時はもう駄目かと思いましたが 思った通りの、いえ、思った以上のものが出来ました |
一人では決して成し遂げられなかったことです お二人ともありがとうございます |
夏目漱石 | なにを仰いますか。三人で力を合わせた結果ですよ |
梶井基次郎 | 泉さんの笑顔が見られて俺も嬉しいよ |
さあ、お茶を淹れて、至福の時に手を伸ばすとしよう |
ロード画面 †
2021年05月19日から実装された、ゲーム開始時のロード画面に表示される文豪たちの会話。全63種(今後追加予定あり)の中からランダムで表示される。
回想図鑑には登録されない。
+
+
名前 | 内容 |
芥川龍之介 | お風呂に入るの、面倒だよねえ…… せめて楽しくなるコツってないかな? |
宮沢賢治 | 芥川さん、ボクが良い事教えてあげる! 一緒にお風呂に入る友達がいれば お風呂が楽しくなるよ! |
高村光太郎 | 木彫りであの生き物をたくさん作ってほしい? うん、構わないよ お風呂で浮かぶように工夫してみるね |
+
名前 | 内容 |
泉鏡花 | 皆さんが楽しんでいるチョコレート…… 僕も食べてみたいのですが、 火で炙ると溶けてしまうのですね |
ゲーテ | 悲しい顔をなさらないで下さい ホットチョコレートはいかがでしょう? 私が御馳走しますよ |
永井荷風 | ほう、チョコレートを溶かして作る本場のショコラか 実にいい香りだ。僕にも一杯頂けないだろうか |
+
名前 | 内容 |
夏目漱石 | 正岡、句の題材を探しに散歩に行かないかい? |
正岡子規 | おっ! 俺もちょうど腹が減って…… いやいや、句作をしようと思っていたところだ 出掛けるとするか! |
高浜虚子 | 子規さん……俺の目の届かないところで たらふく食べようとしていませんか? 俺も同行しますからね |
+
名前 | 内容 |
島崎藤村 | 今日こそ錬金術の秘密を突き止めたい…… 些細な事でも、糸口が掴めるまで見張っていよう…… |
国木田独歩 | おっ、張り込み取材か。俺も付き合うぜ、島崎 |
正宗白鳥 | ……お前の髪と服の色は遠目でもはっきりと見える 張り込みには向かないだろうな |
+
名前 | 内容 |
志賀直哉 | お、こいつは美味そうだな 料理して、あいつらに振舞ってやろう |
里見? | し、志賀兄が草むらで採ってるのって、まさか…… やだー! 僕絶対食べたくない! |
武者小路実篤 | 志賀が探してるのは、料理に使うハーブだよ! 里見くん、なにを想像したの? |
+
名前 | 内容 |
川端康成 | ……島田さん、素晴らしい作品です…… 感動のあまり涙が…… |
横光利一 | 川端が手放しで人を褒めるとは……! 島田さんの新作か? 是非、手前にも見せてほしい |
島田清次郎 | フッ……では特別に聞かせてやる 新作、「秋の聲を称えしは稲妻の破調」だ 俺の美声の虜になれ! |
+
名前 | 内容 |
梶井基次郎 | 朔さん、俺はついにやったよ! あの得体のしれない不吉な塊を 粉々に吹き飛ばしてやったんだ |
萩原朔太郎 | ふふ……すごいね梶井くん 自分も、早く非力な人生を抹殺したいな…… |
三好達治 | さ、作品が出来上がったって話っスよね!? 二人とも、言い方が不穏すぎます! |
+
名前 | 内容 |
広津和郎 | あっ、万年筆がない…… どこかで落としてしまったのだろうか |
山田美妙 | ああ、僕が拾ってあげましたよ もうすぐ書き終わりますから、少々お待ちを |
二葉亭四迷 | おい、それは広津くんの万年筆だったのか? 何故平気で人の物を使えるんだ、お前は…… |
+
名前 | 内容 |
坂口安吾 | やっぱりすごいな、乱歩の小説は! ことごとく予想を裏切られたぞ |
谷崎潤一郎 | 次はどんな展開になるのでしょう…… 早く続きを読みたいですね |
江戸川乱歩 | フフフ、最後までお楽しみに! (まだ考えていないとは言えませんね……) |
+
名前 | 内容 |
坪内逍遥 | おや、見馴れない掛け軸がかかっているね インタレスティングな妖怪画だ 誰の作品だろう? |
小泉八雲 | エヘン! ワタシが描いたのデス 永井サンに借りた浮世絵をお手本にしマシタ |
小川未明 | ……え? ちょっと待って このドクロ、今笑ったような…… 気のせい……だよね……? |
+
名前 | 内容 |
佐藤春夫 | 太宰、なんで芥川の本を何冊も持っているんだ? 一冊で良いだろ |
太宰治 | 良くないですよ! これは自分用で、こっちは観賞用 それに布教用も必要なんです! |
織田作之助 | この図書館で芥川センセの事知らん人おらんやろ…… |
+
名前 | 内容 |
井伏鱒二 | 今日は大漁だったぞ。今晩の酒の肴にどうかな |
檀一雄 | 美味そうだ! 酒もたくさん用意して 今夜は春夫先生を囲んで宴会をしましょう |
中原中也 | クソッ……いい匂いさせやがって! オレも今だけ春夫に弟子入りしたい…… |
+
名前 | 内容 |
中島敦 | わ、私にパーティのお誘い…… 誰からでしょうか……? |
フィッツジェラルド | よう、親友! 待ってたぜ! 今日は猫好きの奴限定のパーティなんだ 楽しんで行ってくれよな |
ヘミングウェイ | 人に馴れた猫がこれほど沢山……ここは楽園か? ……今日だけは、お前の顔の広さに感謝しよう |
+
名前 | 内容 |
若山牧水 | 旅先でも酒を飲みたいが、瓶を持って歩くのは大変だ なにか上手い手はないもんか |
草野心平 | おいら良い事思いついちゃった! お酒が飲めて、土地の美味しい物も食べられる方法! |
河東碧梧桐 | へえ〜……旅先の居酒屋さんでアルバイトかあ 楽しそう! 俺もやってみようかな? |
+
名前 | 内容 |
石川啄木 | あーあ、世知辛い世の中だ 汗水垂らして働いても、ちっとも楽になりゃしねえ |
ドストエフスキー | 手元に残るのは数枚の紙切れ…… 真面目に働いた人間が馬鹿を見る社会は間違ってるぜ |
トルストイ | 君たちの言う通りだけど…… 二人は賭け事につぎ込むのを止めれば お金貯まるんじゃない……? |
+
名前 | 内容 |
幸田露伴 | どうした直。ぼんやりと口を開けて なにか悩み事か? 俺でよければ話を聞こう |
徳永直 | あっ師匠! 悩み事やなかとです あの雲、鶏の唐揚げに似ちょると思って! |
中野重治 | うん。美味しそうな形の雲だね 僕もお腹空いてきちゃったなあ |
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名前 | 内容 |
吉川英治 | むむむ、なかなかやるな……! だがこの勝負、我としても負けられぬ!! |
斎藤茂吉 | 気迫だけで牛を圧倒している…… 流石は修羅場を潜り抜けてきた強者だな |
伊藤左千夫 | 乳しぼりで牛さんを圧倒しちゃダメだよ! モキチくん、吉川さんを止めてー! |
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名前 | 内容 |
岩野泡鳴 | ちっくしょう、有島のヤロー またオレ様の手紙を無視しやがった! 返事が来るまで送り続けてやる! |
小林多喜二 | 闇雲に手紙を送るだけではダメだ 返事を書きたくなる工夫をしないと 有島サンの好物を添えるのはどうだ? |
有島武郎 | 今度は手紙と、甕いっぱいの漬物……? 「美味い漬物を贈ってやる。有難く食え」 ……あの人のやる事はやはり意味が分からない |
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名前 | 内容 |
直木三十五 | はっはっは、良い感じに場があったまってきたな よーし、景気づけにもう一杯飲もうぜ! |
山本有三 | 直木の周りはいつも賑やかで楽しそうだねえ アンタもつられて羽目を外し過ぎるんじゃないよ、勇 |
吉井勇 | いや……俺はともかく、あいつは下戸だから 持ってるのは珈琲のはずなんだが……? |
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名前 | 内容 |
菊池寛 | 今日は少し暇なようだな おーい、誰か外に飯食いに行かないか 俺の奢りだぞ |
直木三十五 | あっ、馬鹿! オマエでかい声でそんな事言うと |
芥川龍之介 | 皆続々と集まってきちゃったねえ ふふ、大名行列みたいだ |
+
名前 | 内容 |
中里介山 | あの後ろ姿……この強風の中で絵を描いているのか 彼の不動の精神力を、私も見習おう…… |
有島武郎 | ……………………すう……すう…… |
徳冨蘆花 | 有島さん……絵筆持ったまま寝ちゃってる? |
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名前 | 内容 |
三木露風 | ふむ……良い言葉が降りてきません もう少しで、なにかつかめそうなのですが…… |
北原白秋 | 言葉は自然や人の営みの中にあるものだ 街で甘い物でも食べて、気分転換をしてはどうかね? |
室生犀星 | 白さん、また上手いこと言って 三木にお使いを頼んだでしょう 煙草ぐらい自分で買いに行って下さいよ! |
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名前 | 内容 |
新美南吉 | ぎゃわずさん、お手てを怪我してるよ お医者さんに診てもらわなくちゃ! |
草野心平 | 先生、お願いします! ぎゃわずを助けて下さい! |
徳田秋声 | はあ……一応みてあげるけどね 僕は縫い物が出来るだけで、 ぬいぐるみの医者じゃないよ…… |
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名前 | 内容 |
鈴木三重吉 | もーっ! 乱歩も寛も龍之介も 皆原稿間に合ってないじゃないかー! 誰が穴埋めすると思ってるの!? |
久米正雄 | 全くです……評論と俳句の講評を書いて さらに穴埋めの挿し絵も描くなんて そんな事が出来るのは…… |
松岡譲 | それ、君なら出来るよね……? むしろ久米以上の適任はいないと思うよ…… |
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名前 | 内容 |
内田百閒 | 紅葉さん、俺の故郷の饅頭をどうぞ! 甘いもの好きと聞いて、お裾分けに来ました |
尾崎紅葉 | なんと美味い饅頭なのだ! これは、つい手が伸びてしまうな |
森鴎外 | ……君たち、いくらなんでも食い過ぎだ 大人なのだから適量というものを考えてくれ |
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名前 | 内容 |
北村透谷 | 君の帽子、とっても可愛いね ねえ、このリボンも付けてみない? きっとよく似合うよ! |
堀辰雄 | わあ……帽子が華やかになりました ありがとうございます。もっと教えて下さい! |
田山花袋 | 透谷が来てから、可愛い格好の奴が増えたような…… なんか……複雑な気分だ…… |
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名前 | 内容 |
ラヴクラフト | 地図、異常、起こる、起こりました…… 邪悪な意思。陰謀、謀略、ですか……? |
夢野久作 | エエ、そうかもしれません…… 地図を見ているのに道に迷うなど…… |
ポー | 愚か者め。方角を無視して地図ばかり 見ているからそういう事になる 私が見てやるから、地図を寄こせ! |
+
名前 | 内容 |
コナン・ ドイル | この池に棲む妖精を、どうしても この手で釣り上げたいんだ 釣りの名手である君に指南を頼みたい |
井伏鱒二 | ふむ……俺なんかで良いんですかい? 釣り名人は他にもいるが |
ルイス・ キャロル | 全く釣れないので、皆さん根負けしてしまったんです 迷惑でなければ付き合ってあげて下さい |
+
石川啄木・若山牧水・北原白秋(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
石川啄木 | おっ、かき氷……良いじゃん! 俺様はイチゴにしようっと。ぼっさんは? |
若山牧水 | 俺ぁ氷だけで十分さ この透明のシロップをかけるからよ……へへへ |
北原白秋 | 牧水。子供たちがいる食堂は飲酒禁止だよ バーに行ってこっそり楽しみたまえ |
+
鈴木三重吉・小川未明・内田百閒(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
鈴木三重吉 | 未明ー! 今日は街で花火があるらしいよ 皆で見に行かない? |
小川未明 | ああ、花火が見たいのなら 図書館によく見える場所があるよ 僕が教えてあげる |
内田百閒 | ここに居ながら花火が楽しめるのか! それはいいねえ、早く夜にならないかなあ |
+
堀辰雄・川端康成・広津和郎(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
堀辰雄 | 最近暑い日が続いてますね どこか涼しいところに行きたいです…… |
川端康成 | 貴方がそういうなら……本を探してきましょう |
広津和郎 | ん? ……ああ! 『伊豆の踊り子』へ潜書するということか。確かに あそこは涼しいだろうな。司書さんに頼んでみよう |
+
萩原朔太郎・フィッツジェラルド・室生犀星(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
萩原朔太郎 | うっお祭りは人が多いから苦手だよ…… 犀……何処行ったの……犀…… |
フィッツジェラルド | どうしたんだ親友? 迷子になったのか ほら、涙を拭きな。湿気た面してると 楽しい気分が逃げちまうぜ |
室生犀星 | フィッツジェラルド、朔を見つけてくれたのか! あんた目立つから、遠目からでも分かったよ 助かったよ! |
+
ネコ・直木三十五・横光利一(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
ネコ | む……そこは吾輩の場所だぞ お前、最近吾輩の行く先々によく現れるな |
直木三十五 | いやーそうなんだよ、最近気づいたんだが オマエはいつも涼しい場所にいるよな オレにも間借りさせてくれ |
横光利一 | 直木、それではネコが可哀想だろう お前は外で映画でも見てこい 映画館の方が涼しくて快適だぞ |
+
ランボー・中原中也・宮沢賢治(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
ランボー | 風が吹くと、どこからか聞こえてくる…… 中也、夏の風には音があるの? |
中原中也 | そうだ。このあるとしもない風に 素敵な音色を付けて、過ぎる季節を思うのだ |
宮沢賢治 | これは風鈴っていうんだよ ボクら、この音を聞くと故郷の思い出が蘇って 自然と詩を書きたくなるんだ |
+
武者小路実篤・ドストエフスキー・トルストイ(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
武者小路実篤 | これから白樺のみんなと自転車で海に行くんだ レーニャたちも一緒に行かない? |
ドストエフスキー | 海……そいつはちょっと気になるが、 このクソ暑い中、自転車を漕ぐのは勘弁だ 俺はパスだな |
トルストイ | 折角誘ってくれたのに…… じゃあ、フェージャは僕と一緒に日光浴しよう この天気で外に出ないのは勿体無いよ! |
+
岩野泡鳴・徳田秋声・斎藤茂吉(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
岩野泡鳴 | 島田の奴、すげー勢いで走ってったな 「灼熱に焦がれし銀の翼よ、静まれ!」 とかなんとか叫んでたし。なんなんだアイツ |
徳田秋声 | ……あ、分かった。あの鎖が熱くて 我慢できなくなったんじゃないかな |
斎藤茂吉 | そうか、この日差しで熱を持ってしまったのだな あれは闇の力を封じているそうだが 大丈夫なのだろうか…… |
+
徳永直・中野重治・小林多喜二(期間限定 2021年7月28日〜2021年8月30日)
名前 | 内容 |
徳永直 | 多喜二、しげじ、暑い中ごくろうさん! サイダー持ってきたけん、これ飲んで休憩しよう |
中野重治 | ありがとう直。良く冷えていて美味しいね |
小林多喜二 | 仕事の疲れが吹っ飛んでいくよ これでもう一頑張り出来そうだ |
+
名前 | 内容 |
ヘミングウェイ | このフローズン・ダイキリは 俺が探し求めたあの店の味とそっくりだ! 君が作ったのか? |
松岡譲 | はい。以前「このバーのダイキリも悪くないが 俺が本当の飲みたい物はこれじゃない」と 嘆いていらしたので、レシピを探してみました |
菊池寛 | 流石は松岡、と言いたいところだが ヘミングウェイの酒を飲む手が止まらなくなったぞ これは……誰が止めるんだ? |
+
名前 | 内容 |
ゲーテ | 皆さんお忙しいようですね? 私もかつては図書館で働いた身 少しはお役に立つかもしれません |
二葉亭四迷 | 天の助けだ。図書館の仕事が忙しくて 猫の手も借りたいのです |
徳永直 | 手伝ってもろうてありがとうございます! 早く終わったら一緒におやつ食べましょう |
+
名前 | 内容 |
正岡子規 | サッチー、茂吉の奴は一体どうしたんだ ずっと神妙な顔でうな重を見つめているが…… |
伊藤左千夫 | モキチくん、鰻が大好きなんです なくなっちゃうのが惜しいんじゃないかな |
幸田露伴 | なるほど……そうだったか 今度いい鰻が入ったら あいつの為に特盛りのうな重を作ってやるかな |
+
名前 | 内容 |
二葉亭四迷 | あの気難しい猫が、俺の手から おやつを食べてくれた……! 有難う敦くん、心から感謝する! |
中島敦 | 猫が食べ慣れたおやつだったからでしょうか 四迷さんのお役に立てたなら嬉しいです |
坪内逍遥 | ふふっ、良かったねえ四迷君 餅は餅屋。猫の事は猫に好かれる人に 訊くのが一番という事でしょうね |
+
名前 | 内容 |
草野心平 | うわ〜ん、ぎゃわずがどっか行っちゃったよう ぎゃわずー! いたら返事しておくれ! |
島崎藤村 | えっ……ぎゃわずって喋るの? ねえ、その話詳しく…… |
徳田秋声 | 今はそんなこと言ってる場合じゃないよ 島崎、君も一緒に探してあげなよ |
+
名前 | 内容 |
鈴木三重吉 | このお野菜苦手だなあ…… でも、残さず食べたら夏目先生が甘味の店に連れて 行ってくれるって言ってたし、頑張って食べるぞ! |
芥川龍之介 | ……! 久米、今の話を聞いたかい ということは僕らも…… |
久米正雄 | …………………… 念のため言っておくけれど、あれは三重吉さんの 特権だよ。君は残さず食べるのが当然だから…… |
+
名前 | 内容 |
山田美妙 | へえ、しゅーくりーを積み上げたお菓子 ですか……こんなものがあるなら 僕も一度お目にかかってみたいねえ |
尾崎紅葉 | 食べたいものがあるならば、菓子作りが 得意な者に頼めばよいではないか 我が一緒に頼みに行ってやろう |
夏目漱石 | それで私の所へいらしたのですか では折角ですから、一緒に作りましょう 自分で作ると美味しさもひとしおですよ |
+
名前 | 内容 |
里見? | 鏡花先生、街で美味しそうなおやつを見つけて 買ってきたんです。お茶にしませんか? |
泉鏡花 | おや、みたらし団子にカステラですか どちらも美味しそうですね |
三木露風 | はい。どちらにするか決めかねていた所 里見さんに声をかけて頂きまして…… 私もご一緒させてもらえますか? |
+
名前 | 内容 |
太宰治 | 憧れの人に近づきたいけど、おこがましくて なれなれしく話しかけられない気持ち…… 分かる、すっげー分かるよ! 俺もそうだから! |
ボートレール | おお! キミも詩人の繊細な心を理解する感性の 持ち主か……僕ら友達になれるかもしれないね キミ、グラスを持ちたまえ! 乾杯しよう! |
坂口安吾 | 酔っ払って相手が誰だか分からず共感してる みたいだが、あれがボートレールだと分かったら アイツ泡吹いて倒れるかもしれないな………… |
+
名前 | 内容 |
ルイス・キャロル | 以前からあなたたちの着物文化に興味があって…… あの、よければ写真に撮らせてもらえませんか? |
高浜虚子 | キャロルが興味を持ってくれて嬉しい 写真だけで良いのか? |
河東碧梧桐 | そうだよ、折角だから、キャロルも着てみたら? 俺達が君に似合う着物を見つけてあげるよ! |
+
名前 | 内容 |
直木三十五 | オマエらみたいにガタイが良くて 強そうな奴を小説の主人公にしたいんだ なあ、何食ったら身体がデカくなるんだ? |
中里介山 | ふむ……難しい問いだ。私は菜食を好むが 全ての者に通ずる考えとは言えないだろう 環境、教育、思想。様々な要因を考える必要が…… |
吉川英治 | 出された物を好き嫌いせず、感謝の心で 頂く事が、我は一番大事だと思うぞ! |
+
名前 | 内容 |
志賀直哉 | なあお前ら、腹減ってないか? 新作が出来上がったところなんだ 食って感想を聞かせてくれよ |
島田清次郎 | 神の舌を持つこの島田清次郎に声をかけるとは アンタなかなか分かっているじゃないか ……田山、それはオレの分だぞ、手を出すな! |
田山花袋 | 神の舌を持ってるなら、料理は出来たてが 一番美味いって分かるだろ? ほら、冷める前に食っちまおうぜ! |
+
名前 | 内容 |
草野心平 | おーい中也ー、どうして床に伸びてるんだい? ひょっとして二日酔い? ねえねえ |
中原中也 | ……分かってんなら耳元ではしゃぐな! おい檀、何でおめえらは元気なんだ? 最後まで一緒に飲んでたはねえか |
檀一雄 | それは俺が作ったおめざのおかげだな 身体に良いものがたくさん入ってるんだ 中也も一杯飲んでみるか? 一瞬で目が覚めるぞ |
+
名前 | 内容 |
ランボー | キャロル、お誘いありがとう 兄貴と一緒に来たよ |
ルイス・キャロル | あ、ボードレールさん……ようこそ え、えっと、あなたは何を飲む? お茶かコーヒーか それともワイン、ラム酒、コニャック…… |
コナン・ドイル | ドジソン君、君は気を回し過ぎだよ なんでもない日のお茶会なのだから いつも通りお茶を淹れたまえ |
+
名前 | 内容 |
ゲーテ | この素晴らしい庭を見ながら お茶を楽しむ時間はまさに至福ですね 貴方がたのもてなしの精神に感動しました |
森鴎外 | ゲーテ殿が気に入ってくれて良かった ありがとう永井君、君のお陰だ |
永井荷風 | いえ、私が好きでやっている事です お二人はゆっくり寛いで下さい |
+
名前 | 内容 |
新美南吉 | 高村さん! ぼくも、ぼくのお皿も けんちゃんとおんなじにしてください! |
高村光太郎 | うん、いいよ。オムライスの周りにソースで 池を作って、野菜フライを浮かべよう 仕上げに旗を立てれば…… |
山本有三 | おや、かわいいお子様ランチだね! 子供たちが喜んで食べる工夫をしてあげる 高村さんは先生の鑑だねえ |
+
名前 | 内容 |
島崎藤村 | あれ……僕の分のご飯は……? 僕に食べられるのが嫌なのかな…… |
正宗白鳥 | 違う。お前が食堂に来るのが遅かったから 特別メニューの提供が終わっただけだ |
北村透谷 | 藤村の分は僕らが頼んでおいたよ 君が来るのを待っていたんだ、一緒に食べよう! |
+
名前 | 内容 |
坂口安吾 | 梶井、体調崩したって? 見舞いにきたぜ 檸檬を持ってきたから、これで元気出せよ |
梶井基次郎 | わあ、有難う坂口くん ふふ……たまには熱を出すのも悪くないね 君の檸檬も一緒に積んでおいてくれるかい? |
井伏鱒二 | うわっ、檸檬の山が出来てるじゃないか これも見舞いの品か……考える事はみな同じだな |
+
名前 | 内容 |
吉井勇 | すまねえトルストイ。「パンの会」ってのは パンを作る会じゃんくて、牧神の方なんだ お前の力になってやれなくて悪いな…… |
トルストイ | う、ううん! 僕の方こそごめんなさい 名前だけ聞いて、パン作りが好きな人の会だと 勘違いしちゃった |
北原白秋 | 料理はしないが、美味い物は大好きだよ 君の食べたいパンについて話してみたまえ 力になれるかもしれないよ |
+
名前 | 内容 |
徳冨蘆花 | 松岡くん、トトを見かけなかった? 遊びに行ったまま帰ってこないんだ…… |
松岡譲 | トトはここで休んでいますよ 遊び疲れてウトウトしてしまったようです |
新美南吉 | ぼくもトトの気持ち分かるよう 松岡さんの傍にいると、安心して眠くなっちゃうの むにゃ…… |
+
名前 | 内容 |
国木田独歩 | へえ、その伝説の王の剣とやらは 何百年の時を経た今も、何処かの城に 残っているかもしれないのか |
コナン・ドイル | 嗚呼。その剣は守り手達によって ひっそりと現代まで受け継がれているらしい どうだね、我が国の伝承もなかなか面白いだろう? |
小泉八雲 | ハイ! 浪漫あふれるステキなお話デス コナン・ドイルさん、もっと聞かせて下サイ! |
+
名前 | 内容 |
ラヴクラフト | 青い、神秘の飲み物、クリームソーダ…… 私、もう一杯希望、所望します |
宮沢賢治 | やったあ! ラヴクラフトさん、ボクらが作った クリームソーダを気に入ってくれたみたいだよ! |
江戸川乱歩 | ワタクシのイタズラ用着色料が役に立ちましたね お次は、アイスの色も変えて差し上げましょうか! |
+
名前 | 内容 |
ボードレール | おや、キミは画家なんだね ふーん……これはなかなか素敵な絵だ 詩の題材になるかもしれないな |
佐藤春夫 | ……って通りすがりに言われてな あの美術評論家のボードレールにそんな事を 言われて、嬉しくならない奴はいないだろう? |
谷崎潤一郎 | それで描き上げた絵をあげてしまったのですか! もう……私も完成を楽しみにしていたのに…… |
+
名前 | 内容 |
織田作之助 | よっしゃー! 今日の昼飯カレーやん! 生卵のせて、ソースかけて、スプーンで ええ感じにまむしてと……はーっ美味そうやなあ! |
堀辰雄 | オダサクさん、「まむして」ってどういう意味 なんですか? その言葉を聞くと 僕は「まむし」を想像してしまって…… |
三好達治 | 大阪の言葉で「混ぜる」って意味っスよ 卵混ぜると味がまろやかになるんで、 辛いのが苦手なら、やってみたらどうっスか? |
+
名前 | 内容 |
小泉八雲 | どうぞコナン・ドイルサン 肩肘張らずに楽しんでクダサイ! |
横光利一 | これが抹茶だ。少し苦いが 茶菓子と味わうと風味を引き立ててくれるだろう |
コナン・ドイル | これがこの国の茶会スタイルか…… 畳といい、炉といい、驚きの連続だよ |
+
名前 | 内容 |
小林多喜二 | ……おかわりをもらってもいいかな |
織田作之助 | まだ食うんかーい! その胃袋の中、宇宙に繋がっとるんちゃうか? |
中野重治 | ふふ。いい食べっぷりだね、多喜二 見ていて気持ちがいいくらいだ |
+
名前 | 内容 |
島田清次郎 | むにゃ、どうだ闇の帝王の力! 闇の血脈が俺に囁くのだ…むぅ |
鈴木三重吉 | うわっ、びっくりした。これは…寝言? |
高村光太郎 | 楽しそうな寝言だね… 夢の中で一体なにをしているんだろう? |
+
名前 | 内容 |
永井荷風 | ……ですので、この浮世絵は西洋の油絵と比べて 構図や色使いの考え方が全く違うといえるでしょう |
ゲーテ | それは興味深いですね…… 他にも見せていただけますか? |
ボードレール | トレビアン! 芸術の真髄を垣間見た気持ちだよ 僕のコレクションも解説してくれるかい? |
+
フィッツジェラルド、田山花袋、国木田独歩、島崎藤村
名前 | 内容 |
フィッツジェラルド | Hi, there! 調子はどうだい、親友? |
田山花袋 | 絶好調だぜ! 昨日のパーティは最高だったなあ |
国木田独歩 | ろくに話したこともなかったのに もうあんなに仲良くなってる |
島崎藤村 | スコットさんと話していると ずっと昔から知り合いだった気がしてくるね |
+
名前 | 内容 |
幸田露伴 | これから特別浄化任務を始める。準備はいいか? |
小川未明 | うん、図書館掃除隊の出動だね |
三好達治 | 汚れは自分たちが一つ残らずやっつけてやるッス! |
+
名前 | 内容 |
小泉八雲 | 皆様、ワタクシ達の演奏会に来てくれて有難う ございマス。穏やかな時間をお楽しみ下サイ |
萩原朔太郎 | あ……君も来てくれたんだ! 以前リクエストしてくれた曲、沢山練習してきたよ |
中島敦(裏) | …………そうか。楽しみにしている |
+
名前 | 内容 |
吉井勇 | くそっ、また負けた…… |
ドストエフスキー | また勝っちまったな 言っとくが、イカサマはしてねえからな |
菊池寛 | あっという間に花札のルールを覚えちまった…… さすがドストエフスキーだな…… |
+
名前 | 内容 |
江戸川乱歩 | ラヴクラフトさんの壺から時折出てくる あの生き物……あれは一体なんなのでしょうか |
夢野久作 | 正体は不明ですが、形状は蛸に似ていますね お味も蛸に似ていたりするのでしょうか…… アア、解体して調べてみたい! |
ポー | 貴様ら、今すぐその話をやめろ! 恐ろしい……何故あの生き物を 食べようなどという気になるのだ…… |
+
名前 | 内容 |
島田清次郎 | むにゃ、どうだ闇の帝王の力! 闇の血脈が俺に囁くのだ……むぅ |
鈴木三重吉 | うわっ、びっくりした。これは……寝言? |
高村光太郎 | 楽しそうな寝言だね…… 夢の中で一体何をしているんだろう? |
+
名前 | 内容 |
太宰治 | いつも世話になってる春夫先生にお礼をしたいなあ なあ檀、何が良いと思う? |
檀一雄 | その気持ちだけで十分喜んで下さるだろうけど それなら料理でも作ってみるか? |
佐藤春夫 | それで秋刀魚の寿司を作ってくれたのか お前たち俺の好物を良く知っているんだな 有難く頂くよ |
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報告例:いの段 歌のわかれ 中野重治と室生犀星 ボス撃破後に発生
※発生しない事例の報告は、回想が回収済みでないか図鑑にて確認の上でお願いします。
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